羊土社 
2006年2
月の書籍

 出版社  羊土社

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基本がわかれば面白い!バイオの授業

Part 1 バイオの根源 DNAとタンパク質

1. 生命科学と生物学は同じもの?
  〜バイオ=生物学=生命科学〜

2. お酒や納豆、冷害に強い米を作る
  〜バイオテクノロジー〜

3. 遺伝子組換え食品は悪者か?
  〜遺伝子工学〜

4. 生命の謎をいくつも解き明かした技術
  〜遺伝子工学のバイオへの影響〜

5. 遺伝子の正体をひも解く
  〜DNA〜

6. 二重らせん構造解明競争
  〜若い研究者たちの熱意〜

7. ヒトの遺伝子数はハエのたったの2倍以下!
  〜遺伝子の数〜

8. 遺伝子からタンパク質をつくる(1)
  〜DNAから情報を読み取る「転写」〜

9. 遺伝子からタンパク質をつくる(2)
  〜タンパク質の合成過程を「翻訳」と呼ぶ〜

10. 生物をつくる源
  〜タンパク質〜

11. さまざまな形が生むさまざまな機能
  〜タンパク質の形づくり〜

12. 生物の設計図を記録した媒体
  〜ゲノム〜

13. バイオテクノロジー大発展
  〜現在の科学を支える技術革新〜

14. 生命体は遺伝子の乗り物?
  〜DNA情報は死さえも支配する〜

15. ゲノム情報から生命現象を知るためには
  〜設計図から機能を知る構造ゲノム科学〜

16. タンパク質の立体構造は小さな単位からできている
  〜構造でタンパク質を分類する〜

Part 2 DNAから細胞へ

1. クローン「羊」が「乳」にならなかったわけ
  〜遺伝子のONとOFF〜

2. 染色体とは何か?
  〜性別を決定するのは精子の染色体〜

3. たった1本の違いが身体や行動に影響を及ぼす
  〜染色体異常の影響〜

4. Y染色体が一番遺伝子が少ない
  〜染色体に含まれる遺伝子の数〜

5. 真珠の首飾りのようなゲノムDNA
  〜染色体の基本構造〜

6. ゲノム配列に人種の差はない
  〜染色体(ゲノム)DNA配列の個人差〜

7. 父母のどちらに似るかを決めるのは?
  〜子供が親に似る遺伝のメカニズム〜

8. 静かに伝わり突然発現する“したたかさ”
  〜劣性遺伝子の力〜

9. 個体のバリエーションを生み出すしくみ
  〜子供のバリエーションは70兆以上〜

10. 不完全な細胞分裂がもたらす「傷」
  〜細胞は周期をもって分裂する〜

11. 染色体は動いている
  〜繰り返される凝縮と脱凝縮〜

12. 核とは何か?
  〜ゲノムDNAを収容している部屋〜

Part 3 細胞から個体へ

1. すべての生命活動を1つの細胞で行う単細胞
  〜多細胞生物と単細胞生物〜

2. 多細胞生物の身体のつくられ方(1)組織について
  〜「形」や「働き」が共通した集団〜

3. 多細胞生物の身体のつくられ方(2)血液細胞について
  〜血管を流れて物質を輸送する輸送船〜

4. 多細胞生物の身体のつくられ方(3)生殖細胞について
  〜次世代に遺伝情報を伝える〜

5. 細胞に入り込んだ細胞
  〜ミトコンドリア:エネルギーの供給源〜

6. ミトコンドリアで祖先がわかる
  〜すべてのヒトは1人の女性の子孫〜

7. 細胞は増え続けるのか
  〜胎児より分裂能力が劣る大人〜

8. 暴走して増殖する癌細胞
  〜不死化した細胞〜

9. 細胞の癌化の原因
  〜紫外線や放射線に傷をつけられる〜

10. 紫外線の功罪
  〜DNAも傷つけるがビタミンDも合成する〜

11. DNAの傷を治せないとどうなるの?
  〜おびやかされる生命の維持〜

12. DNAの変異は進化の原動力
  〜生命にとって有利な変異もある〜

13. ちぎれたDNAは組換えで修理される
  〜よく似たプロセスをたどる進化と修復〜

14. DNAの傷を治し損なった細胞には死を…
  〜排除される癌化の可能性〜

Part 4 ニュースで話題の「バイオ」がわかる

生活習慣病や薬害を未然に防ぐ
〜遺伝子診断〜

ヒトゲノム解析で薬の副作用をなくそう
〜オーダーメイド医療〜

遺伝子の間違いを正しい遺伝子で補う
〜遺伝子治療〜

組換え食品は良いのか? 悪いのか?
〜遺伝子組換え食品〜

天然には存在しない花の誕生
〜青いバラ〜

クローン羊の悲劇
〜クローン〜

拒絶反応の起きない臓器移植開発の新兵器
〜ヒトクローン胚〜

未知の細菌やウイルスの出現
〜SARS−重症急性呼吸器症候群〜

インフルエンザの流行はなぜ起きるのか
〜インフルエンザ〜

犯人はなんとタンパク質だった
〜BSE−牛海綿状脳症(狂牛病)〜

現代人の心の病いも遺伝子の欠陥から
〜精神疾患と遺伝子〜

うつ病をコントロールする脳内物質
〜セロトニン〜

ヒトとチンパンジーを分けるもの
〜動くDNA〜

夢の医療技術の獲得を目指して
〜再生医療〜

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小さな小さなクローディン発見物語
若い研究者へ遺すメッセージ

1) 僕の生い立ち

2) 視力

3) 大学受験と大学生活

4) 医学部から大学院での生活

5) 東京都臨床医学総合研究所

6) 岡崎国立共同研究機構生理学研究所へ

7) タイトジャンクションの重要性と残されていた難問

8) はじめてのTJ内在性蛋白質オクルディンの発見

9) 京都大学医化学教室へ −ヒトオクルディンの発見−

10) オクルディンの悪夢よ再び

11) オクルディンからクローディンへ

12) クローディン遺伝子ファミリーの発見

13) クローディンのその後

補遺

1.タイトジャンクションストランドの分子構築

2.単層上皮のバリアー機能とクローディン

3.重層上皮のバリアー機能とクローディン

4.血管内皮のバリアー機能とクローディン

5.これから

謝辞

おわりに   月田早智子

〈付録CD-ROM〉
  月田承一郎 特別講演より 『Barriology』

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生命科学

序 説

1章 生物の多様性と一様性
生物の多様性と一様性

生物とは
生物と細胞 自己の複製 刺激への応答 エネルギー通貨ATP

生物の系統
系統樹での分類 細胞内小器官での分類 生体物質の大きさ

生体を構成する物質
タンパク質 脂質 糖 無機塩類

【コラム】
ウイルスとプリオン アミノ酸の話

第1部 細胞と遺伝情報の関係

2章 遺伝情報の複製

細胞増殖とDNA複製
細胞増殖は細胞の最も基本的な機能 DNA複製の特殊性

DNAとはどのような分子か
単位としての核酸 高分子核酸 DNAは二本鎖である RNAは一本鎖である 原核生物は環状,真核生物は直鎖状の二本鎖DNAをもつ

遺伝子とDNA
遺伝子の定義 ゲノム 生物のDNA量 生物の遺伝子数 真核生物は遺伝子でないDNA領域をたくさんもっている

DNAの複製
DNA複製のアウトライン 複製には鋳型を必要とする 複製は不連続である 複製開始点と複製終了点がある

【コラム】
DNAの変性・再生 DNAは細くて長い糸である DNAの損傷と修復 複製の正確さ 複製にかかわる酵素はたくさんある PCR(polymerase chain reaction)

3章 遺伝子の発現

遺伝子の転写と翻訳
セントラルドグマ 遺伝子の暗号 DNAのセンス鎖 遺伝子の発現

遺伝子の転写
RNAの種類 転写の特徴 転写の基本

転写後の修飾
RNAの切断 塩基の修飾 真核生物のmRNAプロセシング

遺伝子の翻訳
アミノアシルtRNAの合成 リボソーム mRNAの構造 タンパク質合成 転写と翻訳の協調

【コラム】
真核生物にはもっと多くの非翻訳RNAがあるのかもしれない RNA複製と逆転写 大腸菌リボソームの構造 翻訳の開始 ペプチド鎖の延長 翻訳の終了 21番目のアミノ酸

4章 遺伝子発現の調節

発現からみた遺伝子の種類
すべての生物でハウスキーピング遺伝子が働く 多細胞生物ではさらに多くの遺伝子が働く 一人のヒトの体細胞は同じ遺伝子をもっている 発現が調節される遺伝子と調節されない遺伝子

原核生物の遺伝子発現調節
大腸菌のβガラクトシダーゼ遺伝子は正と負に調節される

真核生物細胞の遺伝子発現調節
転写調節と転写後調節 真核生物はより複雑な転写調節機構をもつ クロマチンリモデリングによる調節 クロマチン構造と遺伝子発現調節

【コラム】
リンパ球だけは遺伝子が異なる 複数の遺伝子を同時に発現調節するしくみ オペロンとレギュロン miRNAによる遺伝子発現調節 非翻訳RNAの多くはmiRNAかもしれない 遺伝学と逆遺伝学 ヘテロクロマチンとユークロマチン DNAのメチル化,発生,体細胞クローン動物 ゲノム,トランスクリプトーム,プロテオーム

第2部 個々の細胞を機能させる原理

5章 細胞の膜構造と細胞内小器官

細胞の膜構造
原核細胞と真核細胞 真核細胞の細胞内小器官

生体膜の脂質と膜タンパク質
脂質二重層の性質 膜タンパク質

生体膜の機能
バリアー機能と物質の選択的な輸送 膜電位 受容体による情報の伝達 細胞膜を介しての細胞骨格と細胞外基質との結合

細胞内小器官の形成と物質輸送
細胞内小器官へのタンパク質の選別輸送 核への物質輸送と核からの物質輸送 ミトコンドリアや葉緑体へのタンパク質輸送 小胞体へのタンパク質輸送 小胞輸送 細胞外の物質の取り込み経路

【コラム】
細胞膜のコレステロール 膜を貫通する構造をもたなくても膜に結合するタンパク質 細胞膜電位を計算するネルンストの式 神経の興奮と伝達 核膜孔輸送にはGタンパク質が働く 細胞内小器官の起源に関する推論

6章 細胞骨格

細胞骨格の種類とその分子構造
アクチン繊維 微小管 中間径繊維

細胞骨格の動的な変化

モータータンパク質
キネシン ダイニン ミオシン

筋細胞の収縮

細胞内の物質輸送

【コラム】
トレッドミリング 鞭毛の構造と運動のしくみ

7章 代 謝

細胞活動と熱力学:代謝の意義

自由エネルギー変化と生体エネルギー通貨としてのATP

酵素
酵素の特異性と反応機構 酵素反応速度論 酵素の分類

基本的な代謝の流れ

代謝の基本反応
リン酸化反応(キナーゼ) 脱リン酸化反応(ホスファターゼ) C-C結合の生成・切断反応 脱水素反応

エネルギー産生系
解糖系 クエン酸回路(トリカルボン酸サイクル )

酵素活性の調節
アロステリック制御 リン酸化による酵素活性の調節 代謝調節のパラダイム:フィードバック制御とカスケード

【コラム】
熱力学の法則:自由エネルギー変化と平衡定数 Michaelis-Mentenの式の導き方 炭素と窒素の固定回路 代謝経路のバイオインフォマティクス(生物情報学) メタボロミクス 代謝経路はなぜ丸い?

8章 エネルギー

生体エネルギー

呼吸鎖と酸化的リン酸化の概略

酸化還元反応と呼吸鎖

ATP合成酵素

光合成の概要

光エネルギーの吸収

光化学反応と電子伝達

暗反応:炭酸固定反応

C4光合成

ミトコンドリアと葉緑体のトポロジー

【コラム】
ATP合成酵素の回転の実証 光合成の炭酸固定経路図(カルビン回路) 共役と光による調節 地球大気の二酸化炭素濃度の変遷と光合成

9章 シグナル伝達と細胞の増殖

シグナル伝達

細胞内シグナル伝達
タンパク質のリン酸化と脱リン酸化 Gタンパク質 低分子の二次メッセンジャー

受容体を介した細胞内シグナル伝達経路
酵素型受容体 Gタンパク質共役型受容体 チャネル型受容体 転写因子型受容体

細胞周期
細胞周期とは 対称分裂と非対称分裂

細胞増殖の制御
正と負の制御

細胞増殖開始のシグナル伝達
細胞増殖開始までのシグナル伝達 正と負の制御 サイクリンとCDKは細胞周期の各ステップで働く

細胞周期のチェックポイント機構

ガンとガン遺伝子
ガン遺伝子 ガン抑制遺伝子 ガンの自立的増殖

細胞死のシグナル

【コラム】
受容体とシグナル分子の関係 タンパク質の分解による細胞内シグナル伝達 オーファン受容体と医薬品開発

第3部 細胞集団の組織化

10章 発生と分化

卵形成

受精と卵割

胚の方向性の決定
ショウジョウバエの発生 カエルの発生

細胞分化と幹細胞

誘導作用と形態形成運動
形態形成運動 神経誘導

器官形成

【コラム】
線虫の細胞系譜 ホメオボックス遺伝子 カエルの背側決定における母性因子の役割 植物の花器官形成のしくみ

11章 細胞間のコミュニケーションと組織構築

細胞同士の接着
カドヘリンの発見とその性質 カドヘリンの役割 その他の細胞同士の接着

細胞外基質
繊維性の成分 グリコサミノグリカンとプロテオグリカン 糖タンパク質

細胞と細胞外基質との接着
インテグリン  

細胞間のコミュニケーション
細胞接着と細胞内情報伝達 細胞認識 細胞接着と移動運動 植物細胞の原形質連絡

組織構築
上皮組織 細胞極性

【コラム】
基底板 植物の細胞外基質 神経とシナプス 結合部複合体

12章 生殖と減数分裂

有性生殖と無性生殖

体細胞分裂と減数分裂

減数分裂の意義

遺伝的組換え
一般的組換え 部位特異的組換え

配偶子の形成

配偶子の特殊化

受精
受精の準備 受精の過程

種と性

【コラム】
性の決定と性転換 アグロバクテリアと遺伝子組換え植物 クローン動物 ノックアウトマウス

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