PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME |
VOL.43 NO.2 1998
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B5判・ 98ページ・T1105941021233
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ISSN 0039-9450
共立出版株式会社
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特集 リンパ細胞分化と活性化
序 阪口薫雄
V(D)J組換えの素過程−RAG/RSS複合体のフットプリント解析 名川文清・石黒啓一郎・坂野 仁
免疫系に見られるV(D)J組換えは,抗体多様化の鍵となっているが,このメカニズムは進化の過程でトランスポゾンによって持ち込まれたと考えられるようになってきた。
B細胞分化におけるプレB細胞レセプターシグナルの役割 烏山 一
B細胞分化の障害はBruton型無γグロブリン血症に代表されるように重篤な免疫不全症をひき起こす。プレB細胞レセプターの発見を契機にしてB細胞分化の分子制御機構の研究が急速に進展した。
膜型免疫グロブリンはクラススイッチ後も免疫応答において重要である 改正恒康
B細胞が産生する免疫グロブリンは,分泌型,膜型の2つのかたちで存在する。クラススイッチ後の膜型免疫グロブリンの意義を,筆者の作製したノックアウトマウスを中心に概説する。
CD40欠損マウスを用いた免疫応答におけるCD40分子の機能解析 菊谷 仁
CD40とそのリガンド(CD40L)の相互作用が,B細胞だけでなくT細胞の活性化やエフェクター細胞への分化においても重要な働きを有していることが明らかになってきた。
新規リンパ細胞機能分子α4の細胞増殖シグナル伝達機構 乾 誠治・阪口薫雄
細胞周期を調節するセリン/スレオニンホスファターゼの1つPP2Aと免疫抑制剤ラパマイシンの作用機序が,B細胞抗原レセプターシグナル伝達分子α4を介してつながった。
記憶B細胞誕生におけるファブリキウス嚢の機能 浴野成生・山岸秀夫・横溝祐一
ミュータントブリーディング組織のファブリキウス嚢は,外界抗原を収集することで,ミュータントB細胞の正的選択を行ない,B細胞レパートアの整理を行なっている。
編者紹介 林 眞一
蛋白質小胞輸送におけるターゲティングと膜融合 依田幸司・橋本仁志
小胞体からオルガネラや細胞表層に蛋白質などを輸送するさまざまな小胞が正確に目的の膜構造に行き着いて融合するには,双方の膜上の標識蛋白質とそれをコントロールする機構が働いている。
生体外選択系による新機能抗体分子の創製 熊谷 泉・津本浩平
新奇な分子認識能を発揮する蛋白質分子の創製は蛋白質工学のめざす目標の一つである。ここでは生体外選択系による新規分子認識能を示す抗体分子の創製について最近の進歩を中心にまとめた。
蛋白質の揺籃,シャペロニンの構造生物学 元島史尋・吉田賢右
最近,シャペロニン(GroEL)の活動中の諸状態に対応する構造が急速に解明されつつある。これと生化学的な知見を合わせると,シャペロニンの作用のダイナミズムが浮かび上がってくる。
1997年度ノーベル化学賞 J.Walker博士,P.Boyer博士,J.Skou博士
ATP合成酵素の回転説とNa+, K+-ATPase 香川靖雄
テロメラーゼは細胞の不死化に必要か
新規Fas結合蛋白質, Daxx−Fas誘導アポトーシス経路は1つではない?
Jドメインのおそるべきパワー
ここにも登場,カルモデュリン
トキソプラズマはいま
見直そうpH測定(1)ガラス電極pH計の基礎 大川浩美
pH計は研究室や製造の現場などでわれわれに最も身近な分析計である。測定をするときだけpH計の電源を入れるのでは正しい測定は望めない。もう一度,pH計の仕組みを知って,pH測定の悩みを一掃してみよう。
pH小史(1):酸性・アルカリ性
John C. Kendrew博士 長井 潔
【Book Review】【今月のKey Words】
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