羊土社 
2005年2
月の書籍

 出版社  羊土社

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バイオ研究に役立つ 一歩進んだ 遺伝学
変異体の解析法から遺伝子マッピングまでモデル生物を例に原理からわかる

Chapter1 変異

1. 変異の種類

1)Mullerの5分類
●欠失形態/●微弱形態/●過剰形態/●相反形態/●新生形態
2)変異体に関する現代用語
3)DNAレベルの用語

2. 優性と劣性

1)細胞レベルでの優性と劣性
●細胞レベルでの優性の意味/●細胞レベルでの劣性の意味
2)伴性変異体(sex-linked mutant)に対しては「優性」ならびに「劣性」という用語使用は困難である

3. 優性および劣性変異体の遺伝学的有用性

まとめ

Chapter1付録 モデル生物の一覧
1)研究上好まれる生物: キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)
  ■基本的な飼育方法/■便利なマニュアルやガイド/■ 命名法/■染色体生物学/■遺伝学的特性

2)2番目に重要な生物:酵母菌(Saccharomyces cerevisiae)
  ■基本的な培養方法/■便利なマニュアルやガイド/■命名法/■染色体

3)3番目に重要な生物:線虫(Caenorhabditis elegans)
  ■基本的な飼育方法/■便利なマニュアルやガイド/■命名法/■染色体

4)新たに重要となった生物:ゼブラフィッシュ(zebrafish)
  ■基本的な飼育方法/■便利なマニュアルやガイド/■命名法/■染色体生物学

5)ラムダファージ
  ■命名法/■便利なマニュアルやガイド

6)T4ファージ

7)シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)
  ■便利なマニュアルやガイド/■命名法

8)マウス(Mus musculus)

Chapter2  変異体の獲得

1. なぜ新規変異体を探すのか?

1)理由1:特異的な生物学的プロセスに要求される遺伝子を同定するため

2)理由2:対象となっている特定の遺伝子の変異を数多く分離するため

3)理由3:構造-機能の分析用ツールとして変異を得るため

4)理由4:これまでに分子的手法によってのみ同定されてきた遺伝子の変異を分離するため

2. 変異導入と変異のメカニズム

1)方法1:放射線(通常,X線やガンマ線)

2)方法2:化学的突然変異誘発剤

3)方法3:トランスポゾンによる変異誘導

4)方法4:標的遺伝子破壊(トランスポゾンによる変異誘発の応用)

3. どのような表現型をスクリーニング(あるいは選択)すべきか?

4. さあ実験を始めよう

1)出発材料

2)試験的スクリーニング

3)多すぎず,少なすぎず

4)どのくらいの数の変異体があればよいのか?

まとめ

Chapter3 相補性試験

1. 相補性試験の本質

2. 相補性試験を用いる際の決まり

3. 相補性試験から誤った結果を得てしまうのは,どのような場合か?

4. 新規部位非相補性(非対立遺伝子的非相補性)

1)1型SSNC(有害な相互作用):相互作用が,両方の遺伝子座において対立遺伝子特異的である場合
●酵母菌におけるα-およびβ-チューブリンにみられる1型SSNCの例/●酵母菌におけるアクチン遺伝子に含まれる1型SSNCの例

2)2型SSNC(隔離):相互作用が,単一遺伝子座で対立遺伝子特異的である場合
●ショウジョウバエにおけるチューブリン遺伝子を含む2型SSNCの例/●ショウジョウバエにおいてチューブリン遺伝子が関与しない2型SSNCの例/●線虫における2型SSNCの例

3)3型SSNC(複合型1倍体不全):相互作用が,両方の遺伝子座において対立遺伝子非依存性である例
●ショウジョウバエにおいて2つの運動遺伝子が関与している3型SSNCの例

4)SSNCのまとめ

5. 新規部位非相補性の拡張:優性促進変異体

1)優性促進変異体のスクリーニングが成功した例

まとめ

Chapter4 抑圧

1. 遺伝子抑圧の基本的定義

2. 遺伝子内抑圧(偽復帰)

1)遺伝子内復帰変異体は翻訳の過程を抑圧する

2)補償的変異による遺伝子内抑圧

3. 遺伝子外抑圧

4. 転写による抑圧

1)遺伝子発現レベルによる抑圧

2)mRNAのプロセシングを変化させることによって生ずるトランスポゾン挿入変異体の抑圧

3)線虫における転写産物の安定化によるナンセンス変異の抑圧

5. 翻訳による抑圧

1)単純性: 大腸菌のtRNA抑圧変異

2)tRNAの数と機能の重複性によって,抑圧変異体が生存可能となる

3)tRNA遺伝子の変異によるフレームシフト変異の抑圧

4)変異のないtRNAによるナンセンスコドンの抑圧

6. 翻訳後修飾による抑圧

7. タンパク質-タンパク質相互作用の結果生じる遺伝子外抑圧

1)真核細胞のタンパク質-タンパク質相互作用による抑圧変異の検索
●アクチンとフィンブリン/●酵母菌のRNAポリメラーゼIIとメディエータータンパク質

2)「鍵と鍵穴」タイプの立体構造抑圧の結果として生ずる遺伝子外抑圧

8. 物理的相互作用のない抑圧

1)バイパス抑圧

2)相反する活性のバランスで生じる「押したり引っ張ったり」のバイパススクリーニング

3)多数コピーの遺伝子による抑圧は,バイパス抑圧である

9. 優性変異の抑圧

10. 独自の抑圧変異スクリーニングを設計する

まとめと注意

Chapter5 遺伝子機能発現の時期と位置の決定

1. エピスタシス:複数の経路内での遺伝子機能の序列

1)生合成経路における遺伝子機能の順序を決める

2)生合成経路以外でのエピスタシスの適用:2つの遺伝子が同一経路で作用しているのか,異なる経路で作用しているのかを判定する

3)エピスタシス解析の真価は制御的階層構造の分析にある
●表現型に相反する影響を与える変異体を用いたエピスタシス解析/●最終表現型に同一または同様の結果を及ぼす変異体を用いたエピスタシス解析

4)エピスタシス解析はどのように解釈を狂わせるのか

2. モザイク解析:どこで遺伝子は作用するのか?

1)組織移植の研究

2)不安定な環状X染色体の欠失

3)有糸分裂組換え

4)遺伝子学的に制御可能な有糸分裂組換え:FLP-FRTシステム

まとめ

Chapter6 遺伝子の微細構造分析

1. 遺伝子内マッピング(かつて)

1)遺伝子内構造の解明へと向けた初期の努力

2)遺伝子の組換えと変異の単位は塩基対である

2. 遺伝子内マッピング(現在)

3. 遺伝子内相補性と遺伝子内組換えの出会い:微細構造解析の基礎

1) 遺伝子内相補性の正しい解析

4. 多機能タンパク質をコードする真核細胞遺伝子の微細構造分析の例

1) 酵母菌HIS4遺伝子の遺伝学的および機能的な解析

5. 真核生物の複雑な制御エレメントをもった遺伝子の微細構造分析

1) ショウジョウバエcut遺伝子の遺伝的および機能的解析

6. 対合に依存的な遺伝子内相補性

1)ショウジョウバエyellow遺伝子の遺伝学的および機能的解析

2)ショウジョウバエのzeste遺伝子がwhite遺伝子座の対合依存的相補に与える影響

3)ショウジョウバエBX-Cの遺伝学的および機能的解析

まとめ

Chapter7 減数分裂期における染色体レベルの組換え

1. 減数分裂の序論

1) 減数分裂の細胞学的概要

2)もう少し詳しい減数分裂前期の概要

2. 交叉とキアズマ:組換えは遺伝物質の物理的組換えを伴い,相同染色体の分離を保証する

3. 組換えの古典的解析

4. 組換え頻度の測定

1)組換え頻度とキアズマ頻度との興味深い関係(そして,なぜそれが重要なのか)

2)マップ距離と組換え頻度
●マップ関数

3)0回,1回,2回,またはそれ以上の組換えを行った二価染色体の割合を決定する手法(四分子解析)
●アカパンカビ線状子嚢の四分子解析/●酵母菌の不順列四分子解析/●半四分子解析/●Weinsteinの代数学的四分子解析

4)組換え頻度の統計的な推定(LOD値)
●2点連鎖解析/●連鎖を示すための統計学的に有意な根拠は何にもとづけばよいのか?/●多点LOD解析/●ハプロタイプ解析による局所的なマッピング/●解析の終わり

5)組換え現象の正確な分布

6)マッピングの実際

5. 組換えのメカニズム

1)遺伝子変換

2)一昔前のモデル

3)現在受け入れられている組換えのメカニズム:DSBRモデル

まとめ

Chapter8 減数分裂時の染色体分離

1. 不分離のタイプとその結末

2. 自然発生的不分離が生じる原因

3. セントロメア

1)出芽酵母のセントロメアの分離と解析

2)ショウジョウバエのセントロメアの分離と解析

4. 分離機構

1)いかにしてキアズマが分離を確保するか

2)無キアズマ分離
●ショウジョウバエのオスにおける無キアズマ分離/●ショウジョウバエのメスにおける無キアズマ相同染色体分離/●出芽酵母における無キアズマ分離/●分裂酵母における無キアズマ分離

まとめ

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キーワードで理解する
細胞周期イラストマップ

第1章 細胞周期エンジンとその制御因子

1)細胞周期の基本概念
◆中山敬一

2)G1期のサイクリンとその発現機構
◆鉄  治

3)M期のサイクリンとその発現調節機構
◆古野伸明

4)サイクリン依存性キナーゼとその活性調節機構
◆小林英紀

5)CDKインヒビター
◆中山啓子

第2章 S期におけるDNA複製機構とその制御

1)複製起点と複製開始複合体
◆正井久雄

2)複製フォーク複合体
◆釣本敏樹

3)DNA複製のライセンス化制御
◆西谷秀男

第3章 M期における染色体分配機構とその制御

1)姉妹染色分体の分離機構
◆林 武志,柳田充弘

2)M期を調節するキナーゼ群
◆原 敏浩,佐谷秀行

3)セントロメアとスピンドル形成
◆高橋考太

4)細胞質分裂のメカニズム
◆三嶋将紀

第4章 減数分裂のメカニズム

1)卵減数分裂周期の制御機構
◆井上大悟,佐方功幸

2)減数分裂における染色体分配のメカニズム
◆北島智也,渡辺嘉典

第5章 チェックポイント制御の分子機構

1)DNA複製およびダメージチェックポイント
◆仲 一仁,本山 昇

2)スピンドルチェックポイントによる染色体分配制御
◆松本智裕

第6章 生命現象と細胞周期

1)発生と細胞周期
◆竹内 隆

2)分化と細胞周期
◆三宅 智

3)老化と細胞周期
◆時野隆至

4)再生と細胞周期
◆安達三美,北嶋繁孝

第7章 細胞周期異常と疾患

1)2大癌抑制経路-RB経路とp53経路
◆北川雅敏

2)タンパク質分解と癌
◆畠山鎮次,中島亜矢子

3)DNA損傷に対応する修復シグナルの概要
◆田内 広

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無敵のバイオテクニカルシリーズ
イラストでみる 超基本バイオ実験ノート
ぜひ覚えておきたい分子生物学実験の準備と基本操作

1章 実験をはじめる前に

1.実験を行う際の服装

2.実験台(ベンチ)の環境づくり

3.ベンチに備えておくもの

4.パソコンのセットアップ

2章 実験室のルーチン

1.実験室で使用する水

2.器具を洗浄する

3.器具を乾かす

4.器具を収納する

3章 保守と点検

1.冷却機器

2.液体窒素

3.ドライアイス

4.恒温水槽

5.オートクレーブ

6.乾燥箱「デシケーター」

7.廃棄物の処理

8.クーラー/エアコン

9.掃除

10.停電に対する備え

11.電気器具の簡単な修理

4章 機械の取り扱い

1.天秤

2.pHメーター

3.分光光度計

4.遠心分離機

5.超遠心機

6.電気泳動用電源

7.紫外線照射装置

8.真空発生装置

9.超音波発振機

10.ガスバーナー

11.ドラフトチャンバー

5章 一般的な実験手技

1.汎用器具の取り扱い

2.計量器

3.ピペットマン

4.基本操作

5.冷やす

6.熱をかける

7.水分調節

8.手袋

9.器具の位置どり

10.ホースの扱い

11.ガラス細工

12.試料の管理・移動

6章 滅菌操作

1.滅菌

2.フィルター滅菌

3.乾熱滅菌

4.火炎滅菌

5.オートクレーブ

6.消毒/殺菌

7.クリーンベンチ

7章 溶液をつくる

1.濃度について

2.溶液作製の基本操作

3.溶液の調製

4.バッファー

5.管理と廃棄

8章 分子生物学実験の基礎

1.DNA実験

2.オリゴヌクレオチド

3.RNA実験の指針

4.タンパク質実験

5.酵素反応を確実に進めるコツ

6.コンピュータの活用

9章 大腸菌実験

1.大腸菌

2.培地の作製と保存

3.培地と一緒にオートクレーブしないもの

4.植菌器具

5.培養の実際

6.液体培養からの集菌

7.菌株の保存

10章 ラジオアイソトープ実験

1.ラジオアイソトープ(放射性同位元素)と放射能

2.RI実験の基礎

3.RI実験における手続きと決まりごと

4.被ばく

5.RI実験の実際

6.RIの測定と検出

7.実験終了後の作業

11章 実験を安全に行うために

1.注意を要する化学物質

2.取り扱いに注意すべき天然物由来化合物

3.研究設備と操作に関する注意

4.廃棄物処理

5.安全対策

6.バイオハザード対応

7.応急措置

《付録》 バイオ実験に役立つ必須情報

1.物理化学データ

2.試薬と溶液

3.反応

4.タンパク質と核酸

5.実験操作に関するデータ

6.電気泳動

7.大腸菌実験

8.その他

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サイトカイン・増殖因子 用語ライブラリー

1章 インターロイキンとインターフェロン

1. 概論 サイトカイン(インターロイキン)【田中伸幸】

2. IL-1

3. IL-2

4. IL-3

5. IL-4

6. IL-5

7. IL-6

8. IL-7

9. IL-9

10. IL-10

11. IL-11

12. IL-12

13. IL-13

14. IL-15

15. IL-16

16. IL-17

17. IL-18

18. IL-10 related cytokines (IL-19,20,22,24,26)

19. IL-21

20. IL-12 related cytokines(IL-23,27,30)

21. IL-25

22. IFNλ family cytokine(IL-28,29)

23. IFN-α/β

24. IFN-γ

25. γc/IL-2Rγc

26. gp130

27. βc

第2章 造血因子

1. 概論 造血因子の作用
【吉村昭彦】

2. G-CSFとその受容体

3. SCF

4. GM-CSF

5. EPOとその受容体

6. M-CSF

7. Flt-3,FL

8. TPOとその受容体(c-mpl)

第3章 TNFスーパーファミリー

1. 概論 TNFスーパーファミリー
【石井直人】

2. 4-1BBL,4-1BB

3. APRIL

4. BAFF/BLyS

5. CD27L

6. CD30L

7. CD40L

8. DR6

9. Fas,FasL

10. GITRL

11. LIGHT

12. OX40L,OX40

13. RANKL/TRANCE/ODF/OPGL

14. TNFα

15. LTα/β

16. APO2L/TRAIL

17. TWEAK

第4章 ケモカインファイミリー

1. 概論 ケモカインファミリー
【義江 修 】

2. CXCL1,2,3,5,6,7,8,CXCR1,2

3. CXCL4,9,10,11,CXCR3

4. CXCL12,CXCR4

5. CXCL13,CXCR5

6. CXCL14

7. CXCL16,CXCR6

8. CCL1,CCR8

9. CCL2,7,8,13,CCR2

10. CCL3,3L1,4,5,18,CCR1,5

11. CCL11,24,26,CCR3

12. CCL14,15,16,23

13. CCL19,21,CCR7

14. CCL17,22,CCR4

15. CCL20,CCR6

16. CCL25,CCR9

17. CCL27,28,CCR10

18. XCL1,2,XCR1

19. CX3CL1,CX3CR1

第5章 細胞増殖因子

1. 概論 細胞増殖因子
【宮澤恵二】

2. EGF

3. TGF-α

4. HB-EGF

5. AR,SDGF,BTC,エピレグリン,エピジェン

6. NRG1

7. NRG2,3,4,5,6

8. EGF受容体

9. HER2

10. PDGF-A,B

11. PDGF-C,D

12. PDGF受容体

13. FGF-1,2

14. FGF-3〜23

15. FGF受容体

16. IGF,insulin

17. IGFBP

18. IGF受容体

19. HGF

20. HGF受容体

21. VEGF-A

22. PlGFとVEGF-B,およびVEGF-E

23. VEGF-C,D

24. VEGF受容体

25. neurotrophin

26. TrkA〜C

27. GDNFファミリー

28. GDNFファミリー受容体RET

29. EFN

30. Eph(EPH)

31. angiopoietin

32. Tie1,Tie2/Tek

33. Gas6

34. Gas6受容体

第6章 TGF-βスーパーファミリー

1. 概論 TGF-βスーパーファミリー
【宮園浩平】

2. TGF-β

3. 潜在型TGF-β

4. TGF-β 受容体

5. ベータグリカン,エンドグリン

6. ALK-1

7. activinとinhibin

8. アクチビン受容体

9. follistatin

10. BMP-2,4,6,7

11. GDF

12. BMPアンタゴニスト

13. BMP受容体

14. MISとMIS受容体

15. myostatin

16. Smad

第7章 発生にかかわる因子

1. 概論 発生にかかわる因子
【秋山 徹】

2. Wnt

3. APC-Axin

4. β-catenin

5. shh

6. ptc

7. Notch

8. Sema

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