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実験医学増刊 Vol.20 No.17 2002
最新の骨研究に迫る
解明が進む分子機構と骨疾患、そして再生医療へ
 出版社  羊土社

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編集:米田俊之,加藤茂明,松本俊夫


【概論】

成長を続ける骨研究
米田俊之

1.骨・軟骨形成の制御因子 2.骨吸収の制御因子 3.骨・軟骨疾患の病態とメカニズム 4.骨・軟骨疾患の遺伝的要因 5. 骨・軟骨疾患の薬物学的治療 6. 骨・軟骨・歯牙の再生

■ 第1章 骨・軟骨形成の分子メカニズム

1 軟骨パターン形成とホメオボックス遺伝子
黒岩 厚

1.体節由来骨パターン形成の位置指定とHox遺伝子群 2.椎板の部域化とホメオボックス遺伝子 3.四肢骨形成とホメオボックス遺伝子

2 骨芽細胞・軟骨細胞の分化因子Runx2/Cbfa1
小守壽文

1.骨芽細胞分化 2.軟骨細胞分化 3.軟骨への血管侵入 4. RunxファミリーとCbfb

3 転写因子Osterixは骨形成に必要である
中島和久

1.骨芽細胞分化のメカニズムはいかに理解されてきたか? 2.転写因子Runx2/Cbfa1は多様な作用を持つ 3.骨芽細胞は転写因子Osterixを発現する 4.Osterixは骨形成ならびに骨芽細胞分化に必要である 5.骨芽細胞分化のメカニズムはいかに理解できるか?

4 転写因子C/EBPβによる未分化間葉系細胞から骨芽細胞および脂肪細胞への分化制御
西村理行,波多賢二,米田俊之

1.未分化間葉系細胞の脂肪細胞分化におけるC/EBPファミリーの役割 2.骨芽細胞分化におけるC/EBPβの役割 3.C/EBPβアイソフォームLIPによる未分化間葉系細胞の分化方向制御メカニズム

5 骨代謝制御シグナルとしてのオステオポンチン
野田政樹,石島旨章,森信幹彦,辻 邦和,二藤 彰

1.骨芽細胞の産生する分子としてのオステオポンチン 2.オステオポンチンの骨形成におけるシグナル分子としての機能 3.破骨細胞にけるオステオポンチンのシグナル

6 骨形成にかかわるWntシグナリング
濃野 勉

1.骨形成におけるWntファミリー 2.細胞間Wntシグナリング 3.細胞内Wntシグナリングの多様性


■ 第2章 骨吸収の分子メカニズム

1 破骨細胞の分化,機能,生存におけるRANKL/RANKシグナル
−IFNシグナルとのクロストークを含めて
門野夕峰,高柳 広,田中 栄

1.RANKL/RANKシグナルによる破骨細胞分化 2.破骨細胞の骨吸収能の活性化 3.破骨細胞のアポトーシス抑制による生存

2 破骨細胞の形成と機能を調節する炎症性サイトカインとリポ多糖(LPS)の作用機構
小林泰浩,宇田川信之,高橋直之

1.TNFαIL-1による破骨細胞の分化と活性化の制御 2.細菌性抗原分子を認識するToll様レセプターとそのシグナル 3.PAMPの破骨細胞前駆細胞と破骨細胞に対する直接作用 4.LPSとIL-1の破骨細胞誘導作用:OPG発現抑制の重要性 5.LPSとIL-1のRANKL誘導作用

3 破骨細胞に発現する新しい免疫グロブリン様分子,OSCAR
見正道,Nacksung Kim,Jaerang Rho,Yongwon Choi

1.免疫と骨代謝におけるTRANCEの役割 2.破骨細胞と樹状細胞の分化 3.樹状細胞と破骨細胞に発現する遺伝子の選抜 4.OSCARの分子構造と遺伝子の特徴 5.OSCAR遺伝子の細胞および組織における発現 6.破骨細胞分化の過程におけるOSCAR遺伝子の発現調節 7.予想されるOSCARの機能

4 破骨細胞における転写因子MITFの役割
野村 慎太郎

1.大理石骨病を中心とするマウスミュータントmi/miの症状 2.転写因子MITFの同定 3.MITFの構造と変異 4.mi/miミュータントマウスにおける大理石骨病の発生機序 5.MITF,TFE3の標的遺伝子

5 歯の萌出,移動における破骨細胞の役割
山本照子

1.歯の萌出,移動とは 2.歯の萌出には歯小嚢とエナメル上皮が不可欠である 3.歯の萌出,移動には骨改造,吸収と形成が必要である 4.歯の萌出の開始を決定するのはどんな分子シグナルであるのか 5.咬合後の歯の移動 6.メカニカルストレス下の破骨細胞の形成には骨細胞の関与が大きい


■ 第3章 骨格系の制御因子

1 核内レセプターとシステム
加藤茂明,須沢美幸,中村 貴

1.核内レセプターリガンドの分子作用メカニズム 2.骨組織における核内レセプターの機能

2 軟骨由来制御因子コンドロモジュリン-I
宿南知佐,中道裕子,開 祐司

1.ChM-I前駆体の構造と生物活性ドメイン 2.軟骨細胞・骨芽細胞に対する作用と血管新生抑制作用 3.ノックアウトマウスからみたChM-Iの骨代謝調節機能

3 TGF-β/BMPシグナルと骨芽細胞分化
前田真吾,今村健志,宮園浩平

1.TGF-βスーパーファミリーのレセプター 2.Smadの機能 3.骨芽細胞分化と軟骨細胞分化におけるI型レセプターとSmadの役割 4.Smadを介さない経路 5.Runx2/Cbfa1とBMPによる骨芽細胞分化

4 FGFシステムと骨パターン形成
井関祥子,野地澄晴

1.肢芽形成におけるFGFの役割 2.軟骨内骨化とFGF 3.膜性骨化とFGF

5 レプチンと骨代謝
竹田 秀,Gerard Karsenty

1.レプチンは中枢性に骨形成を抑制する 2.レプチンの骨形成抑制作用の中枢でのターゲットはどこか? 3.レプチンの骨形成抑制作用とα-MSH-MC4レセプター系 4.レプチンの骨に対する直接作用はあるのか? 5.レプチンの骨量低下作用を担うメディエーター 6.ドーパミンβ水酸化酵素(DBH)欠損マウスは骨量増加を示す 7.交感神経系による骨量の調節


■ 第4章 骨・軟骨疾患の病態と発症機序

1 エストロゲン欠乏と閉経後骨粗鬆症
宮浦千里

1.骨吸収のメカニズム 2.エストロゲンの骨代謝調節作用 3.閉経後骨粗鬆症モデル動物の解析 4.エストロゲンとアンドロゲンの関係

2 加齢と老人性骨粗鬆症
井上大輔

1.加齢と骨粗鬆症 2.細胞レベルの変化 3.局所性成長因子およびサイトカイン作用の変化 4.臓器レベルの変化 5.全身性因子(ホルモン)の変化

3 関節リウマチにおける骨破壊−破骨細胞の関与
小竹 茂

1.RAの病態における破骨細胞 2.関節リウマチにおけるIL-6およびIL-17 3.RA滑膜組織におけるRANKLの発現 4.Tリンパ球による破骨細胞分化の制御 5.炎症性サイトカイン(IL-1,TNFα)によるRANKLを介さない骨吸収制御機構 6.破骨細胞の機能発現におけるメバロン酸経路 7.RAの関節破壊におけるRANKおよびOPGの遺伝子多型の関連

4 骨転移:癌と骨との共同成果
米田俊之

1.骨に転移する癌 2.骨転移の組織学的分類 3.骨転移のメカニズム 4.骨転移の治療


■ 第5章 骨・軟骨研究の新展開と臨床応用への展望

1 骨粗鬆症と遺伝子多型性
細井孝之

1.多因子遺伝疾患としての骨粗鬆症 2.遺伝子多型性とタイピングの方法 3.遺伝子多型性を用いた骨粗鬆症へのアプローチ 4.骨量決定遺伝子としてのLRP5

2 骨再生−基礎研究の展開
山口 朗

1.間葉系幹細胞 2.骨芽細胞の分化を調節する転写因子 3.骨芽細胞の分化を促進する局所因子と骨再生への関与

3 骨軟骨の再生・修復−臨床応用への展望
松峯昭彦,内田淳正

1.軟骨の再生医学 2.骨の再生医学

4 エナメル上皮幹細胞と歯の再生医学
原田英光

1.齧歯類の切歯にはエナメル上皮幹細胞が存在している 2.エナメル上皮幹細胞はいかにして形成されるか 3.上皮と間葉の相互作用によるエナメル上皮幹細胞の増殖と分化誘導 4.エナメル上皮幹細胞と間葉系幹細胞の再構築による歯の再生の可能性 5.臨床へのアプローチに向けて

5 骨形成促進薬の創薬に向けた新展開−PTH(1-34)とEP4アゴニスト
中村利孝

1.リコンビナントヒトPTH(1-34)による骨量増加と骨粗鬆症治療への応用 2.プロスタグランジンEレセプターアゴニストによる骨形成促進作用


■ 索引


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