PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME |
VOL.42 NO.9 1997
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B5判・ 104ページ・T1105941071238
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ISSN 0039-9450
共立出版株式会社
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ヒトの老化・癌とテロメラーゼ 井出利憲・田原栄俊
ヒト体細胞の有限分裂寿命がテロメア短縮によること,生殖細胞や癌細胞にはテロメラーゼがあって,無限分裂が保証されることがわかった。ヒトの老化と癌化が新たな観点から見直されようとしている。
細胞の増殖分化におけるヒストンの化学修飾 網代廣三
ホスファターゼの阻害剤であるオカダ酸を間期の細胞に処理すると,クロマチンの早期凝縮の誘導とともに,M期特異的なパラメーターの一つであるヒストンH3のリン酸化が誘導される。すなわち間期の細胞がオカダ酸によって正常のM期に作動するものと同様の分子機構が発現される。
アブラナ科植物の自家不和含性の分子機構 高山誠司・磯貝 彰
アブラナ科植物はどのようにして自己・非自己の花粉を識別しているのだろうか?その機構を解明することを通じて,植物にも膜受容体型キナーゼ分子を介した細胞間認識・情報伝達機構が存在することが明らかになってきた。
地上最小のモーター,ATP合成酵素 吉田賢右・野地博行・宗行英朗
回転する蛋白質装置はいままで細菌べん毛モーターがただひとつの例であった。しかし,ミトコンドリアや葉緑体,細菌の膜に存在するATP合成酵素もまた,回転していることが明らかとなった。回転触媒説の実証と今後の問題点について述べる。
哺乳類テロメラーゼ蛋白質TLP1 石川冬木・中山潤一
哺乳類テロメラーゼはきわめて微量しか存在しないため,酵素の精製あるいは構成蛋白質の同定はこれまで報告がなかった。筆者らは生化学的解析に適したテロメラーゼの定量法を開発し,高純度なテロメラーゼの精製に成功した。また,dbESTを用いてその構成蛋白質TLP1を同定した。その知見を紹介する。
肝移植により誘導される免疫抑制物質 小林英司
肝移植は末期肝不全の唯一の治療法として定着した。臨床的事実から免疫学的特殊性が再注目されている。肝は自ら免疫抑制物質を放出することが判明し,そのメカニズムに鋭いメスが入りはじめた。
HIV-1のセカンドレセプターの発見とその意義 村上 努・山本直樹
昨年,多くの研究者が探し求めていたエイズウイルス(HIV-1)のセカンドレセプターが発見された。新しいエイズ治療薬の可能性を提示したこの分野の研究成果を概説する。
神経誘導−誘導されるための条件解明の第一歩
エイズ発症におけるアポトーシスの役割
血管新生のカギ握る CD34 陽性細胞
すてておけない Ste20ファミリー
鏡の向こうに何が見えるか?
−ヒトデオキシシチジンキナーゼの予期せぬふるまい
柔軟性を欠くマウスの死
画像医学の最前線 −PET,SPECTから見た核医学の魅力 張 宏
【Book Review】【今月のKey Words】
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