実験医学別冊 Experimental Medicine |
もっとよくわかる!シリーズ
もっとよくわかる!脳神経科学
やっぱり脳はスゴイのだ! |
◆ 出版社 ◆ 羊土社
〒101-0052
東京都千代田区神田小川町2-5-1
TEL 03-5282-1211
FAX 03-5282-1212
URL https://www.yodosha.co.jp/
|
1章 脳はどのように理解されてきたか
- 形から類推できない脳の働き ― 脳は不可思議な臓器
- エジプト時代,そしてギリシャ・ローマ時代の脳
- 脳研究の闇の時代 ― 心臓に奪われた心の座
- 18世紀後半〜19世紀にかけて得られた脳研究への手がかり ― 生物電気の発見から機能局在の発見へ
- 19〜20世紀にかけて進歩した顕微鏡による研究 ― ゴルジとカハールの論争
- 20世紀の脳研究:ついに崩された難攻不落の砦 ― 電気生理学的解析と分子生物学的解析
- 21世紀の研究に残されている難問 ― まだまだ不明な部分が多く残されている
2章 脳はさまざまな部品で構成される複雑な組織
- やっぱり形と機能には相関性がある
- 脳の形を見てみよう
- ニューロン ― 脳機能の主役
- グリア細胞 ― 脳機能の第2の主役
- 脳血管 ― 脳内に張り巡らされるライフライン
- 神経回路網とその可塑性 ― ニューロンの数だけでは計れない能力
3章 脳の働きを生み出すしくみ
- 小さな細胞に組み込まれたさまざまな驚くべきしかけ
- 静止膜電位とイオンチャネル ― 生きている細胞の証
- 活動電位とイオンチャネル ― 活動する細胞の証
- 生体における情報の形 ― インパルスとよばれる信号
- 活動電位の伝導 ― 神経線維を減衰することなく伝わる情報
- シナプスにおける情報の伝達 ― 脳機能発現の最重要システム
- シナプスにおける情報の統合 ― 何千何万のニューロンからの情報を,活動電位の形で表現する
- インパルスの粗密がつくる,脳内で使われる言葉 ― 無限バーコード
- 自己組織化する脳 ― ソフトウェアは遺伝子と自らの意思
1章 さまざまな感覚刺激の情報化
- 感覚の種類と感覚細胞 ― さまざまな刺激を感じるしくみ
- 感覚の周波数符号化と投射 ― 感じているのは脳か?体か?
- 感覚と情動および記憶 ― おいしさは味だけじゃない
2章 体性感覚 ― 体内に張り巡らされたセンサー
- 体性感覚とは? ― 意識しなくてもいつもある
- 皮膚に分布する多様な感覚器 ― 体を守るセンサー
- 筋肉や腱にある状態を感知するしくみ ― 固有感覚
- 感覚器における信号の発生 ― 刺激はどうやって信号になる?
- 求心性神経伝導路 ― 感覚信号の通り道
- 感覚信号の終着点 ― 感覚のホムンクルス
3章 視覚のしくみ
- 眼球は自動焦点・自動絞り・手ぶれ防止つき立体高感度カメラ
- 光エネルギーを神経信号に変換するしくみ ― 視細胞は光電素子
- 網膜内での視覚情報処理 ― 光や色を神経信号に変えるしくみ
- 網膜から脳への信号の通り道 ― 位置情報を保ったまま送る
- 一次視覚野での情報処理 ― 円柱状に受容する
- 脳が対象物を認識するまで
4章 聴覚のしくみ
- 空気の振動を音センサーに取り込むまで
- 蝸牛で音を識別する ― コンパクトに収納された広領域音センサー
- 有毛細胞で音を電気信号に変換する
- 内外の有毛細胞が音を“正しく” “聞き分ける”
- 音情報の脳への通り道 ―音源の位置も感知できる
5章 嗅覚のしくみ
- 嗅上皮と嗅覚受容細胞 ―におい物質はまず粘液に溶け込む
- 嗅覚受容細胞での情報変換 ―どんなにおいでも1パターン
- 嗅覚受容細胞に多様性をもたらす遺伝子
- 多様なにおいをかぎ分けるしくみ ―意外に曖昧?
- 嗅覚受容細胞から脳へ ―整理,修飾が必要
- 嗅覚情報が脳で識別されるしくみ
6章 味覚のしくみ
- 味はいくつに分けられる?
- 基本味は5種認識されている
- 味覚器とその分布 ―コンパクトに収納された味細胞
- 味はどうやって情報に変換されるのか?
- 味覚の中枢経路 ―味は脳でどのように感じられているのか
| 第3部 機能編(運動) ― 脳からの運動命令の発信とその制御 |
1章 神経信号が運動を生じるしくみ
- 随意運動の実行ステップ ― 単純? いやいや複雑巧妙!
- 骨格筋とその運動ニューロン支配 ― 柔らかに体を動かすしくみ
- 2種の下位運動ニューロン ― 大胆さと繊細さ
- 脊髄分節と神経の入出様式 ― 脊髄の保護と入出力の両立
- 運動単位と運動ニューロンプール ― 1個で多数を支配
- 運動ニューロンから骨格筋への伝達 ― 神経筋接合部
- 骨格筋の構造とその興奮 ― ここにも活動電位が生じる
- 興奮収縮連関 ― Ca2+を引き金としたダイナミックな反応
- 脊髄における運動制御 ― 脊髄だけでも結構できる
2章 運動の企画と円滑な運動を司るしくみ
- 運動命令の発信拠点 ― 運動のホムンクルス
- 皮質脊髄路 ― 正確な随意運動にかかわる情報ハイウエー
- 腹内側経路 ― 平衡,眼球運動,歩行,姿勢維持にかかわる
- 大脳皮質による運動の企画 ― 視覚や記憶も総動員
- 運動野における運動の符号化 ― ニューロン群が描く模様
- 大脳基底核 ― デリケートな運動をつくり出す複雑なループ機構
3章 小脳による運動調節
- 小脳は筋群をよりよく協調させる
- 小脳の構造 ― 大脳より細かいひだをもつ
- 小脳の神経回路 ― 整然と並んだ回路素子
- 小脳における機能局在 ― ここにもホムンクルスが
1章 視床下部 ― ホメオスタシスのコンダクター
- 視床下部の形と機能 ―小さな体で大きな仕事
- 視床下部の驚くべき機能 ―下垂体からのホルモン分泌
2章 自律神経系のコントロール ― 視床下部のもう1つの大仕事
- 交感神経と副交感神経による調節 ― 活動か? 休息か?
- 自律神経系の神経回路 ― 1つの臓器に2つの指令
- 自律神経系から支配臓器への神経信号
- 支配臓器を多様に制御 ― カギは神経伝達物質受容体
- 内臓感覚神経とその役割 ― おもらしをしない理由
3章 脳の広範囲調節のしくみ
- 神経伝達物質を使った広範囲調節系 ― 実はアナログ
- アストログリアによる広範囲調節系 ― まさかグリアが!
| 第5部 高次脳機能編 ― うまく生きていくための能力 |
1章 情動
- 情動発現メカニズムの論争 ― 脳が先? 身体が先?
- 情動発現と大脳辺縁系 ― 情動は脳のどこで起こる?
- ぺーペズの回路 ― 大脳皮質と視床下部の橋渡し
- 情動発現と扁桃体 ― 恐怖を記憶する
- 快情動の中枢 ― 幸せはどこから生まれる?
2章 言語能力
- ヒトと言語 ― 言葉を操れるのは人間だけ
- 言語能力の発達 ― カギは咽頭室の位置
- 失語症から学んだ言語野の存在
- 脳画像による言語能力の解析 ― 脳のどこが活動している?
- 言語の獲得 ― 子どもは言葉をどう覚えるか
3章 記憶能力
- 記憶は脳機能の基礎である
- 記憶の側面 ― 昔を思い出したり自転車に乗ったり
- 記憶物質説の盛衰 ― 記憶は食べられる?
- 記憶のシナプス仮説 ― 伝達効率が変化していた!
- シナプスの可塑性 ― 解かれてゆく記憶のしくみ
- 記憶における海馬の重要性 ― 高等動物の場合
- 海馬で何が起こっている? ― グルタミン酸受容体と可塑性
- 記憶の分子メカニズム ― ここまでわかった記憶の謎
| 第6部 脳の疾患編 ― 脳の故障がもたらす多様な障害 |
1章 神経疾患
- 筋力の低下が起こる疾患 ― 筋への情報が遮断される
- 運動協調性の失調を主な症状とする神経疾患
- 記憶障害を生ずる疾患 ― ニューロンの大量脱落
- てんかん ― 脳が暴走する神経疾患
2章 精神疾患 ― 脳機能の発現メカニズムに変調をきたす
- 過度なストレスが引き起こす心の病
- 統合失調症 ― 脳科学者の大きな課題
1章 脳の発達と心の発達
- 「こころ」とは何か
- 動物に心はあるか
- 心の成長
2章 心をつくり出す脳機能
- 心の発現にかかわる脳のしくみ
- ミラーニューロンが心の成長に役立つ
3章 危うい心
- 心の病 ― 心の病からみえる心の実体
- 洗脳の恐怖
4章 心=脳の考察
- 臨死体験 ― 魂のせいか? 脳機能か?
- 脳と心は別次元? ― 晩年のペンフィールドとエクルズの結論