BIOWEBホームへ

PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME

VOL.44 NO.10 1999

    蛋白質 核酸 酵素

8

B5判 96ページ T1105941081237

ISSN 0039-9450

共立出版株式会社
 
小特集 枯草菌ゲノムの分子生物学 編集:小笠原直毅・定家義人

序説 小笠原直毅・板谷光泰・定家義人

枯草菌ゲノムと遺伝子の特徴
小笠原直毅・定家義人・藤田昌也・吉田健一・藤田泰太郎・吉川博文・三輪泰彦・山本博規・関口順一・熊野みゆき・山根國男・村田麻喜子・大木玲子

    オペロン構造が保存され、転写と複製方向が一致したおとなしい枯草菌ゲノムにも遺伝子重複や水平伝達の跡が著しい。枯草菌は微生物遺伝学の新しいギネスブックとなるであろう。

枯草菌の胞子形成、胞子、発芽
佐藤 勉・七宮英晃・大橋由明・河村富士夫・高松宏治・児玉武子・渡部一仁・石川 周・関口順一

    細胞分化研究において最も詳細にかつ首尾一貫して解析された系として最先端をいく、枯草菌の胞子形成と次世代を担う胞子発芽の分子遺伝学を紹介する。

枯草菌におけるシグナル伝達、形質転換、蛋白質分泌
小倉光雄・田中暉夫・山根國夫・熊野みゆき・佐野和良・広瀬 績・中村幸治

    DNAの取込み能発現や分泌蛋白質の生産にもシグナル伝達が複雑に絡んでいて、その全体像把握には研究分野をこえた広い視野が求められる。新しい時代の複雑系分子遺伝学を概説する。

【総説】
Fasリガンドによるアポートシスと炎症の分子機構 須田貴司

    死ぬことも増殖と同様に重要な細胞の機能である。高等動物は細胞に死を促すサイトカイン=デス因子をつくりだした。その代表的存在、Fasリガンドのシグナル伝達機構と生理的・病理的役割についてこれまでの知見を解説する。

セルラーゼ複合体“セルロソーム”の構造と機能
粟冠和郎・木村哲哉・苅田修一・大宮邦雄

    セルロソームは嫌気性微生物により分泌される高分子セルラーゼ複合体である。この複合体は、触媒機能をもたない蛋白質とセルラーゼとの特異的な結合により形成されることがわかってきた。

【ショートレビュー】
初期発生におけるポリ(A)鎖伸長反応とキャップ構造のメチル化を介した母性mRNAの翻訳制御
久下英明

    翻訳制御機構のなかでもポリ(A)鎖伸長によるものは最もその解析が進んでいる。最近、この3'末端の修飾が5'末端のキャップのメチル化を伴うことがわかり、mRNA分子の両端間の相互作用が注目されている。

【Fraction Collector】
トポイソメラーゼ、その多種・多様性 ―相互作用因子の解析

残基交換で、あらよっ! ―βシートがαヘリックスに

Stochastic Sensorってなんでしょう?

花弁の起源 ―ABCモデルは本当に被子植物全体にあてはまるのか?

紫外線から皮膚を保護するビタミンA

ビタミンCの新しい輸送体の発見

ピロリ菌は家賃を払っているか?

【ゲノム情報】
枯草菌全ゲノム配列決定と枯草菌研究の新たな展開
小笠原直毅

    枯草菌は過去50年間、遺伝学、生化学そして分子生物学の発展に貢献してきた。そして、ゲノムからの研究の時代においても、その先頭を切るべく、意欲的な研究が始まっている。

【新実験講座】
CpGアイランド単離のための部分変性DNA断片分離法(SPM法)
白石昌彦

SPM法は特定の制限酵素の認識部位に依存しないという特徴をもち、塩基配列が未知の領域からの遺伝子単離やメチル化異常を示すCpGアイランドの単離に用いられ成果をあげている。

【シリーズ 蛋白質・核酸・酵素の1分子測定と操作法】
熱レンズ顕微鏡と非発光性分子の単一分子定量
北森武彦

    光らない分子でも単一分子レベルで分析できる熱レンズ顕微鏡を世界に先駆けて開発した。この方法の原理と単一細胞分析や微小組織の測定への応用について紹介する。

【Techno Plaza】
アガロースゲルからの新しいDNA回収法
―透析膜と不織布を用いたDNA回収チップの開発 渡辺昌幸・大竹英樹


【Book Review】【今月のKey Words】


[バイオウェブ - HOME]BIOWEB(R)サービスに関するお問い合わせ: service@bioweb.ne.jp