1 はじめに−ゲノムの解読後の研究課題
2 比較ゲノム学とは
3 機能ゲノム学とは
1)遺伝子の機能についての記述の仕方
2)塩基配列の比較によるホモロジー検索に基づく機能注釈
3)ホモロジー検索による機能注釈における注意点
1)比較ゲノム学を用いたゲノムの機能の解析
2)モデル生物間で保存された類似性に着目した疾患遺伝子の同定
3)ホモロジー検索によって機能的な注釈をつけにくい遺伝子への機能注釈の方法
4)遺伝子間の機能的な関係の網羅的解析
5)ハイスループット解析技術の発展とバイオインフォマティクス
2章 遺伝子・タンパク質の機能を調べる(in silico編)
1)遺伝子クラスタリングにより遺伝子配列をグループ分けする(RTPSクラスタリング)
2)配列の類似性をもとにした機能情報の収集
3)タンパク質ドメインをもとにした機能情報の収集
4)機能情報の記述方法
2 種々のデータベースを利用して遺伝子の機能に迫る
1)遺伝子の発現情報をデータベースから調べる
坊農秀雅
2)遺伝子・タンパク質の機能を文献から調べる
仲里猛留
1)タンパク質配列のモチーフ探索の重要性
2)新規モチーフ探索のアプローチ
3)新規モチーフ探索の実際
3章 特定の遺伝子・タンパク質の機能を生体で調べる
津久井 通 岡崎康司
1)in vivo解析を始める前に
2)in silicoで得られたデータを活用する
3)生体における発現プロファイリングの検討
4)目的とする遺伝子の変異体はあるか?
5)致死性(Lethality)の検討
1)機能解析にモデル生物を利用するメリット・デメリット
2)S. cereviciae(出芽酵母)/S. pombe(分裂酵母)
3)C. elegans(線虫)
4)D. melanogaster(ショウジョウバエ)
5)Danino rerio(ゼブラフィッシュ)/Oryzias latipes(メダカ)
6)G. gallus(ニワトリ)
7)M. musculus(マウス)
8)H. sapiens(ヒト)
3 生体内の遺伝子を操作する−遺伝子改変動物を活用した機能解析
1)生体内における遺伝子操作による機能解析法の種類
−遺伝子付加,遺伝子欠失,遺伝子置換,ランダム変異導入法,など
2)リバースジェネティクスによる遺伝子改変動物の利用
−モデル動物を活用した疾患遺伝子の解析・検討
4章 ゲノムワイド大量実験情報に基づいて機能を調べる
1 マイクロアレイによる遺伝子発現プロファイルから機能を調べる
坊農秀雅
1)マイクロアレイデータ解析とは
2)遺伝子発現プロファイルから機能を調べる
1)発現プロファイルからプロモーター配列を解析する
寺井悟朗
2)多型を利用した遺伝子同定−ゲノムワイドな遺伝統計学的遺伝子同定の活用
谷口丈晃
3)アノテーションの関連解析−選択的スプライシングを例に
中尾光輝
3 インタラクトームから機能を調べる
鈴木治和
1)プロテオームワイドにタンパク質相互作用を調べる
2)ゲノムワイドにタンパク質-DNA相互作用を調べる
4 プロテオームから機能を調べる−プロテオミクスLIMS
小野塚 昭 Johannes Flekner
1)プロテオミクスLIMSによる解析情報の主な流れ
2)プロテオミクスLIMSの必要性
3)プロテオミクスLIMSのシステム仕様
4)curation作業とマスターゲルの作成
5)発現解析
6)質量分析によるタンパク質同定
7)アノテーション
8)ICAT法によるタンパク質発現の定量分析
5 グライコーム,メタボローム−注目されるゲノムワイドな機能解析
坊農秀雅
1)グライコームとは
2)メタボローム
1 フォワードジェネティクスとリバースジェネティクス
津久井 通 岡崎康司
1)ミュータジェネシスと形質のスクリーニング
2)ミュータジェネシスとジーンドリブンスクリーニング
2 疾患関連遺伝子のマッピング−染色体上にマッピングされた遺伝子を同定する
仲地 豊 岡崎康司
1)形質と遺伝子の結びつけによる機能の同定
2)ポジショナルキャンディデートクローニング
3)モデル生物で得られた情報をもとにヒトの疾患関連遺伝子を探す
3 遺伝学とマイクロアレイの統合による疾患遺伝子の発見
二階堂 愛
1)第一の革命−遺伝学とマイクロアレイの出会い,発現マッピング
2)第二の革命−発現量を量的形質として捉える,発現QTLマッピング
3)第三の革命−多型チップの登場
4)最後に−比較ゲノムの視点から
1)ヒト疾患研究におけるモデル生物利用の有用性
2)比較ゲノム学におけるモデル生物
3)モデル生物を用いたゲノム研究−酵母,線虫,ショウジョウバエ,ゼブラフ ィッシュ
4)モデル生物を利用したヒト疾患研究の例−循環器系,神経系,発生・分化,細胞内シグナル伝達,環境応答シグナル,代謝系
1.はじめに
2.メタボリックシンドロームの疾患概念
3.メタボリックシンドロームの病態
4.メタボリックシンドロームの成因
5.おわりに
基本編
第1章 肥満症におけるアディポネクチン・AdipoRsの病態生理的意義
【山内 敏正,門脇 孝】
1.はじめに
2.肥満症によるインスリン抵抗性惹起メカニズム
3.インスリン感受性調節におけるレプチンの役割
4.インスリン感受性が良好なPPARγヘテロ欠損マウスでアディポネクチンの発現が亢進している
5.アディポネクチン遺伝子は日本人2型糖尿病の主要な疾患感受性遺伝子である
6.アディポネクチンは白色脂肪細胞由来の主要なインスリン感受性ホルモンである
7.肥満症,2型糖尿病ではアディポネクチン不足が存在しインスリン抵抗性が惹起される
8.アディポネクチンは生体内で抗糖尿病因子として作用している
9.アディポネクチンによる脂肪酸燃焼促進メカニズム(1)
10.アディポネクチンによる脂肪酸燃焼促進メカニズム(2)
11.アディポネクチンによる血管壁に対する直接的抗動脈硬化作用
12.アディポネクチン受容体のクローニング
13.アディポネクチン受容体の細胞内情報伝達と機能解析
14.AdipoR1・R2の発現制御とアディポネクチン感受性制御
15.AdipoRのアゴニストの開発
16.おわりに
第2章 糖尿病の病態と分子メカニズム(i)膵島
【相澤 徹,駒津 光久】
1.はじめに
2.インスリン分泌の生理と病態生理
3.DMにおけるβ細胞障害の病態
4.DMにおけるβ細胞障害のメカニズム
5.β細胞障害に関連した遺伝子変異
6.今後の研究の展開―DMの合併症を過去形で語る時代をめざして―
第3章 糖尿病の病態と分子メカニズム(ii)肝・脂肪・骨格筋
【綿田 裕孝,河盛 隆造】
1.血糖調節機構―糖のながれの観点から―
2.肝での糖代謝
3.PGC-1αの発現調節
4.PGC-1αの作用―PEPCK遺伝子プロモーターを例として
5.インスリンによる糖新生酵素遺伝子発現抑制
6.炎症性シグナルとインスリン抵抗性―PGC-1αの関与―
7.脂肪,骨格筋における糖代謝
8.肥満状態における脂肪および骨格筋でのインスリン抵抗性
9.おわりに
第4章 高脂血症の病態と分子メカニズム−リポタンパク増加の原因遺伝子を探る−
【石橋 俊】
1.はじめに
2.リポタンパク代謝
3.原発性高脂血症の原因遺伝子
4.原発性低脂血症の原因遺伝子
5.おわりに
第5章 高血圧の病態と分子メカニズム−高血圧の病態とその腎性発症機構−
【竹内 和久,伊藤 貞嘉】
1.はじめに
2.圧-利尿曲線
3.尿細管-糸球体フィードバック機構と糸球体輸入細動脈自動調節
4.糸球体前血管抵抗調節の分子機構
5.メタボリック症候群と腎・高血圧
6.おわりに
1.はじめに
2.粥状動脈硬化の初期病変
3.リピッドコアの主役
4.マクロファージの泡沫化と病変の成熟
5.酸化LDLの血管内皮細胞,血管平滑筋細胞に対する作用
6.おわりに
第7章 生活習慣病の遺伝素因とSNP解析
【安田 和基】
1.はじめに
2.生活習慣病の遺伝因子
3.SNPとは
4.多因子遺伝病として遺伝素因の例−2型糖尿病を例として
5.現在の注目ポイント―ミレニアムプロジェクト
6.今後の方向
第8章 生活習慣病のモデルマウス
【井上 麻紀,茂木 浩未,美野輪 治,野田 哲生】
1.はじめに
2.ENUによる変異の誘発と変異マウスの生産ならびに表現型の検出方法
3.変異遺伝子の同定方法
4.ENU誘発変異による糖尿病モデルマウスの例
5.脂質代謝異常モデルマウスの例
6.高血圧モデルマウスの例
7.おわりに
トピックス編
1.食欲の分子メカニズム−視床下部AMPキナーゼによる摂食行動調節作用−
【箕越 靖彦,岡本 士毅】
1.AMPキナーゼと生体エネルギーバランス調節
2.摂食行動と視床下部神経回路
3.生体エネルギーセンサーとしての視床下部AMPキナーゼ
4.摂食行動制御因子としての視床下部AMPキナーゼ
5.視床下部AMPキナーゼによる摂食行動調節機構
6.おわりに
2.運動療法の生活習慣病予防分子機序
【江崎 治,三浦 進司】
1.運動時におけるAMPキナーゼ活性化の作用(急性効果)
2.運動トレーニング後の代謝の変化(慢性効果)
3.おわりに
3.脂肪毒性:メカニズムと病態
【益崎 裕章,田中 智洋,冨田 努,中尾 一和】
1.メタボリックシグナル伝達分子としての脂肪酸
2.膵β細胞における脂肪毒性
3.骨格筋における脂肪毒性
4.肝臓における脂肪毒性
5.脂肪細胞機能と脂肪毒性のかかわり
6.おわりに
4.生活習慣病発症におけるアディポサイトカインの役割
【前田 法一,下村 伊一郎】
1.はじめに
2.TNF-α
3.アディポネクチン
4.レジスチン
5.ビスファチン
6.おわりに
5.酸化ストレスおよび小胞体ストレス―糖尿病との関連を中心に―
【金藤 秀明】
1.酸化ストレスと糖尿病
2.小胞体ストレスと糖尿病
3.おわりに
6.肥満によるインスリン抵抗性と脂肪組織の炎症
【田守 義和,神田 一】
1.はじめに
2.アディポサイトカインの概念
3.脂肪組織の炎症―肥満とアディポサイトカインの発現変化を繋ぐメカニズム―
4.今後の展開・治療への応用
1.はじめに
2.蛍光顕微鏡の基礎
3.点像分布関数
4.三次元解析
5.高品質の画像を得るには
6.蛍光プローブ
7.まとめ
基本編
第1章 蛍光顕微鏡によるリアルタイムイメージング
【櫻井孝司,寺川 進】
1.蛍光法
2.落射型蛍光顕微鏡の構成要素と機能
3.共焦点法とその特徴
4.全反射蛍光法(TIRFM:エバネッセンス顕微鏡)
5.リアルタイム画像の取得時の問題点
6.in vivoイメージング
7.おわりに
第2章 1分子イメージングの考え方と実際
【船津高志】
1.はじめに
2.1分子イメージングの基本的な原理と考え方
3.1分子イメージングの応用例
4.今後の研究の展開
第3章 バイオイメージングのための蛍光タンパク質
【唐澤智司,宮脇敦史】
1.はじめに
2.蛍光タンパク質を選ぶ
3.タグとしての蛍光タンパク質
4.FRETのペア
5.おわりに
第4章 FRETを用いた細胞機能の可視化
【青木一洋,中村岳史,松田道行】
1.はじめに
2.FRETの原理
3.蛍光タンパク質を用いたFRET
4.FRETにもとづく分子プローブ
5.FRETイメージングの実際
6.今後の展望
第5章 FCSとFRAPによる細胞内分子の拡散,結合解析
−分子の動きの定量化の基本原理−
【和田郁夫,長屋寿雄,田村 拓】
1.なぜ分子の動く速度を測るのか〜細胞内での拡散とは
2.揺らぎを調べて速度を知る〜FCS
3.FCSによる細胞内分子拡散の測定
4.ブリーチングを利用した測定〜FRAP
5.FRAPのための新たなモデル〜結合解析へ
6.iFRAP,FLIPとは
7.おわりに
第6章 タイムラプスイメージングの基本
【平岡 泰,原口徳子】
1.はじめに
2.蛍光顕微鏡の留意点変
3.細胞の培養における留意点
4.生細胞の蛍光染色における留意点
5.顕微鏡観察における留意点
6.実験例
7.おわりに
第7章 画像処理の原理と効果
【鈴木健史,高田邦昭】
1.はじめに
2.コンピューター画像処理でできること
3.ヒストグラム変換
4.画像演算
5.空間フィルタリング
6.周波数フィルタリング
7.デコンボリューション
8.おわりに
トピックス編
1.FLIM蛍光寿命イメージング−細胞内反応の定量化−
【橋本 守,福島 修一郎,荒木 勉】
1.FLIMの原理
2.FLIMの応用例
3今後の展開
2.多光子CALI法によるタンパク質機能阻害法
【田辺卓爾,高松哲郎】
1.はじめに
2.CALI法
3.多光子CALI
4.MP-CALI法の実際
5.MP-CALI法の注意点
6.おわりに
3.高速AFM−タンパク質分子の動的振舞いの観察−
【安藤敏夫】
1.AFMの基本原理
2.観察例1:ダイニンC
3.観察例2:GroEL-GroES
4.観察例3:アクチン-ミオシンV
5.おわりに
4.非線形光学顕微鏡による三次元観察の原理
【藤田克昌】
1.非線形光学現象を利用した顕微鏡
2.2光子蛍光顕微鏡
3.第2高調波顕微鏡
4.コヒーレントアンチストークスラマン散乱(CARS)顕微鏡
5.おわりに
1.研究の歴史
歴史から学ぶ転写研究
和田忠士,山口雄輝,半田 宏
1)転写研究の勃興期
2)真核生物におけるシスエレメントと転写因子の同定
3)in vitro転写系の確立とその利用
4)クロマチン構造と転写制御の関連の解明
2.低分子化合物を用いた転写研究:ケミカルバイオロジー的アプローチ
1)5-アザシチジン
2)DRB
2.ブレイクスルーとなった実験法から最新技術まで
転写研究を支える周辺技術
山口雄輝,半田 宏
1.ノーザンブロッティング:RNAを定量する
2.マイクロアレイ解析:多遺伝子の発現を一挙に調べる
3.S1マッピングとRNaseマッピング:RNAの量と構造を解析する
4.プライマーエクステンション法:転写開始点を決定する
5.核ランオンアッセイ:mRNAの合成速度を調べる
6.亜硫酸水素塩シークエンシング:DNAのメチル化を解析する
7.核抽出液と全細胞抽出液の調製
8.クロマチンの再構成
9.in vitro転写系:試験管内で転写反応をおこす
10.レポーター遺伝子アッセイ:細胞内の転写量を調べる
11.ゲルシフトアッセイ:転写因子とDNAの相互作用を調べる
12.フットプリンティング:転写因子が結合するDNA領域を解析する
13.クロマチン免疫沈降アッセイ:転写因子やヒストンとゲノムDNAの相互作用を解析する
14. DNA固定化アフィニティクロマトグラフィ:DNA結合性転写因子を同定する
15. SELEX:転写因子が結合するDNA配列を決定する
1.情報処理装置としてのコアプロモーターの機能
2.転写開始反応を制御するタンパク質群
1)基本転写因子:コアプロモーターの情報処理を助けるTFIIDを中心に
2)成分と構造の変化で転写活性を制御するメディエーター
3)TFIIDとよく似た働きをもつSAGA
4)TBPを介して転写を制御するコファクター
第2章
mRNAの合成とプロセシングの機構
相田将俊,山口雄輝,和田忠士,半田 宏
1.mRNA産生機構のキー・プレイヤー:CTD
2.転写伸長段階を制御する因子群
3.転写伸長中におきるmRNAプロセシング
1)5´キャッピング
2)スプライシング
3)3´プロセシングと終結
4.mRNAの核外輸送
5.品質監視機構:mRNAサーベイランス
第3章
クロマチンリモデリング
田頭英樹,中川武弥,沖 昌也,安井 潔,伊藤 敬
1.クロマチン形成に働く因子
2.クロマチンリモデリングはATP依存性タンパク質群により調節される
3.ATP依存性クロマチンリモデリング複合体の単離・同定
1)SWI/SNF複合体
2)ISWI複合体
3)NuRD複合体
4)Swr1複合体
4.クロマチンリモデリングのメカニズム
5.クロマチンリモデリング複合体とヒストン修飾酵素
第4章
ホルモン応答と転写
小川英知,土屋 惠,諸橋憲一郎
1.核内レセプターのドメイン構造と機能
1)リガンド結合ドメイン(Ligand binding domain:LBD)の構造とリガンドの認識機構
2)DNA結合領域(DNA binding domain:DBD)の構造が示す標的配列の認識機構
3)2つの転写活性化領域(transactivation function:AF)とそれぞれの役割
2.コファクターの同定およびクロマチンレベルでの転写制御機構の解明へ
1)転写の活性化機構に関与する介在因子:コアクティベーター
2)転写の抑制機構に関与する介在因子:コリプレッサー
3)ヒストン修飾によるヒストンコードから予想される多段階の転写調節のステップ
3.今後の展開
第5章
免疫・炎症応答と転写―NF-κB,IRFとSTATファミリー
中嶋弘一
1.NF-κB転写因子系の成り立ち
2.NF-κB標準経路の活性化のしくみ
3.NF-κBはどのように転写を活性化するのか
4.IRF系の活性化と役割
5.STATファミリーの活性化と働き方
6.NF-κBやSTAT3の人為的制御法
第6章
環境ストレス応答と転写―HIF-1とHSF
田中廣壽,清水宣明
1.低酸素下で働きが誘導される転写因子:HIF-1
1)HIF-1の構造と機能
2)HIF-1の活性制御と転写調節機構
3)HIF-1研究の展開
2.ヒートショック 応答性を調節する転写因子:HSF
1)HSFの構造と機能
2)HSFによる転写制御機構
3)今後のHSF研究の展開
第7章
細胞増殖の制御と転写(p53, Rb, E2F)
田中信之
1.細胞増殖制御におけるRb/E2F系の役割
2.p53は細胞周期をG1,G2/M期で静止させる
3.p53タンパク質の活性化にはユビキチン化,リン酸化,アセチル化,メチル化が関与する
4.p53,Rbは細胞老化を誘導して癌化を抑制する
5.Rbファミリー分子は細胞増殖および細胞老化の制御の中心である
6.オンコジェニックストレスによってp53は活性化され細胞増殖の制御および癌化の抑制に機能する
7.今後の研究の展開
1.振動の発振原理
2.いろいろな時計遺伝子とモデル動物
1)Per(Period)
2)Cry(Cryptochrome)
3)Clock(Clk)
4)Bmal1
5)CKI(casein kinase I )
3.概日周期を制御するゲノム配列
1)E-box
2)ROR応答配列
3)DBP応答配列(D-box)
第9章
組織特異的な転写調節(神経系での転写調節)
徳永暁憲,岡野栄之
1.中枢神経の発生様式
2.時間的調節:神経幹細胞の増殖,維持およびニューロン分化を制御する転写因子
1)NotchシグナルとbHLH型転写因子による制御
2)Notchシグナルの基本経路
3)ニューロン,グリアへの分化制御
1)脊髄での領域化
2)終脳および大脳皮質での領域化
4.最近の動向と今後の展開
第10章
クロマチンダイナミクスとエピジェネティックな転写制御
藤村雄一 古関明彦
1.クロマチンの基本構造
2.クロマチン構造に大きな影響を与えるヒストンの化学修飾(ヒストンコード)
3.Hox遺伝子をエピジェネティックに転写制御するポリコーム・トライソラクス遺伝子群
4.ポリコーム遺伝子群はヒストンの化学修飾にも関与する
第11章
ゲノムインプリンティング
石野史敏,金児-石野知子
1.インプリンティング領域とインプリンティング遺伝子
2.ゲノムインプリンティングの制御体系
1)体細胞における片親性発現制御
2)生殖細胞におけるゲノムインプリンティング記憶
1.遺伝子量補正機構の様式
2.ショウジョウバエにおける遺伝子量補正機構
1)DCCの形成と局在
2)DCCのX染色体への局在に関わるroX RNA
3)DCCの転写調節機構
1)Xistの機能解析
2)Xistの発現を調節するTsix
3)不活性化の分子機構
1.明らかになりつつある非コードRNA SINEの役割
(半田 宏)
2.原核生物で新たに発見された転写制御メカニズム:リボスイッチ
(半田 宏)
3.転写開始複合体形成後の転写制御:揺らぎはじめたパラダイム
(半田 宏)
4.活用の幅が広がるSELEX
(山口雄輝,半田 宏)
5.微量の核酸を定量する革新的方法:リアルタイムPCR
(山口雄輝,半田 宏)
6.β-アクチンは転写因子?
(古久保哲朗)
7.新しくみつかった転写の切り替えスイッチ−ポリADPリボシル化酵素PARP1
(古久保哲朗)
8.CTDの2次構造
(相田将俊,山口雄輝,和田忠士,半田 宏)
9.魚雷がポリメラーゼを撃沈する?
(相田将俊,山口雄輝,和田忠士,半田 宏)
10.クロマチンにしおりを挟む
(小川英知,土屋 惠,諸橋憲一郎)
11.瞬きをしている間の出来事
(小川英知,土屋 惠,諸橋憲一郎)
12.IKKαの新規役割:IKKαはマクロファージNF-κB活性化を限定し,炎症応答の遷延化を防ぐ
(中嶋弘一)
13.IRF5はNF-κBとともにサイトカイン産生に働く
(中嶋弘一)
14.転写因子によるキナーゼ活性化:STAT3はTAK1依存的にNLK活性化に働き,自らのSer727リン酸化を招く
(中嶋弘一)
15.STAT3転写制御機構研究法
(中嶋弘一)
16.von Hippel-Lindau癌抑制遺伝子の変異とHIF-1−こわれるはずのものがこわれないと…
(田中廣壽,清水宣明)
17.HSFは遺伝性白内障の原因遺伝子である
(田中廣壽,清水宣明)
18.リズミックなヒストンのアセチル化が遺伝子の概日周期的発現を制御する
(藤本義人,岡村 均)
19.哺乳類概日時計は細胞ごとに自律的に振動している
(藤本義人,岡村 均)
20.細胞の運命を司る小さなRNA
(徳永暁憲,岡野栄之)
21.Shh -Gliに規定される遺伝子発現
(徳永暁憲,岡野栄之)
22.可視化されたクロマチンダイナミクス
(藤村雄一,古関明彦)
23.ポリコームタンパク質は,Hox遺伝子の転写に背反的機能をもつ
(藤村雄一,古関明彦)
24.コブラでDNAメチル化状態を調べよう(COBRA法)
(石野史敏,金児-石野知子)
25.コンフリクトそして/またはコンプリメント!?
(石野史敏,金児-石野知子)
26.ASSASSIN〜オスだけを狙う刺客〜
(後藤友二)
27.ESCAPEE〜遺伝子量補正機構から逃れる遺伝子たち〜
(後藤友二)
Ann M. Korner(「o」はウムラウト)
本書の翻訳編集にあたって
瀬野悍二
最も犯しやすい10の間違い
第1章 科学論文の発表とは?
1. なぜ発表するのか?
2. 何を発表すべきか?
3. 誰が発表するのか?
4. どの雑誌に発表すべきか?
4-1 一般的な考え方
4-2 考慮すべき特異的事項
2-1 なぜ文法が重要なのか?
2-2 スペルの一貫性
2-3 能動態 vs. 受動態 v 2-4 曖昧に掛けがちな分詞(動詞+ing)
2-5 “that”と“which” の用法
2-6 名詞を形容詞として用いたときに起こる問題
2-7 “This”の単独使用に注意せよ
2-8 “Due to” の間違った使い方
2-9 複数形 “types”,“kinds”,“classes” の使い方
2-10 “none” は “not one” を意味する単数形
2-11 ハイフン付けの際によく見られる問題
2-11-1 ハイフン付けと略語
2-11-2 数とハイフン
2-12 リストとセミコロン
1. 慎重にタイトルを選ぶ
2. Running title
3. 著者名と関連する脚注のつけ方
4. 論文に関する連絡先となる著者
5. キーワードを列記する
6. 略語リスト
7. フォントと字体の選び方
1. AbstractまたはSummaryの役割と字数
2. 見出しとページ・行の番号付け
3. Abstractの書式:連続文か,指定項ごとの区分構成か
4. Abstractの中の略語
5. “Preis”と呼ばれる単一文からなる研究の大要
6. Abstract中の文献引用
7. Abstractの中身
1. Introductionの長さ
2. Introduction中の引用文献
3. 歴史的背景の適切な導入
4. 研究の背景にある作業仮説を述べる
5. 方法論, 使用機器,材料,分析手段
6. 研究の妥当性と結果の解釈
第6章 Materials and Methods
1. Materials and Methodsの書式
2. 生物材料の取扱いについて述べる
3. 化学物質の正式名と入手先
4. 計測単位の正しい書式
5. 登録商標を明記する
6. Materials and Methodsの構成
7. 理論的前提と計算の詳細
1. 患者紹介と病歴
2. インフォームド・コンセント
3. 病歴の記載書式
1. データの品質
2. Resultsに載せる適切な結果とは?
3. Resultsの構成
4. データのわかりやすい提示
5. Results本文にFigureやTableを提示する場合
6. Resultsに最も多く見られる誤り
7. 著者が合成した新規資材の第三者への供与について
8. 知的財産と特許
1. Discussionの長さと目的
2. Discussionの構成
1. Acknowledgementsの目的とスペル
2. 謝辞の相手
3. 利害の衝突
1. 論文の引用
2. 単行本および単行本中の特定章の引用
3. 英語以外の言語の引用論文の表記
4. “in press”の論文および未発表データの引用
5. Notesの書き方
6. 引用文献数についての留意
第12章 FiguresとFigure legends
1. 図の目的
2. グラフと棒グラフ
3. 単位と軸
4. 対数および半対数目盛りに関する注意
5. 写真に関する注意
6. 図解と図式の情報過多に注意
7. Figureと図解での大文字の使用
8. Figure legendsの内容と長さ
9. 発表済みのFigureやTableの再掲載
1. Tableの上手な使い方
2. Tableのタイトルと脚注
3. できるだけ単純に
第14章 インターネット上で公開する結果:Supplementary Information
第15章 雑誌編集長への1回目の手紙
1. 編集長宛の手紙の目的
2. カバーレターの体裁と挨拶言葉
3. カバーレターの中身
4. 編集長宛カバーレターの見本
5. 添付文書は不要かどうか
1. 論文投稿はハードコピー,電子ファイル,またはインターネット経由で?
2. ハードコピーでの投稿
3. フロッピーディスクまたはCDでの投稿
4. 電子投稿
1. 修正なしでの採択
2. 修正条件付き採択
3. 採択再考条件付き却下
4. 全面的却下
第18章 審査員への返答を添えた編集長宛の2回目の手紙
1. 再度のチャンス
2. 編集長宛の2回目の手紙
( i ) 論評が編集長からのみだった場合
( ii )審査員からの論評に返答する場合
第19章 おめでとうございます! 論文は採択されました
1. 発表前の論文の公開について
1. 審査員が目を通しやすい書き方とは?
2. 内容ごとに対応する見出し番号を付ける
免許皆伝!(Valedictory)
● 参考資料
1.Webサイト一覧/2.参考書一覧/3.本文中の英文和訳
● 索引
|