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2006 |
Bionics [バイオニクス] |
6
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株式会社オーム社
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タンパク質のかたちと病気
「細胞の中に存在する有機物の大部分はタンパク質である。
生命現象を理解するためには,個々のタンパク質がどのように機能しているかを明らかにすることが必須であり,タンパク質のかたちはその機能を理解するためにもっとも重要な要素である。
現在,日本におけるタンパク3000プロジェクトをはじめとして,タンパク質立体構造を網羅的に解析するプロジェクトが世界中で進行しており,数多くの立体構造が決定されつつある。
タンパク質の立体構造解析が進展した結果,病気の原因となるタンパク質の立体構造も多数決定され,その構造に基づいた薬剤の開発などが数多くおこなわれている。
タンパク質のかたちを理解することは,それに起因する病気のメカニズムの解明につながるとともに,治療に役立つ医薬の開発へとつながる。
(1)概論・タンパク質のかたちの重要性
宮園健一 田之倉 優:東京大学大学院農学生命科学研究科
生命活動は,タンパク質が正常に機能することではじめて成立する。タンパク質の機能とかたち(立体構造)は,不可分の関係にある。タンパク質とその機能の関係を概観し,かたちの解明がどのように産業に役立つのかを解説する。
(2)神経変性疾患にかかわるタンパク質のかたち
加藤晃一 内海真穂 住吉 晃:名古屋市立大学大学院薬学研究科
パーキンソン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患は,立体構造に異常をきたしたタンパク質が脳内に蓄積することを特徴とする。神経細胞におけるタンパク質の品質管理システムの破綻が引き起こすこれら疾患発症のしくみに迫る。
(3)酵素のかたちにあわせた痛風治療薬
岡本 研 西野武士:日本医科大学大学院医科生物化学分野
酵素は,ときに病気の原因ともなる。その酵素の働きを強く抑える化合物が薬として用いられる。痛風の治療薬であるキサンチン脱水素酵素の阻害剤を例に,その強い効力はどこからくるのかを,酵素の構造と機能の両面から探る。
(4)タンパク質のかたちを利用した創薬
半沢宏之:三共株式会社 創薬基盤研究所
化合物探索を向上する技術が急速に発展しつつある。コンピュータを利用したバーチャルスクリーニングや,従来のリード化合物より活性の弱いフラグメントを利用する技術など,最新動向を解説する。
優良な農業品種を守り,育てる知財戦略
斉藤勝司:サイエンスライター
多額のコストを投じて開発された優良な農業品種が,権利者の許可なく栽培,販売される事態が報告されている。日本の知財戦略の一端を担う,農業品種保護の最前線を追った。
レトロトランスポゾンが胎盤をつくる
小野竜一:東京医科歯科大学 ほか
ゲノム上を移動したり,自分のコピーをつくるトランスポゾン。
とくに哺乳類で多くの割合をしめるトランスポゾンは,何のために存在しているのだろうか。
RNA医薬とドラッグデリバリーシステムの可能性
トーマス R. チェック博士(アメリカメリーランド州 ハワードヒューズ医学研究所プレジデント,コロラド大学教授,1989 年ノーベル化学賞受賞者)
vs上岡龍一博士(崇城大学生物生命学部応用生命科学科教授)
1細胞中で発現している微量なタンパク質を検出
人を抱き上げる,4感をもつ人型ロボット
「脳の活性化」をテーマに電気科学技術講演会
日本発の抗がんウイルス製剤の臨床試験が初始動
文部科学省作業部会,ボランティアからの卵子提供を容認
【第6回】ライフサイエンスサミット
Bioventure Watch
数字でみるニッポンの真実
NPOサイコムの 「 科学技術政策」 ここが焦点 [6]
第3期科学技術基本計画がスタート
成体の脳で生まれ,移動する神経細胞
金子奈穂子 澤本和延(慶應義塾大学医学部)
耳垢型は1塩基のちがいで決定される
吉浦孝一郎 新川詔夫(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科)
現場で役立つバイオイメージング
第3回 細胞内蛍光1分子可視化法(基礎編)
佐甲靖志(理化学研究所中央研究所)
新ミクログラフィア
スルメを見るか,イカを見るか?
牛木辰男:新潟大学教育研究院医歯学系顕微解剖学
ルポ・先端人
三輪佳宏氏(筑波大学人間総合科学研究科)
変異型タンパク質を利用して,薬の挙動を可視化する
斉藤勝司:サイエンスライター
発想のメリーゴーラウンド
大志を抱いて研究を!
和田昭允:理化学研究所 ゲノム科学総合研究センター特別顧問
大学教授のためのバイオ物理入門
見えない分子の「動き」を見る
丑田公規:理化学研究所環境ソフトマテリアル研究ユニット
巷と科学の相関図
スリープ状態からの復帰
佐倉 統:東京大学大学院情報学環助教授
ノーベル賞を取り損ねた日本人科学者たち
C60(上)大澤映二 サッカーボール型分子を予言した男
内村直之:朝日新聞科学医療部
「バイオメカニクス」温故知新
Snake-like Machine─軟体機械の原点
梅谷陽二:東京工業大学名誉教授 知能システム研究所代表
Tools & Products /Information /Release Clips
『 眼の誕生』
『 「白い光」のイノベーション』
『 赤ちゃんはどこまで人間なのか』
『 生命科学』
「アローン・イン・ザ・ダーク」
なぜなぜバイオニクス ファミリーってなに?
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