実験医学増刊 Vol.19 No.2 2001
タンパク質分解の最前線2001
注目のユビキチン・プロテアソーム系とリソソーム/液胞系の分子機構と病態に迫る
 出版社  羊土社

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■ 第1章 ユビキチンシステム

【概論】
概論−ユビキチンシステム研究の動向
田中啓二

1. ユビキチンシステムの発見 2. ユビキチンシステムの確立とN末端則 3. ユビキチンリガーゼ研究の動向 4. 続々と登場するユビキチン類似分子群 5. 不思議な修飾反応の可逆性 6. 21世紀のユビキチン研究

1)ユビキチンリガーゼ研究の最前線
1 古くて新しいN末端則経路

八代田英樹
1. N末端則とは 2. N末端則経路を構成する因子 3. N末端則経路の生理的機能

2 APC/サイクロソームによるM期制御機構
武田鋼二郎,木全諭宇,柳田充弘

1. APC/Cの発見とサブユニットの同定 2. APC/Cの基質−ユビキチン依存的タンパク質分解とM期進行 3. APC/Cの制御

3 SCF複合体の多面的な作用機構
中山敬一,中山啓子

1. SCF複合体の発見 2. SCF複合体の分子構造と機能 3. SCF複合体によって制御される生体機能 4. ノックアウトマウス作製によるSCF複合体の解析

4 pVHLユビキチンリガーゼと発癌
岩井一宏,齋藤耕二朗

1. VBC-Cul2は新たなファミリーを形成するE3の1つである 2. VBC-Cul2リガーゼはHIF-αをユビキチン修飾する 3. VHL病における腫瘍発生メカニズム 4. VBC-Cul2ユビキチンリガーゼの基質タンパクはHIF-αだけなのであろうか?

5 E6/E6APとMDM2によるp53のユビキチン化の制御機構
安田秀世

1. p53のユビキチンリガーゼ,E6/E6AP複合体 2. HECT型ユビキチンリガーゼ 3. HPV非感染細胞ではMDM2がp53のユビキチンリガーゼである 4. MDM2の活性制御機構 5. MDM2の活性減少による細胞内p53の安定化

6 c-CblのRINGフィンガー依存性ユビキチンリガーゼ活性と癌化
横内雅博,Roland Baron, 吉村昭彦

1. E3としてのc-Cblの同定 2. c-Cblと癌

7 ユビキチンリガーゼとしてのparkinとパーキンソン病
−家族性パーキンソン病から孤発型パーキンソン病へ
服部信孝,志村秀樹

1. 孤発型PDとPark1 (α-synuclein) 2. 孤発型PDとPark2 (parkin) 3. 孤発型PDと家族性PD

2)ユビキチンバイオロジーと疾患
1 IκBの分解を制御するユビキチンリガーゼ複合体SCFFbw1
畠山鎮次

1. NFκBシグナル 2. IκBキナーゼ(IKK) 3. ユビキチン化酵素複合体SCFFbw1 4. 2つのユビキチン様分子のNFκBシグナルへの関与

2 Cdkインヒビターp27の分解と癌
加藤順也,友田紀一郎,荒田幸信,田中利明,加藤規子

1. Cdkインヒビターp27について 2. p27の発現量と癌の悪性度 3. p27の制御と癌

3 β-カテニンの分解と癌
北川雅敏

1. Wntシグナル伝達系 2. Wntシグナル伝達系の標的遺伝子 3.β-カテニンのユビキチンリガーゼSCFβ-TrCP/Fbw1/FWDI 4. Wntシグナル伝達系と癌化

4 TGF-βのシグナル伝達とユビキチン・プロテアソームシステム
今村健志,宮園浩平

1. TGF-βスーパーファミリーのシグナル伝達機構 2. Smurf1とBMP特異型Smadの分解機構 3. Smad2の分解機構 4. Smurf2 とTGF-β特異型 Smadの分解機構 5. Smadの分解機構と癌

5 脱ユビキチン化酵素の多彩な作用
鈴木俊顕

1. 脱ユビキチン化酵素の構造による分類 2. 脱ユビキチン化酵素の機能的分類 3. 種々の脱ユビキチン化酵素

6 初期発生における細胞周期制御因子の分解とその意義
宇都克裕,岡本健吾,佐方功幸

1. Mos 2. Weel 3. Nek2

7 植物ユビキチンシステム研究の新展開
松田憲之,中野明彦

1. 光形態形成とユビキチン化 2. 植物ホルモンオーキシンのシグナル伝達とユビキチン化 3. シロイヌナズナの新しいE3 Rmal

3)新しいモディファイアーシステム研究の動向
1 SUMO-1修飾と癌化
斉藤寿仁

1. RanGAP1 2. PML 3. MDM2 4. p53 5. シグナル伝達のタンパク質 6. 染色体DNA複製,組換えのタンパク質

2 NEDD8システム
千葉智樹

1. 標的タンパク質に共有結合するユビキチン様タンパク質NEDD8/Rub1 2. NEDD8修飾を触媒するE1様酵素およびE2様酵素 3. NEDD8の標的タンパク質Cullinファミリータンパク質 4. NEDD8によるSCF複合体の調節 5. NEDD8システムの基質(Culファミリータンパク質)認識機構 6. NEDD8システムによる細胞周期制御

3 Urm1システム:ユビキチンシステムと硫黄原子転移反応との架け橋
水島 昇,古川和明,野田健司,大隅良典

1. 大腸菌にユビキチン類似システムがある? 2. 新規の酵素Ub1, Urm1の発見 3. 新規のE1様酵母Uba4の単離 4. Urm1結合システム 5. Ublシステムの進化

■ 第2章 プロテアソームシステム

【概論】
プロテアソーム研究の動向
田中啓二

1. 新酵素の発見前夜 2. 20Sプロテアソームの発見 3. 26Sプロテアソームの発見 4. プロテアソーム研究の軌跡 5. 21世紀のプロテアソーム研究
1)構造・機能と分子多様性
1 高次構造研究の進展

水島恒裕,海野昌喜
1. プロテアソームの構造解析 2. 大腸菌のATP依存性プロテアーゼ

2 免疫プロテアソームとハイブリッドプロテアソーム
村田茂穂

1. プロテアソームとMHC class I抗原プロセッシング 2. 免疫プロテアソーム 3. ハイブリッドプロテアソーム

3 マウス胎仔期に特異的に発現するユビキチンレセプター
−26Sプロテアソームの分子多様性とその意義
川原裕之

1. 26Sプロテアソームシステム 2. ポリユビキチン鎖認識サブユニット 3. Rpn10サブユニットの多様性

2)プロテアソームバイオロジーの発展
1 プロテアソームによる出芽酵母の細胞周期制御
東江昭夫

1. ユビキチン・プロテアソーム系 2. プロテアソーム変異体が示す細胞周期異常 3. Cdc28キナーゼとプロテアソームとの機能的・物理的関係 4. rpn9変異体中での細胞周期制御タンパク質の分解

2 小胞体関連分解機構の最前線
徳永文稔

1. ERADの阻害剤 2. ERADシステムの最新モデル 3. ERAD異常に関連したミスフォールドタンパク質の凝集体形成と疾患とのかかわり 4. 小胞体ストレスとERAD

3 オルニチン脱炭酸酵素とアンチザイム
村上安子,松藤千弥

1. ポリアミンによるODCの分解制御とアンチザイムの役割 2. ODC分解の分子機構 3. アンチザイムの分子進化 4. 新たに見出されたアンチザイムの分子種

4 分子シャペロンとプロテアソーム
南 康文

1. タンパク質のフォールディング,そして凝集と分解 2. 分子シャペロンとタンパク質の分解 3. タンパク質のアグリゲート:アグリソーム

■ 第3章 リソソーム/液胞システム

【概論】
リソソーム/液胞システム研究の動向
大隅良典

1. リソソーム/液胞における分解経路 2. 酵母のオートファジーモデル系の展開 3. アミノペプチダーゼIの輸送系,Cvt pathway 4. APG遺伝子の解析 5. オートファジーをめぐる今後の課題

1)オートファジーの分子機構
1 酵母のオートファジーを司る分子群
野田健司,鎌田芳彰,大隅良典

1. オートファジーを誘導する分子機構 2. 2つのユビキチン様結合系の関与 3. オートファゴソームを形成する膜 4. オートファジーとCvt pathway 5. 融合と分解

2 動物細胞オートファジーの分子機構
水島 昇,大隅良典,吉森 保

1. マクロオートファジー 2. ミクロオートファジー 3. シャペロン介在性オートファジー

3 オルガネラ分解戦略としてのオートファジーとその分子機構
−メタノール資化性酵母のミクロペキソファジーをモデルとして
阪井康能

1. オルガネラ分解をどのように追跡するのか? 2. 形態学的変化によるペキソファジーの追跡 3. 遺伝学的解剖:ミクロペキソファジーに関与するPAZ遺伝子群の同定 4. ミクロペキソファジーに関与するPAZ遺伝子産物とは?

4 オートファジーのシグナリング
門脇基二

1. マクロオートファジー経路 2. マクロオートファジーの調節

2)リソソームシステムの最前線
1 拡大するカテプシン研究
木南英紀

1. カテプシン:エンドソーム/リソソーム系プロテアーゼ 2. カテプシンファミリーの拡大 3. カテプシンの遺伝子異常からみた生理機能

2 抗原提示細胞におけるエンドソーム/リソソーム系と抗原提示におけるプロテアーゼの役割
石堂一巳

1. エンドソーム/リソソームシステム 2. 外来性抗原提示におけるプロテアーゼの役割 3. 細胞内タンパク質のMHCクラスIIによる抗原提示

■ 索引


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