実験医学増刊 Vol.20 No.14 2002
探索から機能解析へ向かう
プロテオミクス時代の
タンパク質研究
編集:宮崎 香,岡田雅人
 出版社  羊土社

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■ 概論 新しい時代のタンパク質研究

1.プロテオームとプロテオミクス 2.タンパク質の機能解析
宮崎 香

■ 第1章 プロテオミクスによる探索と機能解析

1 全ゲノム配列からのタンパク質立体構造の予測
福地佐斗志,西川 建
1.立体構造予測法 2.GTOPデータベース 3.GTOPの応用例−偽遺伝子探索

2 タンパク質のドメイン構造
−機能ドメインと構造ドメイン
西村善文

1.構造的に安定なタンパク質のユニット:構造ドメイン 2.機能ドメインとアミノ酸の配列と構造ドメイン 3.天然変性ドメイン(naturally unfolded domain) 4.機能未知ドメインの構造類似性と機能表面 5.細菌のタンパク質のドメイン構造 6.タンパク質のドメインと構造性残基と機能性残基

3 インフォマティクスを利用した探索と機能解析
大川和史,松末朋和

1.相同性検索やモチーフ検索を用いた機能解析 2.ヒトゲノムデータベースを利用してファミリーの配列を推定する 3.マウスゲノムデータベースを利用してオーソログの情報を得る

4 病態プロテオミクス方法論の現状と課題
川上隆雄,西村俊秀

1.プロテオミクスの手段としての質量分析法 2.プロテオーム相対定量の現状と成果 3.相対定量の結果が意味するところは?

5 タンパク質の翻訳後修飾の解析
平野 久,岩船裕子

1.翻訳後修飾の種類と機能 2.アミノ酸の修飾の分析方法 3. 翻訳後修飾データベース 4.翻訳後修飾の機能解析

6 バイオセンサーを用いたタンパク質相互作用解析
夏目 徹

1.網羅的タンパク質相互作用解析をめざして 2.相互作用マッピングの次に来るもの:リアルタイム解析とバイオセンサー 3.SPRイメージング 4.SPRi-プロテインアレイ

7 無細胞タンパク質合成システム
清水義宏,上田卓也

1.無細胞タンパク質合成系 2.無細胞タンパク質合成系の安定化と高効率化 3.従来の手法とは異なるPUREシステム 4.無細胞タンパク質合成系の応用

■ 第2章 タンパク質の分子機能と生物学的機能

1)分子機能解析
1 ミオシンスーパーファミリータンパク質の多彩な機能

須藤和夫
1.モーター機能の多様性 2.力発生に伴うミオシンIIの構造変化:レバーアーム説 3.走るモーター,歩くモーター、這うモーター 4.ミオシンスーパーファミリータンパク質の多様な細胞内機能 5.ミオシンスーパーファミリータンパク質が形成する高次機能集合体

2 生理活性ペプチドの立体構造と受容体との相互作用
−Gタンパク質共役型受容体に結合したペプチドリガンドの構造
白川昌宏

1.受容体に結合した状態でのPACAPの立体構造

3 シグナル伝達分子のバイオイメージング
望月直樹

1.FRET原理を用いた分子活性化の可視化 2.GFPを用いた分子局在の変化のタイムラプスモニターリング 3.IRESを活かした細胞のマーキングによるタンパク質機能の検討 4.タイムラプスイメージングに必要な装置について

2)タンパク質の修飾および局在化と機能発現
1 硫酸化グリコサミノグリカン糖鎖によるタンパク質への機能付加
−高度に進化したプロテオグリカン分子
菅原一幸,三上雅久

1.プロテオグリカンの構造 2.硫酸化GAG鎖の機能 3.プロテオグリカンの生合成 4.パートタイムプロテオグリカン 5.結合領域のリン酸化と硫酸化による修飾構造とその意義に関する仮説

2 ユビキチン・プロテアソーム系による細胞機能制御
畠山鎮次,中山敬一

1.ユビキチン・プロテアソーム系タンパク質分解 2.ユビキチン化介在性分解と細胞機能制御 3.分解に関与しないユビキチン化修飾

3 膜タンパク質のトポジェネシス
−細胞内配置と膜内構造構築の研究
阪口雅郎

1.タンパク質膜組込み装置:シグナル認識粒子(SRP)とトランスロコン 2.小胞体膜への組込みとトポロジーの決定 3.複数のTMをもつ膜タンパク質のトポロジー形成 4.構造形成の最終段階:トランスロコンからの離脱とTMセグメントのパッキング

4 核-細胞質間タンパク質輸送の基本メカニズム
小瀬真吾,今本尚子

1.選択的タンパク質輸送と自由拡散 2.輸送シグナル 3.importinβファミリー分子群による核-細胞質間輸送とその基本原理 4.輸送担体の多様性 5.importinβの輸送基質多様性への対応 6.importinβファミリー分子に依存しない輸送 7.核膜孔通過反応

5 細胞間をシールする接着分子クローディンファミリー
古瀬幹夫

1.タイトジャンクションの接着分子クローディン 2.TJの分子構築 3.TJのバリア機能

6 細胞外マトリックスの多様性とインテグリンシグナリング
関口清俊

1. 細胞外マトリックスの多様性と基底膜 2.ラミニンの分子多様性 3.ラミニンのインテグリン結合特異性 4.基底膜からインテグリンを介して伝達されるシグナル

3)生理活性因子とシグナル伝達因子
1 新規FGF遺伝子の探索と機能解析
伊藤信行,小西守周

1.新規なFGF遺伝子の探索 2.新規なFGF遺伝子の機能解析

2 グレリン(ghrelin)
寒川賢治,児島将康,細田洋司

1.グレリンの探索と構造決定 2.グレリンの生体内分布 3.グレリンの生理作用 4.グレリンの分泌および遺伝子発現の調節

3 GTPタンパク質
本田知之,清水一也,中西宏之,高井義美

1.Small G 2.三量体Gタンパク質

4 Srcチロシンキナーゼシグナリングの分子機序
岡田雅人,小川 輝

1.Src型チロシンキナーゼ(SFK)の構造と機能 2.SFKの活性制御機構 3.Cskの活性制御機構 4.Cskの構造機能相関

5 プロテインキナーゼCの生理的機能の解明にむけた研究戦略
鈴木 厚

1.PKC研究の歴史とプロテオミクス研究 2.1つのモデルケースとしてのaPKC機能解析

6 MAPキナーゼカスケード
原田武志,西田栄介

1.MAPキナーゼカスケード 2.MAPKファミリー分子 3. MAPキナーゼカスケードの制御機構

7 細胞死のシグナル伝達
清水重臣,辻本賀英

1.アポトーシスのシグナル伝達機構 2.カスペースによる細胞死の実行 3.IAPファミリータンパク質によるカスペース制御 4.カスペース活性化機構 5.アポトーシスにおけるミトコンドリアの役割 6.Bcl-2ファミリータンパク質の機能

■ 第3章 タンパク質の機能と病態

1 HGFによる器官再生とNK4による制癌
久場敬司,中村敏一

1.肝再生とHGFの発見 2.HGFの多様な生物活性 3.HGFの再生医療への応用 4.HGFを介した癌悪性化 5.NK4の調整とその制癌作用

2 ADAM12によるHB-EGFのプロセシングと心肥大
東山繁樹

1.HB-EGFとは 2.膜型HB-EGFから遊離型HB-EGFへの変換の生理的意義 3.心筋疾患とHB-EGFプロセシング

3 細胞内マトリックスタンパク質と癌の悪性増殖
−ラミニン5を例として
廣ア智巳,宮崎 香

1.癌細胞の悪性増殖とECM分子 2.ラミニン5(LN5)と癌の悪性増殖

4 癌の悪性増殖とMMP
佐藤 博

1.遺伝子欠損マウスによるMMPの機能解析 2.癌悪性化におけるMT1-MMPの役割 3.MT1-MMP活性制御因子の探索

5 痴呆の病因タンパク質
−アルツハイマー病を中心に
岩坪 威

1.神経原線維変化とタウ 2.βアミロイドとその前駆体APP 3.プレセニリンとγセクレターゼ

6 Toll様受容体ファミリーのシグナル伝達機構
改正恒康,審良静男

1.TLRファミリーによる病原体認識 2.アダプター分子MyD88の重要性 3.TLR4シグナルとMyD88非依存性経路 4.TLRシグナルの多様性 5.MyD88非依存性経路の分子機構

■ 索引


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