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実験医学増刊 Vol.20 No.8 2002
血管の先端分子医学と臨床への躍進

血管新生・リモデリングの分子メカニズムから期待される腫瘍・動脈硬化の治療戦略まで
 出版社  羊土社

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第1部 基礎医学編

 第1部 color graphics

概論 血管新生にかかわる多様なシグナル伝達系
渋谷正史

1.胎生期における血管系形成の多段階過程 2.血管系の初期発生および造血発生を規定するVEGF/VEGFレセプターシステム 3.新しいタイプの血管制御−組織特異的血管内皮増殖因子(EG-VEGF) 4.血管内皮と平滑筋細胞の相互作用に関与するAng/Tieレセプターシステム 5.動・静脈の分化とEphrin-B2-EphB4レセプターシステム 6.シェアストレス(ずり応力)とインテグリン系 7.胎生期における組織特異的な血管形成の制御,および転写因子などその他の諸因子

■ 第1章 血管発生と血管新生の分子メカニズム

1.血管系の発生と形態形成
植村明嘉,小川峰太郎,西川伸一

1.血管発生過程-原始血管叢と血管リモデリング 2.血管形成における血管壁細胞のリクル−ト 3.内皮・壁細胞間相互作用と血管リモデリング 4.網膜血管発生を用いた血管リモデリングの解析 5.動静脈特異性の確立


2.大血管の発生と神経堤細胞
栗原裕基

1.大血管の進化と形態形成 2.神経堤細胞の発生分化 3.神経堤細胞の遊走と分化 4.神経堤細胞の分化決定のメカニズム 5.大血管形成と神経堤細胞 6.エンドセリンと心臓神経堤細胞

3.血管新生・血管発生にかかわる転写因子
−ETSファミリー転写因子を中心に
佐藤靖史

1.胎生期の血管形成と成熟個体の血管新生 2.ETSファミリ−転写因子と血管形成 3.血管新生におけるETS-1の機能

4.血管新生・血管発生に関わる因子

1)血管内皮増殖因子VEGFの作用機構
渋谷正史

1.VEGFファミリーの構造と性質 2.VEGF-Aに関する最近の話題 3.VEGFレセプター(Fltチロシンキナーゼ群) 4.VEGFレセプターに関する最近の話題 5.VEGF-VEGFRシステムの疾患への関連とそれに対する阻害剤の開発,および再生医学への応用

2)アンジオポエチン−血管内皮細胞と壁細胞の相互作用
高倉伸幸

1.アンジオポエチンとTie2レセプター 2.Tie2−アンジオポエチンの機能 3.Tie2活性化のシグナル伝達

3)コンドロモジュリン-Iとテノモジュリン−間葉系組織由来の血管新生抑制因子
宿南知佐,大島佑介,西崎有利子,開 祐司

1.ChM-I前駆体とTeMの構造 2.ChM-I とTeM−血管新生抑制と構造モチーフ 3.軟骨から骨へ−血管侵入抵抗性の動的変化

4)HGFによる血管新生−基礎医学から臨床応用へ
別所一彦,中村敏一

1.HGFと c-Met/HGFレセプター 2.HGFによる血管新生 3.HGFとVEGFの比較 4.HGFによる血管壁の維持・修復 5.治療的血管新生因子(therapeutic angiogenic factor)としてのHGF


■ 第2章 腫瘍の制御と血管新生

1.乳癌の進展と血管のかかわり
戸井雅和,佐々木 健,坂東裕子,松本 岳,佐治重衡

1.乳癌における癌遺伝子異常と血管新生 2.腫瘍組織内微小環境と血管新生 3.血管内皮前駆細胞 4.ホルモンと血管新生 5.治療応用

2.肺癌の進展と血管新生
曽根三郎,後東久嗣,矢野聖二

1.転移と血管新生 2.肺癌進展と血管新生 3.血管新生関連分子を標的とした創薬

3.腸管ポリープ発生過程におけるCOX-2の発現誘導と血管形成
大島正伸,武藤 誠

1.腸管ポリープでのCOX-2発現誘導 2.COX-2阻害による腸管ポリープ発生の抑制 3.腫瘍組織でのCOX-2発現と血管形成 4.Apc△716マウス腸ポリープでの血管形成とCOX-2の関与 5.Apc△716マウス腸ポリープでの血管形成とPGE2レセプターの関与

4.血管新生とマトリックスメタロプロテアーゼ
越川直彦,清木元治

1.マトリックスメタロプロテアーゼ 2.血管内皮細胞の発現するECMプロテアーゼ 3.MMPの活性調節機構 4.細胞表面でのMT1-MMPの活性制御 5.悪性メラノーマによる疑似血管新生(vascular mimicry)


■ 第3章 血管リモデリングの細胞生物学

1.血管内皮細胞機能と血管リモデリング
北本史朗,江頭健輔

1.動脈硬化危険因子と内皮NO 2.eNOS遺伝子と心血管疾患 3.薬理学的NO産生制御モデルと血管リモデリング 4.eNOSノックアウトマウスにおける血管リモデリング

2.血管平滑筋細胞と血管リモデリング
森 聖二郎

1.血管のリモデリング 2.血行動態順応性リモデリング 3.内皮細胞傷害性リモデリング

3.骨髄幹細胞と血管リモデリング
佐田政隆

1.動脈硬化と平滑筋細胞 2.近接した血管中膜の平滑筋細胞が増殖するという仮説 3.Rossの仮説で説明できない現象 4.骨髄由来細胞の移植後動脈硬化への関与 5.血管形成術後の内膜肥厚,再生内皮への骨髄細胞の関与 6.粥状動脈硬化病変への骨髄細胞の関与 7.造血幹細胞から平滑筋細胞への分化 8.血管病における細胞蓄積に関する新しい仮説 9.血管新生への骨髄細胞の関与

4.血管リモデリングの形成における外膜の役割
松本泰治,下川宏明

1.血管外膜の生理的,病態生理的役割 2.各種血管病(病的血管リモデリング)への血管外膜の関与 3.Rho/Rhoキナーゼの細胞内分子機構と治療標的

第2部 血管医学の臨床への応用

 第2部 color graphics

概論 血管医学のトランスレーショナルリサーチ
倉林正彦

1.トランスレーショナルリサーチ−血管医学と血管内科との橋渡し 2.臨床からみた血管医学研究の意義

■ 第4章 血管傷害の分子病態

1 内皮細胞のメカニカルストレス感知・応答機構
安藤譲二

1.ずり応力に対する内皮細胞応答 2.ずり応力に対する内皮遺伝子の反応 3.内皮細胞のずり応力感知・情報伝達機構 4.粥状動脈硬化病変とずり応力

2.レニン-アンジオテンシン系の活性化と血管傷害の分子機構
金 勝慶

1.血管局所RA系 2.AUの血管壁細胞への作用 3.AUによる増殖因子レセプターの活性化と意義 4.AUによる血管リモデリングにおけるMAPキナーゼ,AP-1の意義

3.酸化ストレスと血管傷害
井上信孝,横山光宏

1.動脈硬化血管における酸化ストレスの増大 2.血管床におけるレドックス制御 3.血管床における活性酸素消去系 4.チオレドキシン/グルタレドキシン系とレドックス細胞内情報伝達 5.動脈硬化血管におけるチオレドキシン/グルタレドキシン系の発現動態 6.血管NADH/NADPHオキシダーゼと血管傷害 7.血管NADH/NADPHオキシダーゼとNOXファミリー

4.再狭窄の分子メカニズム
相澤健一,鈴木 亨,永井良三

1.血管平滑筋細胞は形質変換する 2.冠動脈拡張後の再狭窄病変における平滑筋増殖 3.形質変換の分子マーカー 4.形質変換の分子メカニズム 5.形質変換に関与する転写因子


■ 第5章 動脈硬化の分子メカニズムと治療の新しい戦略

1.高脂血症における動脈硬化発症の分子機構
−プラーク破錠における酸化LDLと酸化LDLレセプター−
久米典昭

1.粥状動脈硬化の病変 2.酸化LDLと粥状動脈硬化 3.LDLの酸化変性 4.マクロファージにおける酸化LDLレセプター 5.酸化LDLレセプターLOX-1 6.新規酸化LDLレセプターSR-PSOX 7.HDLによるコレステロールの逆転送(efflux)とそのレセプター


2.高血圧における動脈硬化発症の分子機構と新たな治療
楽木宏実,荻原俊男

1.高血圧の機械的刺激と血管リモデリング 2.圧刺激の感知機序と細胞機能への影響 3.高血圧と動脈硬化の共通の成因 4.高血圧治療のめざすもの

3.糖尿病における動脈硬化発症の分子機構と新たな治療
西尾善彦,柏木厚典

1.高血糖による動脈硬化促進機構 2.インスリン抵抗性と動脈硬化

4.抗動脈硬化薬の新展開

1)インスリン抵抗性改善薬
矢藤 繁,山田信博

1.インスリン抵抗性と動脈硬化 2.インスリン抵抗性改善薬とは 3.抗動脈硬化薬としてのインスリン抵抗性改善薬の新知見

2)NO合成促進薬
力武良行,川嶋成乃亮

1.NOドナー(NO供与薬) 2.アルギニン 3.NO産生を増加する心血管治療薬剤 4.NOS機能改善薬−テトラハイドロビオプテリン

5.遺伝子導入による血管新生療法の最前線
橋弥尚孝,森下竜一,荻原俊男

1.欧米における遺伝子導入を用いた血管新生療法 2.循環器疾患におけるHGFの重要性 3.日本における遺伝子導入を用いた血管新生療法

6.骨髄細胞移植による血管新生療法
室原豊明,明石英俊,佐々木健一郎,吉本幸治

1.出生後の血管新生と血管発生 2.胎生初期血管形成における内皮前駆細胞 3.成人期血管新生における内皮前駆細胞 4.骨髄由来の血管内皮細胞 5.骨髄細胞移植による血管新生療法 6.自己骨髄単核球細胞の移植による血管再生療法−臨床応用


■ 索引


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