バイオウェブ

実験医学増刊 Vol.19 No.19 2001
癌治療の先端に迫る!

ゲノム医療,免疫療法から化学療法,外科療法の最前線まで
 出版社  羊土社

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■ 第1章 ゲノム科学からのアプローチ

1 ゲノム解析が癌研究に与えたインパクト
村上善則
1. 癌における遺伝子,DNA異常 2. ヒトゲノム計画 3. ゲノム解析による癌の原因遺伝子の単離,同定 4. 全ゲノム解析への発展段階 5. ポストゲノム時代の遺伝子研究と癌研究の課題

2 薬理ゲノミクスと抗癌剤
千葉 寛,細川正清

1. 薬理ゲノミクスとは 2. 抗癌剤の代謝と薬理ゲノミクス 3. 塩酸イリノテカン代謝活性化の個人差とCES 4. 小腸における塩酸イリノテカン代謝活性化の個人差とCES 5. 塩酸イリノテカンの解毒的代謝の個人差とUGT

3 オーダーメイド化学療法
西山正彦

1. ゲノム研究とオーダーメイド治療 2. 開発戦略と現状 3. 今後の研究

4 マイクロアレイの癌治療への応用
油谷浩幸

1. マイクロアレイ 2. 癌の診断・分類 3. 個別化医療への期待 4. マイクロアレイ解析と治療法開発への応用 5. 薬剤感受性とSNP解析

■ 第2章 癌治療の分子標的

1 癌の分子標的治療と新しい分子標的の探索
内藤幹彦,冨田章弘,藤田直也,鶴尾 隆

1. STI-571によるCMLの分子標的治療 2. 臨床開発中の分子標的治療薬 3. 新しい分子標的の探索研究

2 分子標的としての細胞周期制御
吉田 稔

1. 細胞周期の制御機構 2. 細胞周期制御の阻害剤

3 分子標的としての腫瘍血管新生
小野眞弓,桑野信彦

1. 腫瘍血管新生は微小環境により異なる 2. 腫瘍血管新生に関与する因子−Ang-2 (angiopoietin-2) 3. 分子標的薬剤の1つとしての血管新生阻害剤 4. 腫瘍血管新生の時期により血管新生阻害剤の投与効果が異なる 5. 腫瘍血管新生における インテグリンの関与 6. 上皮増殖因子レセプター (EGF receptor : EGFR) と腫瘍血管新生 7. 抗癌剤の低用量頻回持続投与による腫瘍血管新生の抑制 (metronomic chemotherapy)

4 分子標的治療における抗体の新たな可能性
吉田祥子,古川鋼一,佐藤滋樹,上田龍三

1. 抗体療法のもつ問題点とその克服 2. 癌治療戦略としての抗体療法の実際 3. 抗体のもつ新しい生理活性


■ 第3章 遺伝子治療

1 遺伝子治療の将来
島田 隆

1. 癌遺伝子治療の現状と課題 2. 遺伝子治療臨床研究の最近の動向 3. 遺伝子治療の将来

2 遺伝子治療用ベクターの開発
小澤敬也

1. レトロウイルスベクター 2. レンチウイルスベクター 3. アデノウイルスベクター 4. アデノ随伴ウイルス (AAV) ベクター

3 p53を用いた遺伝子治療
藤原俊義,田中紀章

1. p53の機能と活性化 2. p53の生体内における抗腫瘍活性 3. p53遺伝子治療の臨床応用

4 癌の免疫遺伝子治療:腎癌への臨床応用
谷 憲三朗

1. GM-CSF遺伝子治療の基礎とこれまでの歴史 2. 本邦における腎癌に対するGM-CSF遺伝子治療臨床研究の現状


■ 第4章 免疫治療

1 免疫制御のための戦略
河上 裕

1. T細胞による免疫制御 2. 抗体による免疫制御 3. NK細胞,NKT細胞による免疫制御 4. 腫瘍エスケープ機構の解明とその克服

2 ワクチンとしての樹状細胞
片山直之,珠玖 洋

1. DCの腫瘍ワクチン化 2. DCワクチン療法

3 癌ペプチドワクチン療法
山田 亮

1. CTLによる抗原認識機構とHLA拘束性 2. 癌拒絶抗原ペプチドの同定 3. 癌ペプチドワクチン療法 4. ワクチンの免疫学的な効果判定法 5. 臨床試験 6. 癌ワクチンからのエスケープ

4 免疫遺伝子治療
角田卓也,田原秀晃

1. サイトカイン産生遺伝子導入による癌免疫遺伝子治療 2. エフェクター細胞の細胞障害機能強化 3. 腫瘍局所での微小循環環境の修飾 4. 腫瘍細胞の抗原提示細胞化 5. 専門的抗原提示細胞の機能改善


■ 第5章 化学療法

1 化学療法の功罪と展望
佐々木康綱

1. 癌化学療法の特性 2. わが国の癌薬物療法の問題点とその原因 3. 腫瘍内科学の確立に向けて 4. それでも確実に成果をあげつつある従来型の化学療法 5. 欧米からの情報の流入と癌薬物療法を巡る急速な状況の変化

2 抗癌剤の臨床薬理学
谷川原祐介

1. 臨床薬物動態 2. 母集団薬物動態 3. 抗癌剤臨床評価へのPopulation PK/PDの応用例

3 5-FUおよび5-FU系抗癌剤について
松川正明,佐藤 温,山本 亘,幸田隆彦

1. 5-FU 2. 弗化ピリミジン系薬剤 3. 弗化ピリミジンと併用療法

4 新しい薬剤耐性のメカニズムと克服−今後の展望
秋山伸一

1. ABC(ATP binding cassette)トランスポーター 2. P-糖タンパク質 3. MRP 4. BCRP 5. シスプラチン耐性 6. LRP


■ 第6章 内分泌療法

1 癌の病態とホルモン
尾形悦郎

1. 癌はホルモンを分泌する 2. ホルモン依存性組織由来の癌の発生と進展とはそのホルモンの作用に大きく依存する 3. ホルモン非依存性とされている組織から発生した癌についても,その発生と進展とがホルモンの作用を受けることがある

2 乳癌のホルモン療法
渡辺 亨,安藤正志,向井博文,勝俣範之,西條長宏

1. 健常女性に対するタモキシフェンの乳癌発症予防 2. 閉経前女性における術後補助ホルモン療法 3. 閉経後女性における術後補助ホルモン療法 4. 転移性乳癌のホルモン療法

3 前立腺癌に対する内分泌療法−ノーベル賞を超えるブレークスルーは?
筧 善行

1. 内分泌療法の適応となる病態 2. 多岐にわたる内分泌療法 3. androgen blockade療法の理論的根拠と臨床的エビデンス 4. 抗アンドロゲン除去症候群 (antiandorogen withdrawal syndrome : AWS) 5. アンドロゲン非依存性再燃癌の分子機構 6. アンドロゲン非依存性再燃癌に対する新たな治療戦略


■ 第7章 遺伝性癌の治療と遺伝子診断

1 遺伝性腫瘍の発症前遺伝子診断における問題点
福嶋義光

1. 遺伝性腫瘍における遺伝子診断の特殊性 2. 遺伝性腫瘍と遺伝子診療 3. 発症前遺伝子診断に関係する種々の問題点

2 遺伝性大腸癌の診断と治療
馬場正三

1. 遺伝性大腸癌 2. FAPの遺伝子診断と治療 3. HNPCCの遺伝子診断と治療 4. 過誤腫性ポリポーシス 5. 化生性(過形成性)ポリポーシス

3 小児癌の遺伝的リスク評価と遺伝性腫瘍症の診療
恒松由記子

1. 小児癌の日常診療と発癌のリスクコミニュケーションのための必要資料 2. 小児癌を発生しやすい遺伝性腫瘍症


■ 第8章 難治性癌の治療

1 対難治性癌戦略
垣添忠生

1. 難治性癌の定義 2. 膵癌の早期診断に関する研究 3. 根治手術後の膵癌に対する術後補助化学療法 4. 末梢肺野微小肺癌のCTガイド下の内視鏡による確定診断法の確立および治療法の開発 5. 手術非適応局所進行肺癌に対する手術適応の拡大 6. DDS薬剤の開発と固形腫瘍に対する臨床応用に関する研究 7. アルデヒド脱水素酵素2欠損と多重癌の発生 8. 進行尿路癌に対する化学療法 9. ポリープ切除が大腸癌発生リスクに及ぼす効果に関する遡及的研究

2 難治がんの分子生物学
堀井 明

1. がんは遺伝子異常によって生じる 2. 膵癌における遺伝子異常 3. なぜ膵癌は難治なのか?

3 難治性癌に対する外科療法とその限界
佐治重豊,国枝克行,杉山保幸

1. 解剖学的難治性癌に対する外科療法 2. 分子生物学的悪性度による難治性癌 3. 過進展による難治性癌の外科療法 4. 再発・転移癌に対する外科療法 5. 難治性癌に対する外科療法の展望

4 消化管癌に対する化学療法の進歩
眞鍋哲郎,大津 敦

1. 食道癌 2. 胃癌 3. 大腸癌


■ 第9章 放射線療法

1 放射線療法の新展開
平岡真寛,柴田 徹,溝脇尚志

1. 物理学的アプローチ 2. 生物学的アプローチ

2 重粒子線治療の現状−放射線医学総合研究所の炭素イオン線臨床試験を中心に−
村田 啓

1. HIMACについて 2. 重イオン線の特徴 3. 放医研の炭素イオン線臨床試験


■ 第10章 外科療法

1 外科治療,アートとサイエンスの間で
森 正樹,吉永敬士

1. 診断面での研究 2. 治療への寄与

2 新しい外科治療−sentinel node navigation surgery
林 秀樹,落合武徳

1. 胃癌手術縮小化の流れ 2. センチネルリンパ節の概念 3. sentinel node navigation surgeryの胃癌への応用 4. センチネルリンパ節の同定方法 5. 低侵襲化手術としての腹腔鏡手術 6. 微小転移に関する問題


■ 索引


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