PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME |
VOL.44 NO.6 1999
|
|
5
|
B5判 100ページ T1105941051230
|
ISSN 0039-9450
共立出版株式会社
|
特集 新しい細胞機能変換システムとしてのユビキチンワールド
編集:横沢英良・田中啓二
序 横沢英良・田中啓二
ユビキチンワールドとは
横沢英良
蛋白質の移動性修飾分子であるユビキチンとユビキチン様蛋白質、そしてそれらの作用を校正する酸素群が織りなす世界“ユビキチンワールド”がいま注目されている。
ユビキチンライゲーションシステム―発見から現在までの軌跡
田中啓二
ユビキチンが発見されて二十余年、プロテアソームが発見されて十余年の歳月が流れた。この間における蛋白質分解研究の発展は“驚異”である。
ユビキチン様蛋白質とその蛋白質修飾システム
千葉智樹・逢坂文男
近年、生体内に多数のユビキチン様蛋白質の存在することが明らかになった。それら多数のユビキチン様蛋白質を紹介し、蛋白質修飾システムの機能と意義について考察する。
脱ユビキチン化酵素―巨大な遺伝子ファミリー
鈴木俊顕・川上高幸
多数の脱ユビキチン化酵素の発見によってユビキチン化修飾の可逆性が明らかとなった。この酵素群が担う機能は細胞増殖や分化、記憶、シグナル伝達、遺伝子発現など多岐にわたる。
ユビキチンシステムとストレス応答
岩井一宏
ストレスに対応する制御因子のひとつである鉄代謝制御蛋白質IRP2の活性制御機構の解析から、蛋白質の酸化修飾がユビキチンシステム発動のシグナルとして同定された。
ユビキチン/プロテアソームによる蛋白質の品質管理機構
徳永文稔
新生蛋白質のうちミスフォールドとなったものを選択的に除去する“小胞体の品質管理機構”が見いだされて10年が経つ。最近、劇的な転換があったこの機構について解説する。
ユビキチン病の分子機構―ユビキチン/プロテアソームに関連した疾患群
阿南 正・中尾光善
ユビキチン/プロテアソームの研究は“ユビキチン病”という新しい疾患概念を提唱するかもしれない。しかも、病気の解明が契機となってそのバイオロジーがより明確になるであろう。
編者紹介 沢田 均・山尾文明
キレる子供たちに与える薬
DNAチップでわかること
膜蛋白質のエンドサイトーシス
―重要なのはユビキチン? ユビキチン結合システム?
ミトコンドリアは細胞内の毒薬貯蔵庫?
―アポートシス誘導因子 AIF の同定
動物の雌化を決定するWnt-4シグナル
早寝・早起きは三文の得、その真義とは?
―cryptochromeの光受容と概日リズム
アミノ酸合成系遺伝子の発現調節
―TボックスとSボックスによる制御
【シリーズ ライフサイエンスのための系統保存とデータバンク】 |
両生類の系統保存 奥本均・住田正幸・吉里勝利
ゼブラフィッシュの系統保存 武田洋幸
【シリーズ 蛋白質・核酸・酵素の1分子測定と操作法】 |
近接場光学の原理と生物科学への応用 齋藤 究・船津高志
近接場光を使うと従来の光学顕微鏡をこえた局所励起が可能になる。これを利用して、蛍光色素で標識した生体分子の1分子の機能をビデオで直接観察できるようになった。
酸素平衡曲線の自動記録技術 気体リガンド結合の精密測定(2)
今井清博・A.H.Mohammed Mawjood
筆者らの開発した酵素平衡曲線自動記録オンラインシステムはいかなる市販の装置よりも高い測定制度を誇っている。それはアロステリック効果の分子論的機序の解明に多大な貢献を果たしている。
キャピラリー電気泳動 ―金属イオンから遺伝子まで(4)
何が問題か、今後の展開は 北岸恵子・山田浩美
キャピラリー電気泳動の特徴を、ゲル電気泳動、HPLCおよびチップ電気泳動と比較して説明し、これらをどのように使い分けていくかを考える。
【Book Review】【今月のKey Words】
BIOWEB(R)サービスに関するお問い合わせ: service@bioweb.ne.jp
|