バイオウェブ    

 

羊土社 
2010年3月の書籍

 出版社  羊土社

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くり返し聞きたい分子生物学講座

坂口 謙吾 /著

■第1章 分子生物学,癌など難病,そして唐突に「進化」との繋がり

まずは身近なテーマから…/生物学の基本概念を理解しよう/抗生物質−進化によって生まれた選択毒/癌に効く抗生物質もあるのか?/細胞膜と自己増殖/癌特効薬開発のキーポイント/もし癌が完治できるようになったら?/薬開発におけるバイオビジネスがもつ可能性

■第2章 メンデルの法則を化学的に説明できますか?〜分子生物学(分子遺伝学)の考え方の土台〜

まずは遺伝学をちゃんと理解しよう/メンデルの法則を化学的に説明できますか?/「化学的」と「生物学的」の考え方の違い/メンデルの遺伝の法則/家族なのにメンデルの法則が当てはまらない?/何でもかんでも対立遺伝子/染色体は遺伝子を乗せた舟である/さていよいよメンデルの法則の化学的な解説

■第3章 遺伝子,DNA,突然変異

遺伝子の実体探しの歴史/物理学からのアプローチ/遺伝子= DNA の証明/DNA とは何か/DNA は長いヒモ状の物質である/人のDNA のうち遺伝暗号はたった1割/遺伝子に傷がつくと突然変異が起こる/小さな突然変異が積み重なると…/DNA の変異はなぜ起きる?/RNAとは何か/RNA の種類/発生と遺伝子の関係

■第4章 DNA を増やすしくみとキズ治し

DNA の複製のあらまし/DNA 複製のための化学合成反応/DNA 複製のはじまり/DNA 合成の伸長反応/DNA 複製にミスは起きないのだろうか?/1本のDNA のあちこちで複製が行われている/DNA の修復/DNA 損傷と修復/DNA 損傷を起こすその他の原因/DNA のキズの治し方

■第5章 細胞,染色体,細胞分裂

細胞の構造/細胞分裂時には染色体が現れる/染色体とは/細胞は周期をもって分裂する/姉妹染色分体=姉妹DNA/染色体の微細構造/染色体中の遺伝子は偏って分布している/塩基配列には複雑なのと単純なのがある/DNA の反復配列/無駄なDNA にも意味はある/DNA複製は染色体のあちこちで起こっている

■第6章 進化はどうやって起こった?

遺伝学と進化の考え方の違い/突然変異の第一歩:DNA 上の傷/染色体の数と異種間交雑/進化の中で染色体の数は増えていった/交雑と重複のくり返し/発生時のエラーによる染色体の倍加/細胞分裂時に一部の染色体の数が増える/いらない染色体は減らそう/環境に適応しながら染色体の数は増えてきた/重複と多型化による進化

■第7章 遺伝子で見えてくる進化のカラクリ〜平安時代にあなたの祖先は800兆人?〜

生物の系統と分類/多細胞生物は生殖のための細胞が分業している/太古のトンボはゆっくり飛んでいた?/分子進化/進化中立説/進化系統樹/生存競争と進化

■第8章 どうして親は2人いるのか?

親の精子や卵子の染色体の数は半分しかない/同じでない細胞同士が合体した方が有利/真核生物の登場/細胞分裂の前にはDNA は2倍に増える/減数分裂時に染色体の組換えが起きる/組換えにより親と少し異なる遺伝子ができる/オスとメスの区別,オスのでき方・メスのでき方/Y 染色体があればオスになるのか?/性の決定機構/Y 染色体の役割

■第9章 分子から見た減数分裂のしくみ

減数分裂の特徴/減数分裂の詳しいプロセス/減数分裂の鍵:遅延DNA 合成/相同染色体の対合が起こるメカニズム/染色体組換え時の傷を修復するDNA 合成/ディアキネシス期以降のプロセス

■第10章 進化でひもとく発生のしくみ

動物の初期発生/38 億年の進化のプロセスをくり返す発生/植物ではどうか?/発生が進むにつれ細胞が分化する/嚢胚期とクラゲは似ている/胚葉の由来が同じなら親戚同士/植物同士の構造の比較/進化と遺伝子と身体の器官/植物や菌類の減数分裂とその起源/遺伝病/遺伝病とメンデルの法則/癌になりやすい体質をもつ人

■第11章 遺伝子を眼で見る〜染色体の組換えと遺伝子地図〜

ショウジョウバエの巨大染色体/ショウジョウバエは癌研究材料にうってつけ/日本人は実はみな親戚同士だった?/染色体の組換えと遺伝子地図

■第12章 DNA 修復のしくみは神経・免疫でも活躍していた

DNA ポリメラーゼ/DNA ポリメラーゼと神経系・免疫系/DNA 組換えが産んだ抗体の多様性/中枢神経の記憶素子にDNA は関係しているのか?/短期記憶はRNA,長期記憶はDNA が担う?

■第13章 遺伝子組換えはアブナイか?〜クローンと再生医療のはなし〜

異種生物間の人工的遺伝子組換え/遺伝子操作の道具たち/遺伝子組換え作物の誕生/遺伝子操作も進化の一形態にすぎない/クローン生物=同じ遺伝子をもつ生物/一生増え続ける再生組織の細胞/植物には分化全能性はあるが,動物にはない/再生医療による臓器移植の夢

■第14章 癌はどうやって起きる? どうやって治す?

固形癌に効く制癌剤はあるか?/固形癌の中には薬が浸透しにくい/副作用のない制癌剤探しの方向性/発癌源の代表格,紫外線/癌の元になる体内の損傷/突然変異と発癌/癌を治すにはどう考えるべきか(現状)/制癌剤研究の問題点/癌を治すにはどう考えるべきか(私案)

■第15章 常識外しの薬の見つけ方

実験動物を使った薬探し/ターゲットスクリーニング(標的探索法)/身体の中のバランス型ブレーキ物質/進化や発生から見た薬と身体/糖鎖は細胞膜のマジックテープである/糖鎖を応用した薬探し/糖鎖工学研究の難点と打開策/毛細血管の新生を応用した癌治療

■第16章 老化と寿命〜人は何歳まで生きられるか?〜

平均寿命はどこまで延ばせるか?/老化を防ぐ方法はあるか?/染色体の寿命を決めるもの−テロメア/テロメアを引き延ばすテロメラーゼ/寿命を決めるもう1つの要素−活性酸素

■第17章 心や記憶はバイオで解き明かせるか

自分という存在の認識,意識とは?/クローン人間を創っても元の人間は復活しない/記憶を司る遺伝子も単細胞生物から進化した?/おわりに

●Column

ゴジラは地球の重力下では生存できない?
減数分裂研究の壁

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バイオ研究者がもっと知っておきたい化学3
〜溶液の性質〜

齋藤 勝裕 /著

■序章 バイオ研究と化学溶液論

・水と水分子の性質は同じとは限らない
・細胞内はコロイド溶液
・酸・塩基はH +の放出と受容
・酸化・還元は電子の移動
・生命活動の鍵を握る錯体

■第I部 溶液の基本的な性質

1章 物質の三態― 分子1個では見えない性質
・物質の状態―固体、液体、気体の特性
・状態図―温度と圧力で変化する
・三態以外の状態―液晶とは何か
・会合状態―分子膜、細胞膜を支える基本構造
・水の状態―会合が水の溶解力の源

2章 溶解と溶液の基本― 溶けるとは何か
・物質の基本量
・似たものは似たものを溶かす
・溶解度―溶ける量は条件で変化する
・溶媒和―溶けるという現象の正体4
・溶液がもつ圧力

3章 コロイド溶液の化学― 生体内はコロイドだらけ
・コロイドの構造
・コロイドの種類
・コロイドの光学的性質
・コロイドの電気的性質
・コロイドの動的性質
・コロイドの安定性

■第II部 反応性を左右する溶液の特性

4章 酸・塩基―溶液の性質を決めるもの
・酸・塩基の定義
・酸・塩基の性質
・酸性酸化物と塩基性酸化物
・酸性・塩基性とpH
・酸・塩基解離定数―酸・塩基の強弱を表す指標

5章 中和反応と塩の性質― 緩衝液のしくみ
・中和と塩
・塩の性質―酸・塩基の強さで決まる
・緩衝作用― pH が変化しにくい理
・中和滴定―反応の終了点をどう知るか

■第III部 酸化・還元からみた溶液の性質

6章 酸化・還元―レドックスの基礎
・酸化・還元の基本
・酸化・還元は酸素以外でも起こる
・酸化数でみる酸化・還元
・酸化剤と還元剤
・イオン化傾向

7章 溶液の電気的性質― 生体における電子の移動
・電池と酸化・還元
・膜電位のしくみ
・膜電位による情報伝達―味覚を例に
・光合成における電子伝達系
・等電点と電気泳動

■第IV部 生体と無機反応

8章 錯体の性質と反応―キレートの魅力
・錯体の構造
・錯体の結合とエネルギー
・錯体の色彩
・錯体の磁性
・錯体の反応と安定性

9章 生命現象と無機化学
・バイオと無機化合物
・酸素運搬に働く錯体
・錯体の医薬品への応用

●コラム

・超臨界状態の利用法
・液晶テレビ
・過冷却
・身の回りのコロイド
・食品の酸性と塩基性
・身近で活躍する塩
・酸化剤と酸
・さまざまな電池

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ハーバードでも通用した
研究者の英語術
ひとりで学べる英文ライティング・スキル

島岡 要 /著 Joseph A. Moore /著

■序章 ひとりで学ぶ英語の心得

・英語は読めるが話せない悩み ・英語の読み書きは国語の能力で,話すのは体育の能力
・体育の能力である同時性・双方向性・即興性は実践でしか学べない
・本を読んで一人で勉強するならば,それに適した英語コミュニケーション力にフォーカスする
・これからは文書での英語のコミュニケーションが重要になってくる
・研究者はまず文章による英語のコミュニケーションにプライオリティーを置くのが効率的
・英語の論理的思考の習得にはパラグラフ・ライティングが効果的

■第1章 アブストラクトの書き方

研究者のすべての英語ライティングの基礎

●どうしてアブストラクトのトレーニングが重要なのか?
・アブストラクトを書く力は英語ライティング
・コミュニケーションの基礎
・第一印象が運命を決める
・研究者の仕事の成果はアブストラクトとして世界に伝わる
・論文のアブストラクトは通常最後に書く
・アブストラクトを書くことで理解が深まる
・アブストラクトを最初に書くという修行
・優れたアブストラクトを書くために,知っておくべきたった1つのこと
・セルフ・エディティング能力を育てる
・アブストラクトに書くべき3つのエレメント
・優れたアブストラクトを書くための具体的な心得

●実践編 優れたアブストラクトへの道のり
・例1:名作アブストラクト
・不完全な第1稿を書くのが,優れたアブストラクトへの第一歩
・快適に第1稿を書き始めるためのフレーム・ワーク
・つまらずに第1稿の下準備をするためには正解ではなく納得解を
・シグナルを使って,センテンスに有機的なつながりをもたせる
・第1稿をさらに磨きあげる
・まとめ

●便利な実例集
・実例1:基本に忠実なロジック展開
・実例2:ストーリーを意識してまとめる
・実例3:定められたフレーム・ワークに則る

■第2章 カバーレター

論文の重要性を訴える考え方を身に付ける

●エディターを説得し,投稿論文を査読にまわすための強いカバーレターの書き方
・カバーレターの役割とは
・論文の重要性をいかに語るか
・カバーレターのフレーム・ワーク

●実践編 カバーレターの実際
・例1:Science へ投稿したときの実際のカバーレター
・例2:FASEB J へ投稿したときの実際のカバーレター
・例3:The Jounal of Immunology へ投稿したときのカバーレター
・まとめ

●カバーレターでよく使われる言いまわしの実例集
・論文がオリジナルであるとの宣言の例文 (二重投稿していないことの宣言など)
・適切なレビュアーの示唆や,不適切なレビュアーを除外する依頼

■第3章 英文メール術

ライティング・スキルを日々鍛える

●伝わるメールを書いて,英語ライティング・スキルを高める
・あなたのメールが正しく読まれているとは限らない
・下手な英語を話すことは許されても,下手な英語を書くことは許されにくい
・メール・ライティングの心得はアブストラクト・ライティングの基本と同じ

●実践編 具体的な英文メール・ライティングの技術
・あなたのメールの後半は読まれていない
・メールでは結論を最初にもってくる
・件名欄を有効に使う
・読ませるメールとは(岡田さんのメールを書き直す)
・読みやすいメールを書く3つのテクニック
・リストを有効に使用して浜田さんのメールを書き直す
・オープニングとクロージング
・こんなときはメールを使ってはいけない
・まとめ

●伝わるメールの実例
・ジョブ・アプリケーションレター
・リクエスティング・レター

■第4章 プレゼンテーションの極意

ロジックにより説得する表現を磨く

●成功の鍵を握るショーの下準備
・十分な下準備をするという王道を歩む
・優れた英語のプレゼンテーションはトランスクリプトを用意することから始まる
・トランスクリプト作成には二重のベネフィットがある

●実践編 スライド各場面でのトランスクリプトの要点と実例
ソーシャルな部分のトランスクリプト
・#1:プレゼンテーションに入る前のスモール・トーク
・#2:話題を変えるときのフレーズ
・#3:共同研究者やスポンサーへの謝辞
・#4:質疑応答の場面でのフレーズ

サイエンスの部分のトランスクリプト
・スライド1「タイトルスライド」の機能とポイント
・スライド2「テイクホームメッセージ」は最も重要なスライド
・スライド3〜4「バックグラウンド」で背景,問題点を示す
・スライド5〜8「データ・ソリューション:解決法 or 答え」
・スライド9「まとめ」
・スライド10「謝辞」
・まとめ

●あなたがホストの場合の心得と演者紹介の実例
・イントロダクションにおける先入観・必然性・共感
・フォーマルな場面でのホストによるイントロダクションの例
・インフォーマルな場面でのホストによるイントロダクションの例

■第5章 推薦状

ポジティブな表現を磨く

●用紙2枚分の説得力のある強い英文推薦状を書く
・推薦状を書くのがもともと得意な人などいない
・推薦状を書く際に,どこでつまずくのか
・推薦状の重要性
・推薦状の現状:ネガティブな推薦状はなくなっていく
・人の長所を見つけて,世間に売り込む力を伸ばす
・強い推薦状とは情熱,情熱とはとりあえず分量
・強い推薦状を書くための5つの心得
・強い推薦状を書くためのフレーム・ワーク

●実践編 強い英文推薦状の書き方
・職場ロゴの入ったヘッダーを準備する
・パート1:イントロダクション(自分が推薦者として適切であることのアピール)
・パート2:被推薦者の業績とプロフェッショナルとしての成長をストーリーで語る
・パート3:人間的魅力について語る
・パート4:まとめと締めくくり
・まとめ

●業績と成長を語るストーリー(3幕構成)の実例

■第6章 CV,レジメ

自己PRとアクション・スタイルを上達させる

●英語ライティング上達のための「自分語り」
・CVとレジメ
・CVとレジメを英語ライティングのトレーニングの場として使う

●実践編-1 CVの具体例
・CVのパーツ一覧
・Personal and contact information
・Education and Professional Experience
・Committee Service, etc.
・Funding Information
・Report of Teaching and Training
・Invited Presentations
・Bibliography
・特許
・Narrative Report

●実践編-2 レジメの具体例
・レジメで学ぶアクション・スタイル
・トップ
・1枚目の上3分の1
・Education
・Professional Experience
・発表論文リスト
・専門技術・スキル
・照会先
・まとめ

■column

・セルフ・エディティングについての補足
・カバーレターとオンライン投稿
・いろいろ頼みたいのは山々だが,要求を詰め込みすぎない
・英語でリストを作るうえで注意すべきこと
・準備しすぎるという問題
・大統領のスピーチ原稿
・重要でない話を英語でする難しさ
・言及する範囲
・米国と欧州における推薦状の違い
・CVにはどのフォントとサイズを使えばよいのでしょうか
・転職の理由をポジティブに説明する準備を
・CVとレジメの差をもっと詳しく
・アクション動詞

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目的別で選べる
タンパク質発現プロトコール
発現系の選択から精製までの原理と操作

永田 恭介 /編 奥脇 暢 /編

■1章 タンパク質の性質を知る

●1 タンパク質が必要になるとき
【奥脇 暢/永田恭介/加藤広介/川口敦史】

(1)タンパク質を解析するために
(2)タンパク質を手に入れるための戦略
(3)本書の特徴および概要

●2 タンパク質の性質は?
【加藤広介】

(1)タンパク質の構造
(2)タンパク質固有の性質を知る
(3)タンパク質の安定性や溶解性に影響する要因
(4)未知タンパク質の性質を調べる方法
(5)タンパク質のデータベースや解析ツール

●3 タンパク質を精製する
【川口敦史/若井ちとせ】

(1)精製法の選択
(2)タグの選択とタグを用いた精製の原理
(3)カラムクロマトグラフィーによる精製
(4)変性と再生操作

■2章 タンパク質発現系の種類と原理

●1 発現系の種類と特徴
【内藤忠相/川口敦史】

(1)各発現系で発現するタンパク質の特徴
(2)各発現系の発現量の目安
(3)目的に適した発現系を選択する
(4)各発現系のベクターの特徴
(5)コストと時間

●2 大腸菌
【浅賀正充】

(1)大腸菌発現系の背景と原理
(2)ベクターの構造と特徴

●3 昆虫細胞
【久武幸司/福田 綾】

(1)昆虫細胞発現系の背景と原理
(2)ベクターの構造と特徴

●4 酵母
【内藤忠相/杉山賢司】

(1)酵母の種類と各発現系の概略
(2)酵母発現系の背景と原理
(3)ベクターの構造と特徴

●5 哺乳動物細胞
【村野健作/加藤広介】

(1)哺乳動物細胞発現系の背景と原理
(2)ベクターの構造と特徴

●6 無細胞翻訳系
【川口敦史】

(1)無細胞翻訳系の背景と原理
(2)ベクターの構造と特徴

■3章 タンパク質発現プロトコール

●1 大腸菌
【浅賀正充/朴 三用】

(1)大腸菌株とベクターの種類
(2)コンピテントセルの調製とベクターの導入
(3)大腸菌の培養とタンパク質の発現
(4)大腸菌の破砕とタンパク質の抽出
(5)大量精製の際の培養とタンパク質発現

●2 昆虫細胞
【久武幸司/福田 綾】

(1)細胞株とベクターの種類
(2)昆虫細胞の培養
(3)ウイルスの調製とPFUの決定
(4)ウイルス感染とタンパク質発現
(5)細胞の破砕とタンパク質の抽出

●3 酵母
【内藤忠相/杉山賢司】

(1)酵母株とベクターの種類
(2)酵母の培養とベクターの導入
(3)タンパク質の発現
(4)細胞の破砕とタンパク質の抽出

●4哺乳動物細胞
【村野健作/加藤広介】

(1)培養細胞の選択
(2)ベクターの種類と特徴
(3)細胞培養
(4)遺伝子導入
(5)細胞の破砕とタンパク質の抽出

●5 無細胞翻訳系
【五島直樹/山口 圭】

(1)鋳型DNAの調製と発現ベクターの種類
(2)タンパク質発現

●6 タンパク質の精製
【加藤広介】

(1)タグによる精製
(2)クロマトグラフィーによる精製
(3)その後の実験のために

■4章 遺伝子組換え実験の法律および省令

●1 問題となる法律および省令
【竹内 薫】

●2 申請の具体例
【竹内 薫】

(1)種々の宿主を用いた実験の具体例
(2)注意が必要な遺伝子組換え実験
(3)遺伝子組換え実験申請書作成の具体例

■付録 培地・試薬の調製法

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絵ときシグナル伝達入門 改訂版

服部 成介 /文と絵

■はじめに−シグナル伝達ワールドへようこそ

・シグナル伝達ってなんだろう-生命現象の主役を求めて
・シグナルを流れとして捉える-点から線へ,さらにはネットワークへ
・シグナル伝達研究の魅力

■1 シグナル伝達の歴史と成り立ち

※Keyword(がん遺伝子/成長因子/三量体G・タンパク質/チロシンキナーゼ/Ras)

・歴史をつくった人々
・がん遺伝子の発見とトリ肉腫ウイルス
・肉腫をつくるSrc タンパク質はチロシンキナーゼだった
・増殖因子受容体もチロシンキナーゼだった
・がん遺伝子は細胞の中にもある遺伝子だった
・ヒトからとられたがん遺伝子ras
・三量体G タンパク質とセカンドメッセンジャーの発見
・小さな生き物たちからの贈り物-モデル生物を用いたシグナル伝達研究の発展
・Ras の活性化-遺伝学とシグナル伝達の幸福な関係

■2 シグナル伝達基本中の基本

※Keyword(モジュール/SH2/SH3/キナーゼ/GTP結合タンパク質/セカンドメッセンジャー)

・タンパク質のモジュール構造-相手探し
・奇妙ながん遺伝子crk
・SH2 はチロシンリン酸化タンパク質と結合する
・SH3 はプロリンに富む領域に結合する
・まだまだあるぞモジュールたち
・ヒトはどのくらい複雑か?
・シグナルを伝えるための4つの How to
・タンパク質のリン酸化
・GTP 結合タンパク質によるヘンシン
・セカンドメッセンジャーによる活性化
・切断による活性化

■3 細胞膜上のできごと

※Keyword(チロシンキナーゼ受容体/7回膜貫通型受容体/三量体Gタンパク質/低分子量GTP/ 結合タンパク質)

・受容体はどのようにしてシグナルを細胞内に伝えるか
・チロシンキナーゼ受容体はどのようにシグナルを伝えるか
・受容体を起点としたシグナリング複合体
・7回膜貫通型受容体はどんなシグナルをどのように伝えるのか
・GTP 結合タンパク質のプロフィール

■4 細胞膜から核へ

※Keyword(MAPキナーゼカスケード/ERK/JNK/p38 MAP キナーゼ/JAK - STAT/TGF - Smad/Notch)

・MAPキナーゼカスケード- 3つのキナーゼのカセット
・MAPキナーゼの仲間たち - ERK, JNK, p38, ERK5
・MAPキナーゼシグナルの強さと持続性
・横道にそれないための工夫-足場タンパク質
・ERK の核内移行
・TGF- βスーパーファミリーとSmad によるシグナル伝達系
・JAK - STAT 系のシグナル伝達系
・Notch シグナル伝達系 - 分化演出の舞台裏

■5 核─細胞質間の物質コミュニケーション

※Keyword(核移行/核膜孔複合体/核移行シグナル/Ran/importin/M期紡錐体)

・核の出入国管制官-核膜孔複合体NPC
・核移行シグナルと輸送のしくみ
・Ran・GTPの濃度差がベクトル性をつくりだす
・NLS とimportin のさまざまな組み合わせ
・核外移行にもRan が関与する
・どんな因子が制御されているのだろう
・M期の進行を制御するMPF と核移行
・ERK の核移行の鍵はMEK が握っている
・細胞周期M 期の微小管再構築と輸送タンパク質
・M期微小管制御のスーパースター:Ran
・importinも輸送以外の大事な機能があるらしい

■6 アポトーシスとシグナル伝達

※Keyword(アポトーシス/Fas/カスパーゼ/Bcl-2)

・アポトーシス-積極的な細胞死
・線虫-アポトーシス研究の聖地
・ろ胞性白血病とbcl-2遺伝子-がん研究からわかったアポトーシス抑制遺伝子
・アポトーシスを誘導する不思議な抗体- Fas の発見
・Fas が死の引き金を引く
・ミトコンドリア-もう1つのアポトーシス経路
・Bcl-2 ファミリータンパク質-正義の味方と獅子身中の虫
・PI3- キナーゼ- Akt 系による生存維持
・カスパーゼファミリーと機能からみたグループ分け
・カスパーゼの基質たち
・CAD とICAD との至高の関係
・DNA 分解の異常はさまざまな疾患を招く
・「私を食べて」シグナル
・To be, or not to be : that is the question.

■7 がんとシグナル伝達

※Keyword(がん遺伝子/がん抑制遺伝子/変異/欠失/p53/Rb)

・シグナル伝達とがん研究のつながり
・がんによる死亡率は依然として高い
・どのような遺伝子の変異ががんを引き起こしているのか
・チロシンキナーゼ受容体変異とがん
・オートクリン型の増殖異常
・染色体転座が導くがん- Bcr-Abl
・TEL とTPR -オリゴマー化の元凶
・GTP 結合タンパク質の変異とがん
・はじめにとられたがん抑制遺伝子-Rb
・p53:1993 年度Molecule of the Year
・ヒトパピローマウイルスと子宮頚がん
・大腸がんとAPC 遺伝子とWnt シグナル

■8 分子標的薬

※Keyword(分子標的薬/キナーゼ阻害剤/抗体医薬/in silico 創薬)

・シグナル伝達因子をターゲットとした創薬の展開
・副作用の少ない薬
・抗がん剤の難しさと分子標的薬のメリット
・分子標的薬の標的
・チロシンキナーゼを対象とした医薬品- EGF 受容体ファミリー
・Abl 阻害剤
・血管新生を阻害する
・細胞表面抗原を標的とした抗体医薬
・抗体をヒト化する
・抗リウマチ薬
・セリン/ スレオニンキナーゼを対象とした分子標的薬
・γ - セクレターゼ阻害剤
・in silico 創薬

■9 身近な病気・老化とシグナル伝達系

※Keyword(ピロリ菌/肥満/インスリン/カロリー制限/老化)

・ピロリ菌と胃潰瘍
・ピロリ菌感染と胃がん- CagA タンパク質
・寿命と健康と生活習慣病
・肥満-本当にわるいことなのか?
・肥満と糖尿病-その鍵を握っているのは脂肪組織だった
・食欲抑制の鍵-レプチン
・アディポネクチン-脂肪組織からの援軍
・線虫の寿命とインスリン
・酵母の寿命とSir2
・赤ワインで長生き
・20年間霊長類を観察した研究

■10 新しい技術のシグナル伝達への応用

※Keyword(プロテオミクス/質量分析計/シグナルの可視化/GFP/FRET)

・プロテオミクスってなんだろう?
・プロテオミクスを可能にしたもの
・プロテオミクスの道具-二次元ゲル電気泳動
・タンパク質の質量分析による同定
・プロテオミクスでわかること-リン酸化プロテオーム
・プロテオミクスでわかること-インタラクトソーム
・細胞の表情をプロテオームで表現する
・シグナル伝達の可視化 - “どこで” がみえるようになった
・細胞内シグナルの可視化- FRET
・おわりに

■Pick Up

・Serendipity:チロシンリン酸化の発見
・Serendipity その2:NGF とEGF の発見
・優性抑制性変異体? タンパク質-タンパク質相互作用のあるところドミネガあり
・7回膜貫通型受容体-新薬の開発ターゲット
・GTP 結合タンパク質とキナーゼの重宝がられる変異体
・MAP キナーゼ? ERK ? …誤解のないように
・エリスロポエチン受容体の変異と赤血球増多症
・Two p or not to p : that is the question.
・Rasの変異と活性化
・発光タンパク質あれこれ


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