PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME |
VOL.43 NO.11 1998
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B5判 100ページ T1105941091236
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ISSN 0039-9450
共立出版株式会社
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蛋白質と核酸の擬態 中村義一
擬態は動物の世界でよく知られるが,分子の世界にも存在することが発見された。蛋白質合成に働く一群の蛋白質は,核酸であるtRNAの形や働きを擬態して機能することが明らかになった。これは生命現象における新しい概念であり,魅力的な新分野の創成が期待される。
バクテリアで見つかったtRNAとmRNAの両方の働きをもつRNA
武藤 c・牛田千里・姫野俵太
10Saとよばれていた細菌に普遍的に存在するRNAはtRNAとmRNAの両機能をもつことが,筆者らを含む最近の研究により明らかにされ,新たにtmRNAと名づけられた。
植物における光信号伝達の初期過程 蓮沼仰嗣・矢部尚登
アラスカエンドウ,シロイヌナズナのフィトクロムを経由した光信号伝達の初期過程にNDPキナーゼのリン酸化の促進が含まれる。種々の光受容体と光信号の伝達にかかわる他の因子についても紹介する。
放線菌の線状染色体のダイナミックな構造変化と染色体の起源・進化 木梨陽康
抗生物質をつくる放線菌は,細菌であるにもかかわらず線状染色体をもち,しかもそれが不安定で両末端から欠失をひき起こし,環状化したり新たな末端を形成することが明らかになった。
生物によるメタン生成の機構
メチル補酵素Mレダクターゼの構造と機能 嶋 盛吾
生物によるメタン生成のキーエンザイムの結晶構造を高分解能で解析し,躍動的な基質の働きと巧妙な蛋白質構造から触媒機構を推定した。活性部位近くに5つの修飾アミノ酸残基が見つかった。
λ-エキソヌクレアーゼの結晶構造 相原秀樹・伊藤 隆・柴田武彦
λ-エキソヌクレアーゼの結晶構造が明らかにされた。ドーナツ型の特徴的な3量体構造から,この酵素の反応メカニズムを原子分解能で考えることができる。
HIVの感染メカニズムの解明に向けて
−一段階進めたgp120の立体構造解析
癌抑制遺伝子PTENの役割
−細胞・細胞外基質間相互作用の制御
内皮の一酸化窒素合成酵素の活性化と制御
新しい細胞内カルシウム動員機構の存在
−スフィンゴシンキナーゼ回路の役割は?
【ライフサイエンスのための系統保存とデータバンク】 |
生命科学の進展を支えるショウジョウバエ遺伝資源 林 茂生・山本雅敏
前門のゼブラ,後門のフグ,そしてメダカはどこにゆく
−モデル魚類のホームページ紹介 堀 寛
メダカの地域集団・近交系・突然変異系統 若松佑子・尾里建二郎
金属ポルフィリンを用いた光学的酸素センシング技術 天尾 豊・大倉一郎
近年,色素の発光を利用した光学的酸素センサーが注目をあびている。金属ポルフィリンを用いた光学的酸素センサーおよび生体システムにおける酸素濃度測定例について概説する。
Keystone Symposia Transcriptional Mechanisms/Nuclear
Receptor Gene Family/Epigenetic Regulation of Transcription
日向亮介・安達宣明・長谷川聡・堀越正美
グリンネルの研究者になるための指針(2)
大学院と研究室はこんなところだ F.Grinnell/白楽ロックビル(訳)
「なんとかしたいバイオ専門用語」の一部記述への異見 猪飼 篤
【Book Review】【今月のKey Words】
BIOWEB(R)サービスに関するお問い合わせ: service@bioweb.ne.jp
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