羊土社 
2005年4
月の書籍

 出版社  羊土社

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バイオ研究マスターシリーズ
シグナル伝達集中マスター

歴史編
研究の歴史

シグナル伝達研究の源流をたどる
野田 亮

1.origin:癌遺伝子以前

1)Cori研究室:シグナル伝達研究の1つの源流

2)cAMPとPKA:second messenger仮説の誕生

3)transducer:サイバネティックスにヒントを得る

4)G-proteins

2.oncogene:シグナル分子のゴールドラッシュ

1)癌ウイルス

2)tyrosineキナーゼ

3)Ras

4)serine/threonineキナーゼ

5)細胞増殖因子

6)転写因子

7)癌遺伝子カスケード

3.after oncogene:さまざまな源流・新たなパラダイム

1)PI代謝回転:新たなsecond messenger

2)癌抑制遺伝子:シグナル伝達の陰陽

3)サイトカイン:免疫学の挑戦

4)細胞死:重大事件(総動員の犯人探し)

4.エピローグ:クロストークからネットワークへ

実験の歴史

シグナル伝達研究の発達に貢献した実験法
山本利義,松崎秀紀,吉川 潮

1.アフィニティークロマトグラフィー

2.タンパク質の一次構造決定法

3.セカンドメッセンジャーの発見

4.タンパク質間の相互作用解析法

5.PCR(polymerase chain reaction)法

6.転写制御測定法

7.生細胞でタンパク質局在の観察法

レビュー編

第1章
チロシンキナーゼと癌

渋谷正史

1.非受容体型チロシンキナーゼ群

2.受容体型チロシンキナーゼ群

3.チロシンキナーゼシグナル伝達系阻害と癌治療

1)Bcr-Ablチロシンキナーゼと慢性骨髄性白血病(CML)

2)脳腫瘍と肺癌におけるEGFRの活性化

3)乳癌とHer2/Neu/ErbB2の活性化

4)VEGF-VEGFR系抑制による腫瘍血管制御

第2章
低分子量GTP結合タンパク質と神経

佐藤孝哉

1.グアニンヌクレオチド交換因子による低分子量GTP結合タンパク質の制御

2.神経栄養因子のシグナル伝達と低分子量GTP結合タンパク質

1)Trkファミリー受容体を介するシグナル伝達経路

2)p75NTRを介するシグナル伝達経路

3.神経突起の伸長,退縮と低分子量GTP結合タンパク質

1)Rhoファミリーの関与

2)ガイダンス因子の下流でのシグナル伝達

4.神経機能の制御と低分子量GTP結合タンパク質

第3章
MAPキナーゼとストレス応答

浦 誠司,仁科博史

1.ストレス応答性MAPキナーゼ

2.ストレス応答性MAPキナーゼシグナル伝達経路の制御機構

1)MAPKK

2)MAPKKK

3)MAPKKKK

4)MAPKシグナル伝達因子の多様性と足場

3.ストレスによる活性化と応答のメカニズム

1)活性化のメカニズム

2)下流の標的因子

3)ストレス応答と神経変性疾患

第4章
生体膜の二次メッセンジャーの担い手ホスファチジルイノシトール(PI)3キナーゼ

福井泰久

1.ホスファチジルイノシトール(PI)

2.PI3K

1)PI3Kの構造

2)PI3Kの活性化様式の多様性

3.PI3Kの下流因子

1)プロテインキナーゼカスケードの活性化

2)低分子量Gタンパク質の調節

3)その他

第5章
aPKC-PARシステムと細胞極性制御

廣瀬智威,大野茂男

1.aPKC-PARシステムによる上皮細胞の極性制御

1)aPKC-PARタンパク質群の局在制御

2)aPKC-PARシステムの上流因子・下流因子の候補

第6章
TNF受容体スーパーファミリーと器官形成

井上純一郎

1.基本から最近の動向まで

1)TNFSF/TNFRSFの構造的特徴

2)TNFRSFのシグナル伝達

3)TRAFからNF-κB活性化

4)TNFRSFおよびそのシグナルの遺伝学的解析

第7章
TGF-βスーパーファミリーとSmadによる細胞増殖分化の制御

齋藤 朗,宮園浩平

1.TGF-βスーパーファミリーのリガンド

2.TGF-βスーパーファミリー受容体

3.TGF-βスーパーファミリーの細胞内シグナル伝達因子Smad

4.細胞内・細胞外におけるTGF-βスーパーファミリーシグナルの抑制機構

5.Smad非依存的なシグナル伝達経路(non-Smad経路)

6.R-SmadとCo-Smadの複合体による転写制御

7.シグナルのクロストーク

8.ユビキチン・プロテアソーム系によるTGF-βスーパーファミリーシグナルの制御

第8章
Wntシグナルと癌

秋山 徹

1.カノニカルWntシグナル伝達経路の概要

2.Wnt受容体FrizzledおよびLRP

3.分泌性Wntインヒビター

4.Fzdから細胞内へのシグナルの伝達

5.β-cateninの安定化

6.β-catenin/TCF複合体による転写活性化

7.ほかのシグナル伝達経路とのクロストーク

1)MAPKカスケードとのクロストーク

2)TGF-βシグナル伝達経路とのクロストーク

8.Wntシグナルの異常と癌

1)癌細胞でのAPCの変異

2)癌細胞でのβ-cateninの安定化

3)APCの細胞質-核移行とβ-cateninの蓄積

4)APC-Siah-1によるβ-cateninの分解

UP TO DATE
最新トピックス

1. リンパ節転移を抑制するカギ
(渋谷正史)

2. VEGFR-1は新しい機構で癌の肺転移を促進する
(渋谷正史)

3. 記憶・学習を司るチロシンキナーゼ
(中澤敬信,山本 雅)

4.抑制性シナプスにおけるグリシン受容体のクラスタリングを制御するRhoファミリーGTP結合タンパク質
(佐藤孝哉)

5.軸索ガイダンスを制御するグアニンヌクレオチド交換因子
(佐藤孝哉)

6.傷を塞ぐMAPキナーゼのバトンタッチ
(浦 誠司,仁科博史)

7.本当は仲が悪かった双子:JNK1とJNK2
(浦 誠司,仁科博史)

8.酵母にも多様なPI3K経路が存在する?
(福井泰久)

9.特定のPI3Kが癌と関連する?
(福井泰久)

10.上皮細胞のスタイルを決める
(廣瀬智威,大野茂男)

11.細胞の運動方向を決定する微小管制御機構
(廣瀬智威,大野茂男)

12. IKK複合体の新たな構成タンパク質が同定される
(井上純一郎)

13.脱ユビキチン化とユビキチン化の二刀流でN-κBの活性化を抑制するA20タンパク質
(井上純一郎)

14. PI3KシグナルとTGFミβシグナルをつなぐAkt
(齋藤 朗,宮園浩平)

15.Sumo化:もう1つのSmadシグナル制御機構
(齋藤 朗,宮園浩平)

16.新たなβ-catenin制御因子
(秋山 徹)

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わかる実験医学シリーズ
癌のシグナル伝達がわかる
癌研究の基礎から分子標的治療まで

概 論

シグナル伝達研究から癌を知る−基礎研究の進歩と治療への展望
山本 雅 仙波 憲太郎

1.乳癌―予後を決めるerbB2

2.大腸癌―新たにわかったAPCの機能

3.胃癌―細菌による発癌

4.肺癌―ゲフィチニブの明と暗

5.TGF-βシグナル―諸刃の剣

6.慢性骨髄性白血病,GIST(消化管間質細胞腫)とチロシンキナーゼ阻害剤

7.RET―変異の違いによる多様な病態

8.ウイルス発癌―ウイルスの巧妙な戦略

9.さらなるシーズの発掘と動物モデルによる解析

おわりに

基本編

第1章 erbBファミリーと癌トランスレーショナルリサーチ
山本 雅

1.受容体型チロシンキナーゼは癌の発症の進展に関与している

2.erbBファミリー

1)erbB1/EGF受容体

2)erbB2

3)erbB3

4)erbB4

3.今後の展望

第2章 大腸癌とAPC,Wntシグナル
秋山 徹

1.APC遺伝子の大腸癌における異常

2.APC遺伝子産物の構造と機能

3.Wntシグナル伝達経路

4.APCによるWntシグナル伝達経路の抑制

5.APCの細胞質―核移行とβ-カテニンの蓄積

6.大腸癌で発現している変異APC断片の機能

7.APC結合タンパク質Asef

8.APCによるAsefを介した細胞接着と細胞運動の制御

9.APCタンパク質と微小管・キネシンファミリー

第3章 胃癌発症におけるピロリ菌CagAタンパク質の役割
大西 なおみ 畠山 昌則

1.ピロリ菌感染が引き起こす細胞障害

2.cag PAIとcagA遺伝子

3.CagAの細胞内生物活性

1)CagAの細胞内侵入とチロシンリン酸化

2)CagAの細胞内標的分子:SHP-2チロシン脱リン酸化酵素

3)CagAのその他の細胞内標的分子

4)CagAと胃MALTリンパ腫

4.CagAの分子多型

5.今後の展開

第4章 消化器癌とTGF-βシグナル
三嶋 弘一 渡部 徹郎 宮園 浩平

1.TGF-βのシグナル伝達機構

2.TGF-β不応性と癌とのかかわり

1)大腸癌とTGF-βII型受容体

2)膵臓癌とSmad4

3)胃癌とRunx3

3.TGF-βシグナルによる癌化の促進

1)スキルス胃癌とTGF-β

2)肝臓癌

4.今後の展望

1)上皮間葉転換(epithelial-mesenchymal transition:EMT)

2)TGF-βシグナルの抑制による癌転移の抑制

第5章 白血病/リンパ腫の染色体転座
丸 義朗

1.染色体の基本と転座

2.二本鎖DNAの切断とDNA修復

3.転座で生じる分子生物学的事象の基本

1)遺伝子(タンパク質)発現量の調節障害:14q32転座型腫瘍の例

2)物理的融合遺伝子(タンパク質)の形成と発現:BCR-ABLの例

3)複合転座:masked Ph1〔t(9;12;22)(q34;q21;q11)〕の例

4.血液腫瘍とよく知られた転座

第6章 GDNF/RETシグナル伝達系と腫瘍発生−甲状腺腫瘍を中心に
時々輪 真由美 高橋 雅英

1.RETタンパク質の構造と活性化機序

2.RETの生理的機能

3.MEN 2型におけるRET遺伝子変異と病態発現機構

1)MEN2A型変異によるRETの活性化機序

2)MEN2B型変異によるRETの活性化機序

3)FMTCにおけるRET遺伝子変異

4)MEN 2AとHSCRの合併家系におけるRETの活性化機序

4.甲状腺乳頭癌におけるRET遺伝子変異

5.GDNF/RETシグナル伝達系

6.変異RETに起因する甲状腺癌に対する治療戦略―チロシンキナーゼ阻害剤による抗腫瘍療法

7.今後の研究の展開

第7章 Hedgehogシグナル経路の腫瘍発生おける役割−基底癌を例に
柳沼 克幸 野田 哲生

1.母斑様基底細胞腫症候群

2.基底細胞癌

3.Hedgehogシグナル経路

4.腫瘍発生モデルマウス

1)Patched1ノックアウトマウス

2)Shh,Smo,Gli1の過剰発現

3)シグナル経路阻害剤の効果

5.今後の展開

第8章 成人T細胞性白血病とHTLV-1
渡邉 俊樹

1.HTLV-1転写制御因子Taxの機能

1)Taxによる転写の制御

2)Taxによるシグナル伝達の制御

3)Taxと細胞周期

4)Taxとアポトーシス

2.Taxの腫瘍化における役割

1)ATL細胞におけるHTLV-1プロウイルスの状態=「ウイルスは死んでいる」

2)腫瘍化における初期過程以後のTaxの関与=「Taxの腫瘍化活性」

まとめ 

第9章 EBウイルスの遺伝子産物による癌化のシグナル伝達
高田 賢蔵

1.EBVの潜伏感染維持と潜伏感染膜タンパク質LMP2A

2.EBVによるBリンパ球不死化とEBV遺伝子産物

1)EBNA1

2)EBNA2

3)EBNA3A,EBNA3B,EBNA3C

4)EBNA-LP

5)LMP1

3.EBV関連癌とEBV発現

4.EBVがコードする小RNA分子と発癌

トピックス編

1.p53研究の最新動向
田矢 洋一

1.p53の基本的性質

2.ミトコンドリアで直接アポトーシスを誘導するp53

3.72番目アミノ酸のポリモルフィズムはp73/p63への結合・不活化を左右する

4.72番目アミノ酸のポリモルフィズムと子宮頚癌

5.p53のリン酸化の生理的意義

2.非小細胞肺癌の分子標的治療研究 −EGFR遺伝子異常とGefitinib感受性
藤井 義敬

1.Gefitinib(イレッサィ)の働き

2.Gefitinibの副作用

3.肺非小細胞癌におけるEGFR遺伝子変異の同定

4.変異EGFRの機能とGefitinibに対する感受性

5.将来の研究の方向性

6.Gefitinib投与に際しての患者の選択

おわりに

3.消化管間質細胞腫とチロシンキナーゼ阻害剤
北村 幸彦 廣田 誠一

1.GIST(gastrointestinal stromal tumor, 消化管間質細胞腫)

2.KIT遺伝子とW/Wvマウス

3.マスト細胞腫瘍とKIT遺伝子の機能獲得性突然変異

4.消化管間質細胞腫とKIT

5.家族性GIST

6.PDGFRαの機能獲得性突然変異

7.メチル酸イマチニブ

8.今後の展望

4.CGHアレイ法による染色体解析 −癌化に関与する遺伝子異常を探す
井上 純 井本 逸勢 稲澤 譲治

1.CGH法とCGHアレイ法

2.CGHアレイ法による微細な遺伝子異常の探索

3.CGHアレイ法による不均衡染色体転座切断点の検出

4.CGHアレイ法による染色体コピー数の多型(LCV)の検出

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水は実験結果を左右する!
超純水超入門
データでなっとく,水の基本と使用のルール

第 I 部:知っておきたい水の基礎

1 水の性質

1)水分子の構造

2)水溶液としての水

3)水道水中の不純物

2 実験用水の基礎

1)実験用水として必要な水の純度

2)実験用水の水質を表す単位

3)純水と超純水

3 純水・超純水精製の基礎

1)純水・超純水精製に用いられる要素技術

2)純水の精製方法と水質

3)超純水の精製方法と水質

第 II 部:水は実験結果を左右する

1 実験用途に応じた超純水の精製方法

1)実験の目的により除去すべき不純物は異なる

2)紫外線ランプによる有機物の分解

3)限外ろ過膜による生理活性物質の除去

2 各種実験における水質の影響

1)有機物分析(HPLC,LC/MS)における水質の重要性

2)イオンクロマトグラフィーにおける水質の重要性

3)VOC・環境ホルモン分析における水質の重要性

4)微量金属分析(ICP-MS)における水質の重要性

5)細胞培養における水質の重要性

6)RNAを扱う実験における水質の重要性

第 III 部:超純水を使用するために守るべき10のルール

第 IV 部:超純水システムの管理のポイント

長期間安定した水質を得るための超純水システムの管理

1)純水装置はこまめなメンテナンスが大切

2)純水タンクは水質管理の死角

3)超純水装置は鮮度が命

4)超純水システムを長期間停止させるときの対処法

5)バリデーションとキャリブレーション

付 録

●超純水で困ったときのための Q & A

●用語集

●元素周期表


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