バイオウェブ

実験医学増刊 Vol.18 No.12 2000
ゲノム医科学と
これからのゲノム医療
ゲノム解析技術の最先端から
医学応用・生命倫理まで
 出版社  羊土社

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■ 第1章 ゲノム解析技術の最先端

【概論】
個の遺伝子研究からゲノムワイドの遺伝子研究へ
中村祐輔
1 完全長cDNAプロジェクト
菅野純夫
1.各国の完全長cDNAプロジェクト 2.完全長cDNAプロジェクトの実際

2 体系的発現情報解析
田中敏博

1.DNAマクロアレイの作製 2.DNAチップ、DNAアレイによる発現情報解析 3.微量サンプルからの体系的発現情報の解析 4.体系的発現情報解析の医学的・薬学的意義

3 SNP:その重要性と解析法
中村祐輔

1.SNPの分類と意義 2.SNPのタイピング法

4 マイクロチップ・ナノチップテクノロジーによる次世代DNA解析技術の開発
馬場嘉信

1.マイクロチップ・マイクロアレイから高度集積化システムへ 2.高度集積化システムがもたらすゲノム解析のハイスループット化 3.ナノチップ・三次元微細加工から一分子DNA解析へ

5 質量分析法(mass spectrometry)による遺伝子多型タイピング
成瀬妙子 猪子英俊

1.質量分析法とは 2.MALDI-TOFMSによる核酸の質量分析法 3.質量分析法を用いた遺伝子多型の検出 4.質量分析法による遺伝子多型タイピングの利点と問題点

6 抗体はポストゲノム時代に解析ツールの主役の一角を占めるか
黒澤良和

1.抗体に期待されること 2.網羅的かつ体系的抗体単離は可能か 3.ポストゲノム時代における抗体の役割

7 タンパク質相互作用をin vitroで検索する新しいツール
土居信英 柳川弘志

1.細胞型戦略:タンパク質間相互作用のin vivoスクリーニング 2.ウイルス型戦略:cDNAライブラリーのin vitroスクリーンニング 3.アレイ型戦略:カタログ化された遺伝子ライブラリーのHTS

8 マウス突然変異体を利用した体系的遺伝子機能解析研究
城石俊彦

1.化学変異原ENUによるランダムミュータジェネシス 2.コンソミック系統を用いた突然変異に対する修飾遺伝子の解析

9 ゲノムデータベース
高木利久 矢田哲士 寺井悟朗

1.ヒトゲノム配列データベース 2.ヒトゲノムの機能解明を指向したデータベース 3.ゲノムの変異および多型と疾患

10 ゲノム知識発見
丸山 修 宮野 悟

1.類似の配列を探す 2.配列のパターンを探す 3.パターンでデータをカバーする 4.正例と負例から知識を見つける 5.エキスパートの知見を取り込む 6.エキスパートとの統合化

11 マイクロアレイによる疾患診断のための数理情報解析
角田達彦

1.マイクロアレイによるmRNA発現プロファイルの取得 2.スポットデータ(スライド上の画像のレベル)の処理 3.遺伝子発現プロファイルの解析 4.遺伝子発現プロファイルによる疾患の個性の診断 5.関連研究など

■ 第2章 ゲノム医科学の新展開

【概論】
ゲノム情報に基づく21世紀のオーダーメイド医療
中村祐輔

1.疾患関連遺伝子(産物)を標的とするエビデンスに基づく創薬 2.ゲノム情報に基づく薬剤の使い分け
1 遺伝子多型を利用した疾患遺伝子マッピングとその理論
鎌谷直之
1.遺伝統計学的手法の種類 2.ノンパラメトリック解析の理論的基礎 3.Mapmaker/sibsとその理論 4.Genehunterとその理論 5.Maximum lod scoreがどの程度あれば有意か

2 罹患同胞対連鎖解析法による疾患遺伝子研究
井ノ上逸朗

1.なぜ遺伝要因か-Nature vs. Nurture- 2.罹患同胞対連鎖解析法 3.連鎖解析から疾患遺伝子同定まで

3 関連(アソシエーション)による多遺伝子性疾患の研究
森谷眞紀 板倉光夫

1.単一遺伝子性疾患および多遺伝子性疾患 2.疾患感受性遺伝子の同定 3.SNPsを用いた関連解析による多遺伝子性疾患の疾患感受性遺伝子の同定 4.SNPsによる関連解析の原理 5.関連解析と疾患 6.日本人特有の多型情報の必要性

4 マイクロアレイを利用した癌関連遺伝子の解析
古川洋一 田中敏博 北原 治 中村祐輔

1.マイクロアレイスライドの作製 2.大腸癌臨床検体を用いた癌における遺伝子発現変化の解析 3.シグナルの検出とその解析 4.大腸癌で共通して発現量が変化する遺伝子の同定 5.大腸の多段階発癌過程における遺伝子発現変化の解析 6.さまざまな病態における遺伝子発現の解析 7.ゲノムプロジェクトとマクロアレイの将来

5 マイクロアレイによる癌の個性診断
鬼原 史 中村祐輔

1.癌細胞の一特性としての抗癌剤感受性とその予測 2.食道癌臨床検体を用いた抗癌剤感受性予測に関する検討 3.解析の概要 4.癌の個性 5.診断への応用 6.個性診断および個性に適した治療(オーダーメイド医療)

6 薬理ゲノミクス(pharmacogenomics)の新展開
辻本豪三

1.薬理ゲノミクス(pharmacogenomics) 2.薬理ゲノミクスのツール 3.薬理ゲノミクスの具体例 4.薬理ゲノミクスの波及効果

7 遺伝子治療の新たな展開
谷憲三朗

1.遺伝子治療臨床研究の現状 2.遺伝子治療臨床研究の最近の動向 3.遺伝子治療臨床研究の今後の展望

8 再生医療の新展開-ヒトES細胞を中心として
市瀬広武 吉田進昭

1.再生医学と幹細胞 2.ヒト胚性幹細胞の衝撃 3.胚性幹細胞の由来と性質 4.ヒトES細胞と再生医学 5.体細胞核移植によるクローニングとヒトES細胞 6.ヒトES細胞の利用に際しての技術的問題 7.倫理的問題-胚性幹細胞か、体細胞性幹細胞か?

■ 第3章 ゲノムサイエンスの進展とゲノム創薬

1 ゲノム医工学に基づくゲノム医療の課題
新井賢一
1.ゲノム医工学の構成要素 2.アロステリックタンパク質ネットワークとシグナル伝達カスケード 3.多様な選択と分子設計 4.薬の概念の変遷とゲノム創薬の標的 5.探索発見型医療と個人型・目的志向型の医科学研究 6.ゲノム医科学とゲノム医療の橋渡しをする初期臨床開発 7.ゲノム創薬プラットフォームとベンチャーの役割 8.ゲノム医療開発ネットワークの構築 9.国際的互換性のある先端医療開発システム

2 ゲノム創薬の課題
古谷利夫 野口照久

1.ゲノム創薬の研究プロセス 2.構造生物学と創薬科学 3.SNPsの構造生物学による解釈

3 構造ゲノム科学と創薬
廣田 洋 横山茂之

1.タンパク質の基本構造解析の手法 2.タンパク質の分子機能スクリーニング法 3.構造に基づく創薬(structure-based drug design)

4 RNA医工学
大津 敬 小黒明広 中村義一

1.相補的RNA医薬品 2.核酸以外を目標としたRNA医薬品 3.プロテオーム疾患とRNA

5 ゲノム創薬プラットフォームと研究開発戦略
能見貴人 須田三記也 藤田芳司

1.ゲノム創薬における標的分子の探索とそのバリデーション 2.ゲノム創薬における化合物スクリーニング 3.ゲノム情報を活用した臨床試験

■ 第4章 ゲノム医科学をめぐる諸問題

1 バイオビジネスからみた情報価値と知的財産権
清水初志
1.技術革新とバイオ産業の情報化 2.バイオビジネスにおける特許の価値 3.情報の価値とバイオ特許の保護範囲

2 ゲノム医科学における倫理規範の策定と倫理審査制度
位田隆一

1.生命倫理規範の設定 2.倫理規範の適用・審査機関

3 ゲノム研究と生命倫理
武部 啓

1.利益の共有とは何か 2.利益の共有が求められた背景 3.利益の共有の倫理的な問題点 4.「利益の共有」の勧告 5.世界共通の倫理観確立の難しさとその必要性

4 ゲノムと新聞報道
高橋真理子

1.ニュース報道 2.企画報道 3.社説

5 ゲノム医療と医療経済
広井良典

1.医療技術革新と医療費に関するモデル 2.近年のいくつかの具体例

■ 索引


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