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PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME

VOL.44 NO.3 1999

    蛋白質 核酸 酵素

3

B5判 100ページ T1105941091236

ISSN 0039-9450

共立出版株式会社
 
特集 生物多様性の分子構造へのアプローチ 編集:宮田 隆

序説 宮田 隆

カンブリア爆発と遺伝子の多様化 菅 裕・星山大介・宮田 隆

    生物の進化に伴って、遺伝子の多様化はどう進んだか。今後の分子進化学に残された重要な課題である、形態進化と分子進化の関連を、およそ6億年前に起きた多細胞動物の爆発的多様化を例に考える。

視物質と視細胞光情報伝達系の多様性 ―機能解析と分子系統解析の接点
寺北明久・七田芳則

    動物は多くの光情報を眼から得ているが、その能力や性質は動物種などにより異なる。この多様性はどのように生じたのか?光を受け止める細胞と蛋白質に注目し、分子進化的な考察を試みた。

脊椎動物の頭部形成の進化と遺伝子 ―ヤツメウナギ比較分子発生学からの問いかけ
 倉谷 滋・掘米直人・明神未代子

    形態学的データのみに頼っていた発生と系統進化の研究に、分子のメスが入れられ始めた。ヤツメウナギの発生過程に隠されている分子レベルでの同一性と、進化的意義を考察する。

脊索動物ゲノムの倍数化と多様化の分子機構 ―トランスポゾン関与の可能性  

    脊索動物のゲノム進化をゲノムデータベースや Hox 遺伝子群から辿ると、ゲノムの二度の倍化とその後の遺伝子構成の再編が見えてくる。

脳の基本設計図プログラムと多様化 阿形清和・梅園良彦

    集中神経系を獲得した最初の動物である扁形動物プラナリアと脊椎動物の、脳の構造と発生プログラムの比較から、動物に共通に存在する脳の基本設計プログラムを推定し、この設計図に基づいて動物の脳の進化と多様性を探る。

編者紹介 五條堀 

【総説】
ユビキチン依存的蛋白質分解とチェックポイントによる細胞分裂制御 戸所一雄
    細胞分裂の制御因子群のユビキチン化を介した分解と、紡錘体形成チェックポイントが同調し、秩序立った細胞分裂の進行が制御されるが、その特異的な分子メカニズムの解明が急展開している。
【ショートレビュー】
T細胞の分化成熟ならびに機能発現における細胞表面プリン受容体の役割 小柴賢洋
    細胞表面プリン受容体がT細胞の分化・成熟および機能発現において非常に重要な働きをしていること、さらにヒト免疫不全症の原因となることを明らかにする。

【Fraction Collector】
成人の脳でも起こるニューロン新生 ―神経難病解決への新たな期待

蛋白質分解異常がパーキンソン病の原因? 

アポトーシスそれともオンコーシス? ―赤痢菌が誘導するマクロファージの細胞死  

HIV-1トランスジェニックマウスの病態 ―Nefは諸悪の根源か

神経のない植物のイオンチャネル ―グルタミン酸受容体とShaker型K+チャネル

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【シリーズ ライフサイエンスのための系統保存とデータバンク】
出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)遺伝研究株の系統保存 原島 俊・金子嘉信

分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)遺伝研究株の系統保存 下田 親

【新実験講座】
キャピラリー電気泳動 ―金属イオンから遺伝子まで(2)
キャピラリーが可能にしたもの 北岸恵子・山田浩美

キャピラリー電気泳動では、無機イオン、有機酸、電気的中性分子など、低分子の試料が分析できる。これらの分離の原理と実験上の留意点を解説する。

【Current & Comments】
ヒト ES 細胞株の樹立が意味するもの 中辻憲夫

ヒト ES 細胞株の樹立によって、遺伝子改変マウスで活躍する胚幹細胞株を細胞移植治療に使用する可能性が脚光をあびている。動物クローニングとも関係する技術的考察と倫理的問題点の整理によって今後の展開を考える。

【研究機関紹介】
(42) (財)高輝度光科学研究センター放射光研究所 植木龍夫

【Book Review】【今月のKey Words】


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