PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME |
VOL.44 NO.14 1999
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B5判 96ページ T1105941111231
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ISSN 0039-9450
共立出版株式会社
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特集 動物の変態の分子機構 編集:吉里勝利
序説 吉里勝利
昆虫の変態と組織の再編成
名取俊二
センチニクバエの変態の研究で明らかになった、カテプシン B mRNA の翻訳抑制、カテプシンL の細胞内輸送経路の変換、中腸に出現する抗菌活性をもったプロテアーゼ、中枢神経系の再編成について、新しい知見を解説する。
昆虫変態期における遺伝子発現機構
上田 均
ショウジョウバエを用いた分子遺伝学的解析により、昆虫変態の分子機構が解明されつつある。これによると、多くの転写因子によって、さまざまな機構で時期および組織特異的な遺伝子発現を行なっている。
変態に伴う消化管再構築の分子機構 ―甲状腺ホルモン応答遺伝子を用いた解析
岡 敦子・Yun-Bo Shi
両生類の器官の多くは変態期に陸上脊椎動物共通の器官へと再構築される。細胞増殖やアポトーシスを巧妙に調節するその仕組みが甲状腺ホルモン応答遺伝子を手がかりに解明されつつある。
オタマジャクシの皮膚の変態の分子しくみ
吉里勝利・大房 健
オタマジャクシとカエルの皮膚はまったく異なる。皮膚の変態はコラーゲンとケラチンの遺伝子のユニークな発現制御を伴っている。遺伝子導入カエルを利用して、この過程を調べることも可能になった。
U snRNAの核内輸送の機構 ―U1 snRNA の5'末端部位の化学合成に基づく機構解明
関根光雄
RNA の核内移行機構は長年なぞにつつまれていたが、キャップ機構のメチル基の数で厳密に調節されていることが解明された。U1
snRNA の各内輸送因子 Snurportin 1 もついに発見された。
ネクローシス様形態を示すカスパーゼ非依存的プログラム細胞死
―アポトーシスと制御機構を異にするもう一つの細胞死
北中千史・口野嘉幸
ネクローシスは“制御されない細胞死”としてとかく無視されがちであったが、ここにきて一見ネクローシス様の形態を示すプログラム細胞死の存在とその意義が急速にクローズアップされてきた。
補酵素研究の新展開
ピリドキサールリン酸の新しい機能 ―遺伝子発現の制御
名取靖郎・韓 □杓・岡 達三
ピリドキサールリン酸は、アミノ酸代謝酵素の補酵素としての働き以外に、転写調節因子と結合して遺伝子発現の制御をすることが最近の研究で明らかになった。
ビタミンB6誘導体の新しい生理作用 ―カテプシン群の阻害
勝沼信彦
ビタミンB6の補酵素型ピリドキサールリン酸がカテプシンを阻害するという新しい機能を発見した。この合成誘導体はさらに強力にカテプシンKを選択的に阻害し、細胞膜透過性があることから、新しい生理作用の解明に役立つ。
脳の発生・老化研究の新たな接点
さらば! コカイン中毒
細胞内の膜融合は脱リン酸化で終わる?
“緑の革命”遺伝子にSH2ホモロジー ―モデル植物シロイヌナズナから栽培植物コムギへ
サイトメガロウイルスUL97蛋白質は何をする?
【シリーズ 蛋白質・核酸・酵素の1分子測定と操作法】 |
非接触原子間力顕微鏡による単一分子解析
菅原康弘・森田清三
近年の原子間力顕微鏡法の発展に伴い、力学的方法に基づいて分子種を分子スケールで識別することが可能になりつつある。このような単一分子の解析技術の現状と将来展望を概説する。
Windowsパソコン、50の手習い
猪飼 篤
猪飼教授の提案についての老爺心
中村隆雄
【Book Review】
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