実験医学増刊 Vol.20 No.2 2002
ここまで分かった
形づくりの
シグナル伝達

細胞極性・細胞運動制御から
情報伝達破綻による疾病まで

 出版社  羊土社

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【概論】
多細胞生物の情報伝達
竹縄忠臣
1.特異性と多様性をもつドメイン構造の出現 2.シグナル複合体による同時多発的シグナル伝達 3.細胞・個体を形づくるシグナルの時間的,空間的制御 4.細胞運動の推進力発生のメカニズムとそのトピック 5.形づくりのシグナル伝達
■ 第1章 細胞内シグナル伝達の最近の動向
1 真核細胞のmRNA動態を制御する新規Gタンパク質ファミリー
荒木保弘,星野真一,堅田利明
1.Gタンパク質を介したシグナル伝達の新たな展開 2.オーファンレセプター
2 三量体Gタンパク質を介するシグナル伝達とオーファンレセプター
黒瀬 等
 
1.Gタンパク質を介したシグナル伝達の新たな展開 2.オーファンレセプター
3 Rhoファミリー低分子量Gタンパク質による細胞の運動と接着の制御機構
福原淳範,入江賢児,中西宏之,高井義美
 
1.Rhoファミリーの作用機構 2.Rhoファミリーの活性化機構 3.細胞の運動と接着におけるRhoファミリーとRab/Arf/Sarファミリーの協調作用 4.細胞接着・脱接着におけるRhoファミリーの関与
4 神経系におけるチロシンキナーゼの役割
中澤敬信,山本 雅
 
1.チロシンキナーゼとは 2.Ephファミリーチロシンキナーゼ 3.Trkファミリーチロシンキナーゼ 4.Srcファミリーチロシンキナーゼ 5.その他のチロシンキナーゼ 
5 細胞内シグナル伝達におけるプロテインホスファターゼの役割
 -酵素の構造から細胞接着・個体発生まで
菊池九二三,島 礼,田沼延公
 
1.プロテインホスファターゼの構造と機能 2.プロテインホスファターゼと情報伝達 3.プロテインホスファターゼと細胞の極性・接着・運動 4.プロテインホスファターゼと発生・分化・形態形成
6 カルシニューリン・NFATの制御システム
芝崎 太
 
1.NFATのサブタイプと組織発現 2.カルシニューリンによるNFATの核内シャトリング 3.NFATキナーゼ 4.核内シャトリングの制御機構
7 情報伝達におけるドメイン構造の多様性と認識の普遍性
西村善文
 
1.SH2ドメインのリン酸化ペプチドの認識 2.PHスーパーフォールド−PHドメイン,PTBドメイン,EVH1ドメイン 3.FYVEドメイン,ENTHドメイン,PXドメインによるリン脂質の認識 4.FERMドメイン 5.Mybドメインにおける機能多様性
8 MAPキナーゼカスケード
山中洋昭,西田栄介
 
1.MAPキナーゼスーパーファミリー 2.MAPキナーゼスーパーファミリーの生理的機能 3.MAPKの活性制御機構および核移行制御
■ 第2章 細胞極性,接着,細胞運動制御のシグナル伝達
1) 細胞極性と細胞局在
1 PAR-aPKCカセットと細胞極性形成
大野茂男
 
1.PAR-aPKCカセットの生化学 2.線虫受精卵における非対称分裂に先立つ細胞極性形成とPAR-aPKCカセット 3.ショウジョウバエ初期胚上皮細胞と神経芽細胞などの非対称分裂における細胞極性とBazooka-aPKC-PAR-6カセット 4.哺乳類上皮細胞におけるPAR-aPKCカセット
2 PDZドメインによる機能分子の局在制御と情報クロストーク
土田邦博,松崎高志,山川哲生,杉野 弘
 
1.ペプチド結合モジュールとしてのPDZタンパク質 2.PDZドメインのタンパク質結合様式と標的因子 3.PDZドメインの機能
3 酵母における細胞極性形成と非対称分裂の制御機構
入江賢児,多々内智史,松本邦弘
 
1.酵母の細胞極性の形成 2.酵母の非対称分裂
4 ショウジョウバエ卵母細胞における極性形成とRNA局在・翻訳調節
矢野 環,松居靖久
 
1.卵母細胞の決定−前後軸形成のはじまり 2.体軸形成におけるRNA局在と翻訳制御の重要性
2) 細胞接着の機序
1 細胞膜裏打ちタンパク質による細胞接着/細胞骨格とシグナル伝達の制御
木岡紀幸
 
1.細胞膜裏打ちタンパク質と細胞接着/細胞骨格の制御 2.細胞膜裏打ちタンパク質と細胞接着シグナルの制御
2 カドヘリン・カテニン複合体とシグナル伝達関連因子
永渕昭良
 
1.カドヘリン・カテニン複合体と局在をともにするシグナル伝達分子 2.β-カテニンのチロシンリン酸化 3.P120のチロシンリン酸化と低分子量Gタンパク質 4.カドヘリン・カテニン複合体による細胞増殖制御の可能性
3 ネクチン-アファディン系による細胞間接着の形成機構
山本泰憲,入江賢児,中西宏之,高井義美
 
1.ネクチンによる細胞接着 2.ネクチン-アファディン系による上皮細胞の細胞間接着の形成機構 3.ネクチン-アファディン系による神経シナプスの形成機構 4.ネクチン-アファディン系による異種細胞間の接着制御
4 細胞外マトリックス分子による細胞の接着と運動の制御
 −ラミニン5を例として
苅谷慶喜,坪田芳明,宮崎 香
 
1.細胞接着とインテグリン 2.ラミニン分子の多様性と生理機能 3.ラミニン5の構造と機能
3) 細胞運動の制御
1 WASPファミリータンパクによる細胞運動制御
山口英樹
 
1.WASPファミリーのメンバー 2.WASPファミリータンパク質の構造 3.WASPファミリータンパク質のアクチン重合誘導活性 4.WASPファミリータンパク質の機能 5.WASPファミリータンパク質の活性制御 6.N-WASPとWAVEによる糸状仮足,葉状仮足の形成
2 Ephファミリーレセプターと細胞移動
田中正光,椙村春彦
 
1.Eph/ephrinによる細胞の反発作用の制御機構 2.Eph/ephrinが関与する神経系の細胞移動現象 3.Eph/ephrinによる細胞運動に関与する他の細胞内タンパク質 4.反発vs誘引/接着
3 細胞遊走におけるチロシンキナーゼPYK2の多様な役割
沖垣光彦
 
1.PYK2欠損マクロファージにおける遊走能の低下と細胞骨格の異常 2.PYK2欠損細胞における細胞遊走にかかわる細胞内情報伝達機構の異常 3.PYK2欠損細胞におけるカルシウムの細胞質内動員の減弱
4 S1PレセプターEdgによるRhoファミリーGタンパクと細胞運動の二方向性制御−血管形成との関連
多久和 陽
 
1.Edgサブタイプによる細胞遊走の二方向性調節 2.Edg5による遊走抑制のシグナル伝達 3.Edgファミリーと血管形成
5 Smad2シグナルによる個体発生制御
野村政壽
 
1.マウス発生過程 2.中胚葉誘導,原条形成におけるSmad2シグナルの機能 3.近位内胚葉(胚体外組織)と胚体外胚葉 4.Smad2シグナルのリガンドとレセプター 5.アクチビンレセプター−Smad2シグナルは個体発生全体に重要である
■ 第3章 発生・分化・形態形成に関わるシグナリング
1 RhoファミリーGTPaseのGEFによる線虫C. elegansのexcretory canalの発生制御
鈴木教郎
 
1.exc-5遺伝子はRhoファミリーGTPaseのGEFをコードする 2.excretory canalの構造 3.exc-5遺伝子の過剰発現
2 血液/血管系幹細胞の分化増殖制御
尾池雄一,浜田浩一,須田年生
 
1.造血細胞と血管内皮細胞の共通祖先細胞としてのヘマンジオブラスト 2.VEGF-VEGFRの血管系細胞へのシグナル伝達 3.アンジオポエチン-TIE2の血液・血管系細胞へのシグナル伝達
3 造血幹細胞と間質細胞の細胞間相互作用
大久保 直,矢内信昭,帯刀益夫
 
1.造血幹細胞の同定とその微小環境 2.間質細胞による造血微小環境のin vitro再構成 3.間質細胞による造血幹細胞の未分化維持機構 4.間葉系幹細胞(間質細胞)の分化制御
4 形態形成におけるWntシグナル伝達経路の役割
小林雅史,岸田昭世,菊池 章
 
1.β-カテニン経路 2.PCP経路 3.中枢神経系ニューロンのシナプス形成への関与 4.Wntシグナル伝達経路を負に制御するタンパク質の同定
5 ステロイドホルモンレセプターによる発生分化の制御
加藤茂明,吉村公宏,中村 貴
 
1.核内レセプターの機能 2.個体発生における核内レセプターの生理機能
6 視蓋/小脳の分化とFGFシグナル
佐藤達也,仲村春和
 
1.中脳/後脳境界領域(峡部)のオーガナイザー活性 2.FGF8aおよびFGF8bの異所的強制発現 3.FGFシグナルの量的差異による表現型の違い 4.正常胚におけるFGF8の役割についての考察
■ 第4章 シグナリングと病態
1 アポトーシスの制御機構
田中信之
 
1.アポトーシス制御の分子機構 2.ストレスシグナルによるアポトーシスの誘導 3.生存因子によるアポトーシスの制御 4.デスレセプターを介するアポトーシスの誘導−ミトコンドリアを介する経路と介さない経路
2 小胞体ストレスによる細胞死の分子機構と疾患
西頭英起,一條秀憲
 
1.ERストレスとUPRによる生存シグナル 2.ERストレスによるアポトーシスシグナル 3.ASK1を介したERストレスによる細胞死とポリグルタミン病 4.ERストレスと疾患
3 リゾ脂質性メディエーターの機能と病態
岡島史和
 
1.リゾスフィンゴ脂質の産生経路 2.細胞外シグナル分子としてのリゾ脂質 3.病態との関連
4 老化と寿命制御におけるシグナル伝達
森 望
 
1.寿命制御シグナル 2.老化制御シグナル
5 タンパク質の品質管理と神経変性疾患
田中啓二
 
1.シャペロンシステム 2.ユビキチンプロテアソームシステム 3.分子シャペロンとユビキチン代謝系の連携 4.品質管理の破綻と神経変性疾患
6 Fcレセプターによる免疫制御機構
秋山健一,貫和敏博,高井俊行
 
1.FcRの分子構造 2.FcRのシグナリング 3.FcRと病態
7 糖尿病とシグナル伝達障害
門脇 孝,山内敏正,戸辺一之,寺内康夫,窪田直人
 
1.インスリン作用の分子機構とその異常 2.肥満・脂肪細胞肥大とインスリン抵抗性
■ 索引


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