羊土社 
2004年5
月の書籍

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大学の研究成果を実用化するための技術移転ガイドブック
共同研究や特許のルールから起業のノウハウまで研究者として知っておくべき新常識

【 第1章 】技術移転の基礎知識

1. そもそも「技術移転」とは何ですか?
「技術移転」は,産業化をめざす/技術移転の新たな流れ/特許と支援機間

2. 「バイ・ドール法」について教えてください
アメリカの特許改正法/バイ・ドール法/日本版「バイ・ドール法」

3. なぜ大学の技術を移転しなければならないのですか?
明らかな使命/「知的財産」の確立/透明性を確保するために

4. 私の研究は技術移転の対象になるのでしょうか?
すべての研究が対象ではない/宝は眠っている?/宝探しは真剣勝負

5. 「知的財産」は誰のものですか?
立場によって異なる原則/「知」と「知的財産」の相違/それでは権利はいったい誰のもの?

6. 特許をとらなければ技術移転はできないのですか?
特許は強力な武器/ソフトを保護する著作権/慎重さが必要なその他の知的財産

7. なぜベンチャー起業が奨められているのですか?
自由度の高い尖兵/シーズを埋もれさせないために

8. 技術移転に危険性はないのですか?
リスクは存在する/研究への悪影響は?/大学の抱えるリスク/社会的リスクは?

9. 技術移転のモデルとされるスタンフォード大学の例を教えてください
技術移転の総本山/ベンチャー創出の古典/全世界のTLOモデル/新しい技術移転のモデル

10. 諸外国では,TLOはどのように機能していますか?
合衆国/西ヨーロッパに広がるTLOの活動

11. どんな分野で技術移転が盛んに行われますか?
バイオかITか/バイオが弱い日本/成功率は6分の1?

12. 技術移転によって何が得られるのでしょう?
研究者の3つの利益/大学の利益/社会の利益

【 第2章 】産学連携で迷わないために

1. 企業から研究費を受ける方法にはどんなものがありますか?
相互利益のために/共同研究と受託研究/かえって難しい奨学寄付金/開かれた大学にするために

2. 企業との共同研究では,成果に対する権利はどうなりますか?
契約によって決めるのが基本/権利は契約によって決まる/他大学との共同研究の知財帰属

3. 共同研究が論文発表の妨げになることはないのでしょうか?
原則と契約/契約の基本的な考え方/難しいノウハウやマテリアル

4. 企業との契約が研究の足かせになりませんか?
メリットとデメリット/実施権の問題/報告義務やペーパーワーク

5. TLOとは何ですか?
ライセンスのブローカー?/TLOのインキュベート機能/なぜTLOが必要とされるのか/民間TLOと大学TLO/他大学のTLOは使えない場合が多い

6. 知的財産本部とTLOはどう違うのですか?
同じものとしての側面/微妙に性格の違う兄弟/大学も個性の時代/有機的な組織の連携

7. 特許やライセンシングの費用負担はどのようになりますか?
機関帰属の場合は大学やTLOが負担/もとのとれない特許は不要

8. 発明の開示は必ず行わねばならないのですか?
強調される「原則開示」/開示は技術移転のため/大学の抱えるリスク/社会的リスクは?

9. 成果のライセンシングはどのように進むのですか?
共同研究では契約通りに/シーズ型のライセンシング/プレゼンターとしての研究者

10. 大学での身分は,技術移転にどのように関係してきますか?
契約によって決まる知財の帰属/訴訟にならないために/大学は学生を拘束しない/学生にも開かれた門戸/権利を失わない用心

11. 企業との共同研究が倫理的な問題になることはありませんか?
求められる公明正大さ/「企業の方に食事に招待されたのですが…」/注意すべきは知財の扱い/説明責任を自覚すること

12. 利益相反と兼業規定について教えてください
利益相反とは?/兼業規定

13. 企業の方から株式をもってくれといわれたのですが?
本来は個人の自由/利害関係/インサイダー取引?

【 第3章 】ベンチャー起業をするために

1. ベンチャー起業をするためには何が必要ですか?
最も大切なのは,人/次にビジネスプラン/必要なものをどこから入手するか

2. ビジネスプランはどのように描けばよいのですか?
ビジネスプランは研究計画ではない/研究の成功は大前提/起業のためのブレーンストーミング

3. 会社をつくるには何が必要ですか?
株式会社か,有限会社か/手続きは法務局で/名義だけの役員は避けよう/登記後にするべきこと

4. ベンチャー企業と一般企業の違いは何ですか?
外見上の違い/ベンチャー企業の利益の回収/投資家からみた違い

5. ベンチャー起業の成功率はどれぐらいですか?
あいまいな成功の基準/成功率は3割以下/リスクを意識する

6. 失敗するベンチャーに特徴はあるでしょうか?
失敗の法則/資金切れの失敗/マネージメントの失敗/ビジネスプラン,人材,シーズ

7. ベンチャー事業に失敗したらどうなりますか?
有限でも責任は責任/返済の必要はあるのか?/借金と失望と/失敗は恐れるのではなく,備えることで

8. 私はどこまで事業にかかわればいいのでしょうか?
やるからには命をかけて?/研究は分けきれない/分業を考える/できる範囲を明確に

9. 経営者としての仕事にはどんなものがありますか?
会議は仕事?/情報の共有と検討/意外と大きな「会社の顔」/決算書を読むことも

10. どこまで自分たちの力でやらねばならないのですか?
既存の企業とのコラボレーションを視野に入れる/資本の援助/契約が鍵

11. 資本金はどのように集めればよいのですか?
ただ集めればよいものではない/一気に集めればよいものではない/資本政策の策定が重要

12. ベンチャーキャピタルとは何でしょう?
リスクを恐れない投資機関/出資者としてのベンチャーキャピタル/ベンチャーキャピタルの戦略

13. キャピタルゲインとは何ですか?
株価の変動差益/経営者や従業員のキャピタルゲイン/キャピタルゲイン課税

14. ストックオプションとは何ですか?
将来の成長を見越した報酬/乱発は禁物/ストックオプション税制

15. 企業の成長ステージについて教えてください
成長が不可欠のベンチャービジネス/組織としての成長/資本構成の変化

16. 成功したベンチャー企業はあるのですか?
もとをたどればベンチャー企業/M&A戦略/身売りという現実も

【 第4章 】特許とライセンシング

1. 特許出願はどのように行えばいいのですか?
出願そのものは簡単/審査請求から実体審査/異議申し立ての可能性

2. 出願書類はどのように調えればよいのですか?
願書と明細書/書式は慣れればOK/特許取得後に

3. 特許,実用新案,著作権やノウハウはどう違うのですか?
国によって異なる特許や実用新案/「方法」と「物質」は対象外/内容には及ばない著作権/知的財産はセットで考える

4. 専用実施権とは何ですか?
発明を実施する権利/通常実施権と専用実施権/ 独占的通常実施権という選択/どのような権利を設定するか

5. 特許をとれば利益が得られるのですか?
発明は売ることができる?/知財の債券化/やはり特許は基本的な知財

6. 論文発表後や学会発表後に特許は出願できるのでしょうか?
先願権を確保するために/特許法30条の適用/特許法30条の問題点

7. 国際出願について教えてください
外国出願とパリ条約/国際出願/オンライン出願

8. ライセンス料の相場はどのくらいですか?
目安は3%? 30%?/寄与率で最終的な率は変化する/実用化を助けるロイヤルティ契約を

9. ライセンス料やライセンス契約の期間は,どのように決まるのでしょう?
客観的には決まらない/不実施防止のための契約/ライセンス期間は技術の性格による

10. 周辺特許や特許戦略について教えてください
周辺特許/企業の立てる特許戦略/研究者の特許戦略

11. 特許戦略はどのようにして立てるのですか?
ポートフォリオと特許マップ/特許引用ツリー

12. 特許を巡って裁判に巻き込まれることはありませんか?
可能性のあるトラブル/「相当の対価」を巡る裁判/国際的な特許紛争?

【 第5章 】支援制度の利用法

1. 資金面での支援制度にはどんなものがありますか?
さまざまな分野で得られる支援事業/補助金と委託事業/ベンチャー創業で重要な融資や債務保証

2. 補助金のほかにどんな支援が利用できますか?
産学連携支援/ベンチャー支援/コンテストや賞金/民間主導の直接金融

3. 補助金はどのように利用すればいいのですか?
ペーパーワークというハードル/第一関門は申請/委託費や補助金の管理/報告書で終わりではない

4. インキュベータについて教えてください
ベンチャー孵卵器/オフィス賃貸業ではない/大学発ベンチャーを支援するために

5. 資本金なしで会社がつくれるのですか?
「1円株式会社」という特例/1円で会社ができるわけではない/合名会社と合資会社

6. 技術移転を支援する法律にはどのようなものがあるのですか?
基本となるいくつかの法律/実務を規定する膨大な法令/公的事業は法律を根拠とする?

【 第6章 】実例に学ぶ技術移転

●実例その1 逆境をアドバンテージに変えて

●実例その2 息の長い商品開発

●実例その3 市場をにらんだ出願

●実例その4 公的資金を公正に使うために

【 付 録 】技術移転をサポートする相談先

知財や起業に関する相談先
1. TLO 2. 経済産業局特許室や知的所有権センターなど 3.インキュベータ 4.公的試験研究機関

参考Web Site

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東京大学 バイオインフォマティクス集中講義


高木利久

[基礎編]〜バイオインフォマティクスを学ぶ前に知っておこう

講義1◆生物情報科学とは何か〜バイオインフォマティクスのなりたちとこれから
高木利久
 *生物情報科学のはじまり
 *ゲノムインフォマティクスからバイオインフォマティクスへ
 *生物情報科学に必要なコンピュータ技術
 *生命科学としての生物情報科学
 *生命のシステム的理解に向けて
 *これからこの分野をめざす人へ

講義2◆生命科学からみた生物情報科学
西郷 薫
 *発生分化の基本分子機構
 *木と森 ─ 若い生物情報科学者への期待

講義3◆情報科学の学び方〜バイオインフォマティクスの基礎として
萩谷昌己
 *バイオインフォマティクスのための情報科学の基礎
 *計算機システムの基礎
 *ネットワーク管理
 *プログラミング
 *アルゴリズム
 *動的計画法
 *バックトラッキング
 *形式言語
 *情報理論・数理統計
 *連続系アルゴリズム(数値解析)
 *データベース・知識表現

講義4◆分子生物学,生化学,細胞生物学の基本〜バイオインフォマティクスの素材を理解する
榎森康文
 *生物・細胞と遺伝子
 *分子生物学の概念と遺伝子
 *生化学と生体物質・生化学反応
 *細胞生物学,分子細胞生物学とシグナル伝達


[応用編]〜バイオインフォマティクスの実際を学ぼう

講義5◆DNA二重らせんの安定性を解く〜その理論と応用
John Anthony Rose,陶山 明
 *DNAのヘリックスコイル転移
 *融解曲線の平衡論
 *融解曲線の平衡論の応用

講義6◆計算手法を用いて見るタンパク質立体構造概論
黒田 裕,横山茂之
 *タンパク質構造の基礎概念
 *タンパク質の構造比較および構造データベース

講義7◆膨大な遺伝子情報から機能を探る手法
程 久美子
 *技術・学問の概要
 *実際の解析における現状・問題点

講義8◆プロテオーム解析が切り開く生命科学の新しい方向
南 康文
 *プロテオーム解析の概要
 *プロテオーム解析の現状・問題点

講義9◆知識発見技術入門
森下真一
 *数学で生まれ情報科学で育った知識発見技術
 *機械学習 知識発見 データマイニング
 *バイオインフォマティクスと知識発見
 *クラスタリング
 *クラス分類

講義10◆ゲノムデータベース入門〜つくる人と使う人のために
中井謙太
 *ゲノムデータベースの基礎
 *古典的データベース
 *ゲノムデータベースの現状

講義11◆配列から生物学的な意味を探る〜配列解析
矢田哲士
 *遺伝子発見問題
 *遺伝子配列の規則性を発見
 *規則性のモデル化
 *規則性の検証

講義12◆生物がもつ機能の原理を探る〜パスウェイデータベース
高井貴子
 *パスウェイデータベースとは
 *パスウェイデータベースの構造
 *パスウェイデータベースを利用した研究のこれから

講義13◆細胞内のネットワークを解く〜分子ネットワークシミュレーション入門
黒田真也
 *技術・学問の概要
 *実際の解析における現状と問題点

【付録】初めて情報科学・生命科学を学ぶ方へ

1.情報科学の教科書
萩谷昌己

2.分子生物学,生化学,細胞生物学を非生物系専攻の学生・研究者が学ぶとき〜教科書と手引き
榎森康文


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