【概論】
幹細胞生物学と再生医学のこれから
日野裕史,立野知世,吉里勝利
1.再生医学を支える生物学の進歩 2.再生現象を担う幹細胞
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1)胚性幹細胞
1 サルES細胞株の樹立
末盛博文,鳥居隆三,細井美彦
1.カニクイザル胚盤胞の作製 2.ES細胞株の樹立 3.カニクイザルES細胞の分化能
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2 ES細胞の自己複製機構
丹羽仁史
1.ES細胞におけるLIFシグナルとOct-3/4の機能 2.Oct-3/4のパートナー分子 3.Oct-3/4の下流遺伝子 4.Oct-3/4遺伝子の発現制御機構 5.マウス以外の動物種におけるOct-3/4の機能
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3 EG細胞の樹立と特質
松居靖久
1.マウス始原生殖細胞からEG細胞への変化 2.その他の動物種のEG細胞
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4 ES細胞から血管内皮への分化
小川 峰太郎
1血管形成の仕組み 2.ES細胞の利点 3.ES細胞による血管形成 4.二次元へのこだわり 5.血管形成の細胞生物学
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5 胚性幹細胞から血液細胞への分化
仲野 徹
1.胚様体形成法 2.ストロマ細胞を利用した血液細胞への分化誘導−OP9システム 3.OP9システムを用いた造血システムの解析 4.ヒト胚性幹細胞からの分化
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2)体性幹細胞と組織特異的幹細胞
1 造血・造骨・血管新生の連関
須田年生
1.幹細胞とニッチ 2.造血と血管新生 3.骨形成と血管新生 4.細胞分化と細胞接着・解難
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2 造血幹細胞の純化とクローナルな解析
依馬秀夫,須藤和寛,中内啓光
1.造血幹細胞の純化 2.造血幹細胞の多分化能 3.造血幹細胞の自己複製能 4.自己複製の評価
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3 ヘマンジオブラストの発生と分化
竹内眞樹,宮島 篤
1.造血幹細胞の発生とヘマンジオブラスト 2.ヘマンジオブラストの分化
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4 抗体を使用しない新しい幹細胞純化法-side population細胞
守田陽平,中内啓光
1.抗体による造血幹細胞の純化 2.SP細胞の発見 3.造血幹細胞のさらなる濃縮 4.組織幹細胞
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5 体性幹細胞を用いた心筋細胞の再生と心臓のティシュエンジニアリング
福田恵一,澁谷 功
1.心筋細胞再生のための治療戦略 2.体性幹細胞を用いた心筋細胞の再生 3.再生心筋細胞の特徴 4.再生心筋細胞移植による心不全治療 5.骨髄体性幹細胞を用いた心筋再生
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6 中枢神経系の幹細胞生物学
岡野栄之
1.神経幹細胞とは? 2.GFPレポーター遺伝子を用いた神経幹細胞の可視化とprospectiveな分離 3.細胞表面抗原を用いた神経幹細胞分離の試み 4.神経幹細胞の自己複製と分化制御機構
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7 肝幹細胞の分離と同定
鈴木淳史,谷口英樹,中内啓光
1.肝臓における幹細胞システム 2.肝幹細胞の同定へのストラテジー 3.肝幹/前駆細胞の分離・回収と機能解析 4.肝幹細胞のプロスペクティブな同定と自己複製能の解析 5.肝臓における幹細胞生物学と再生医学
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8 腎臓の発生と分化−腎臓に幹細胞はあるか?
西中村 隆一,横田 崇
1.腎臓をめぐる現在の状況 2.腎臓の発生 3.後腎間葉に幹細胞はあるのか? 4.他臓器幹細胞におけるSallの役割
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9 膵臓の発生・分化と膵共通前駆細胞
粂 昭苑
1.膵臓の発生分化 2.膵臓の細胞系譜の解析 3.ES細胞から膵β細胞をつくることが可能か?
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10 ヒト上皮幹細胞と上皮構成細胞の再生能力
安本 茂,奥村知之
1.幹細胞をどのように捉えるか? 2.ヒト上皮幹細胞のマーカー分子と気になる問題点 3.上皮幹細胞のマーカー−上皮組織基底層でp75NTRを発現する細胞 4.抗体−磁気ビーズを用いたp75NTR発現細胞の分離 5.上皮構成細胞は動的であり,均一な細胞集団ではない 6.p75NTR陽性細胞は培養条件下でどのように振る舞うか? 7.p75NTR細胞サブセットの運命
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11 網膜幹細胞における分子メカニズムの解明に向けて
窪田 良,Thomas
A. Reh
1.胎仔網膜幹細胞 2.成人網膜幹細胞
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12 ES細胞を用いたin vitro軟骨形成
中山直樹,横田 崇
1.マウスES細胞/テラトカルシノーマ幹細胞から直接軟骨様組織を形成する方法 2.ES細胞から軟骨形成に至る過程に作用する細胞外因子と中間体細胞
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13 毛包幹細胞の局在と機能研究
小林浩士
1.毛についての予備知識 2.幹細胞はどこに存在するのか 3.毛の成長はなぜ止まるか
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14 骨格筋組織幹細胞の自己再生と多分化能
橋本有弘
1.生体維持における再生システムの役割 2.骨格筋の再生と筋組織幹細胞(サテライト細胞) 3.サテライト細胞の自己発生 4.サテライト細胞における筋特異的遺伝子発現の制御 5.サテライト細胞の多分化能 6.SP細胞とサテライト細胞 7.最終分化細胞におけるゲノム可塑性
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3)間葉系幹細胞
1 骨髄間葉系幹細胞/BMP複合体の骨再生能
大串 始,池内正子,土肥祥子
1.新鮮骨髄細胞の骨形成 2.セラミックス内での培養間葉系幹細胞の骨形成 3.注入によるBMP/培養間葉系幹細胞の骨形成 4.セラミックス内でのBMP/間葉系幹細胞の骨形成
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2 骨髄間質細胞由来の間葉系幹細胞を用いた臓器再生・細胞移植およびその評価システムの確立
梅澤明弘
1.生理的および病的状態における再生 2.間葉系幹細胞の供給源 3.骨髄間質細胞の組織特異的な分化 4.移植する細胞数の問題 5.虚血心筋に対する骨髄細胞を用いた細胞治療 6.医療を進めるにあたっての評価システムの確立 7.骨髄間質細胞を再生医療の供給源とした場合の問題点
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1)モデル生物
1 ツメガエルにおける臓器形成
福井彰雅,有泉高史,浅島 誠
1.未分化細胞を用いた分化誘導の実験 2.アクチビンの濃度に依存した中胚葉組織分化 3.腎臓の形成と生体への移植実験 4.試験管内での心臓の形成 5.試験管内での膵臓を含む内胚葉性器官の形成 6.試験管内でつくる中枢神経系と感覚器官
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2 成体イモリにおけるレンズおよび中脳の大規模な器官再生
岡本光正
1.レンズ再生 2.脳再生実験の試み
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3 プラナリアにおける再生研究-プラナリア幹細胞に迫る
浅見真紀,中塚剛史,林
哲太郎,阿形清和
1.プラナリアの再生 2.プラナリア解離細胞からのFACSによる均一細胞種分画の試み 3.プラナリアにおけるESTプロジェクト
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2)染色体制御とクローン動物
1 核移植と初期化およびクローン動物
角田幸雄
1.どのような動物種と体細胞でクローン動物が得られているか 2.ES細胞からも個体ができる 3.体細胞からES細胞をつくる 4.核移植された体細胞核では何が起こっているのか
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2 哺乳類細胞のテロメア維持機構
立花 誠,眞貝洋一
1.哺乳類テロメアの構造 2.哺乳類テロメラーゼの構造 3.テロメラーゼ非依存的なテロメア維持機構 4.クローン動物のテロメア長について
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3 染色体領域のクロマチン構造とヒストンの修飾
浦 聖恵,石田智咲,金田安史
1.ヌクレオソーム構造とヒストンの修飾 2.ヒストンの可逆的なアセチル化 3.ヒストンのメチル化
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3)再生医療の現状と生命倫理
1 ティッシュエンジニアリングによる組織再生およびその臨床応用
畠 賢一郎
1.培養細胞を用いた人工皮膚の開発 2.軟骨再生への応用 3.ティッシュエンジニアリング組織の作製と供給 4.ティッシュエンジニアリング組織の臨床応用における留意点
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2 再生医療の現状と将来の展望
清水慶彦
1.心臓死からのヒト組織の利用 2.ヒト細胞,動物細胞の免疫隔離膜を用いた利用 3.ヒト遺伝子導入異種動物臓器の利用 4.ヒト細胞のin
vitro大量培養による利用 5.自己組織,自己臓器の生体内での再生 6.ES細胞の利用
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3 ヒトES細胞研究と生命倫理
位田隆一
1.科学的・医学的意義 2.倫理的考察 3.わが国のヒトES研究指針の概要
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4 再生医学の倫理的・法的・社会的課題
□島次郎
1.生殖医療・研究との接点で生じる検討課題 2.移植医療への方向で検討すべき論点 3.遺伝子解析・遺伝子組換え研究との接点で生じる課題 4.異種移植−畜産分野との接点で生じる課題
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