1-1 電子顕微鏡入門 ─電顕を使ったことがない人のために
藤本豊士・山本章嗣
I . 電顕で見ることの意味
II . 電顕でものが見える原理について
III . 自分の実験試料を包埋する方法
IV .包埋試料を電顕観察するまで
V . 電顕で何をどう見るか
1-2 電顕に期待するもの(1)
宮田真人
I . マイコプラズマ滑走運動
II . レアな研究手法,“電顕”
III . 日常的な疑問
電顕に期待するもの(2) 電子顕微鏡画像に動きを与えるイメージング法
原口徳子・平岡
I . ライブイメージングとの融合
II . 生物システムの理解
電顕に期待するもの(3)
斎藤通紀
I . 形態学的分子生物学との出会い
II . 単一細胞レベルの解像度を目指した分子生物学へ
電顕に期待するもの(4)
永井健治
I . 今後の生物学においてますます必要な情報は?
II . 電子顕微鏡像から分子の動的機能を理解するには?
2-1 超微形態をみる(1) ノックアウトマウスの解析
内山安男
I . 細胞内タンパク質分解とリソソーム
1 .リソソームとは
2 .リソソームのプロテアーゼ
II . リソソーム蓄積症
1 .リソソーム蓄積症とは
2 .リソソームプロテアーゼ欠損とその蓄積症
3 .オートファジーの破綻による封入体の形成
2-2 超微形態をみる(2) 急速凍結置換固定法による酵母の解析
馬場美鈴
I . 酵母細胞と試料作製技術
II . 酵母細胞の急速凍結置換固定法
III . 急速凍結置換固定法により得られた酵母細胞の電子顕微鏡像
IV .液胞への選択的タンパク質輸送経路
V . cvt経路の特異性
2-3 分子局在を見る(1) 誰でもできる免疫電子顕微鏡法
山本章嗣
I . 免疫電顕法のいろいろ
II . さて,どの免疫電顕法を選ぶか?
1 .培養細胞を光顕と対応づけて観察したい→包埋前標識法
2 .すぐに結果を知りたい→2日でできる凍結超薄切片法
3 .まとまって時間がとれないが良い方法は?→樹脂包埋法
4 .二重染色で同時に2つのタンパク質の局在を見たい→凍結超薄切片法か樹脂包埋法であれば容易である
5 .試験管内の反応を見てみたい→アガロース包埋法
III . 定量によって広がる世界
1 .ナノ空間のpHを測定する
2 .具体例:網膜色素上皮細胞のファゴソーム動態の解析
2-4 分子局在を見る(2) 凍結割断レプリカ標識法による膜タンパク質の定量的解析
重本隆一
I . SDS-FRL法の原理
II . グルタミン酸受容体の定量的解析
2-5 分子局在を見る(3) 凍結レプリカ標識法による膜脂質の分布解析
藤田秋一・藤本豊士
I . 膜脂質解析におけるSDS-FRL法の利点と問題点
II . 膜脂質分子の分布解析
1 .K関数
2 .最近隣距離と分布密度
3 .クラスターの大きさ
2-6 分子局在を見る(4)電子顕微鏡によるタンパク質複合体の観察法
片山栄作
I . 電子顕微鏡による分子観察法の特長
II . 古典的な試料作製法
III . 急速凍結による試料作製法
IV .急速凍結フリーズレプリカ法と新たな画像解析法
V . 機能中の細胞内タンパク質の構造解析を目指して
2-7 分子を見る 電子顕微鏡を用いて分子構造を見る
光岡 薫・藤吉好則
I . 低温電子顕微鏡法
II . 電子線結晶構造解析
III . らせん再構成による立体構造解析
IV .単粒子解析
2-8 三次元構造を見る(1) 電子線トモグラフィーとは何か
─ナノスケールでの3Dバイオイメージング
唐原一郎・須田甚将・峰雪芳宣
I . トモグラフィーとは何か
II . 電子線トモグラフィーとは何か
III . 急速凍結・凍結置換固定した包埋試料の電子線トモグラフィー
1 .凍結技法,試料作製
2 .画像取得,トモグラム作製,解析
2-9 三次元構造を見る(2) 急速凍結ディープエッチング法による細胞膜のナノドメイン解析
諸根信弘・臼倉治郎
I . 急速凍結法
1 .ヘリウム冷却型メタルコンタクト法
2 .浸漬法
3 .加圧法
II . ディープエッチング法
III . 免疫レプリカ
IV .トモグラフィー
2-10 三次元構造を見る(3) 超高圧電子顕微鏡を用いた細胞構造の立体観察
鷹岡昭夫
I . 超高圧電子顕微鏡の特徴
II . トモグラフィーの原理と観察試料の厚さ
III . トモグラフィーの手順とキーポイント
IV .細胞組織の観察例
2-11 三次元構造を見る(4) 見えなかったものを見る位相差電子顕微鏡
永山國昭
I . 光顕 vs 電顕
II . 位相の画像化原理
1 .位相差法の原理
2 .顕微鏡の原理
III . 位相差法のシミュレーション
IV .無染色で“生”に迫るヒルベルト微分像
V . 膜/タンパク質複合体構造を見るゼルニケ位相差法
3-1 シナプス終末の内膜系を3Dで見る
西野-林 美都子・山口明人
I . ダイナミン1KOマウスの特徴
II . 電子線トモグラフィーによるダイナミン1KOシナプスの三次元構築
1 .電子線トモグラフィー
2 .クラスリン被覆ピット
3 .スピニュール様構造体
4 .小胞体,その他オルガネラの構造と局在
III . シナプトジャニン1KOシナプスとの比較
3-2 光顕と電顕で同時に見る
小林昇平・原口徳子
I . Correlative light and electron microscopy(CLEM)の原理
II . CLEMを実現するための様々な方法
1 .蛍光標識抗体および金コロイド標識抗体を併用する方法
2 .量子ドットを用いる方法
3 .酸素ラジカルによるDABの重合を利用する方法
4 . in vivo immunogold labeling法
5 .生細胞蛍光イメージングとCLEMとの融合(live CLEM法)
3-3 染色体の内部構造を見る
前島一博
I . 染色体の基本構造を電子顕微鏡で見る-ヌクレオソームと30nmクロマチン繊維-
II . 染色体を壊して,電子顕微鏡で構造を見る-非ヒストンタンパク質の役割-
III . 染色体の七変化?
IV .古典的な(?)電子顕微鏡観察の例
V . 生きている状態の細胞の染色体を電子顕微鏡で見るためには?
VI .新しいモデル
VII .クライオ電子顕微鏡観察の泣き所
3-4 キネトコアの分子構築を見る
鈴木應志・深川竜郎
I . キネトコアを構成するタンパク質群
II . キネトコアの微細構造
III . キネトコアの電子顕微鏡観察法
IV .キネトコアの分子構築理解のための電子顕微鏡観察の利用
3-5 電子顕微鏡の紹介
(1) 日立ハイテクノロジーズ 中澤英子
(2) 日本電子 原野祐輔
(3) 日本エフイー・アイ 青山一弘