PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME |
VOL.42 NO.8 1997
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B5判・ 99ページ・T1105941061239
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ISSN 0039-9450
共立出版株式会社
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薬物輸送ポンプの分子生物学 編集:石川智久
序 石川智久
細菌のアンチポーター型薬剤排出蛋白質 山口明人
多剤耐性細菌が大きく問題になることが多くなった。薬剤排出蛋白質が多剤耐性の新しい原因として研究が急速に進んでいる。細菌の薬剤排出蛋白質の構造と機能に関する先端的研究を紹介する。
MDR1/P糖蛋白質の薬剤輸送の分子機構 植田和光
MDR1/P糖蛋白質は,抗癌剤などのさまざまな脂溶性の生体異物を排出するポンプである。最近,MDR1のいろいろな薬物の体内動態への関与が注目されている。
異物排除におけるトランスポーターの役割−
cMOATおよびMRPを中心として 鈴木洋史・杉山雄一
胆汁排泄は異物解毒機構の一つとして重要であるが,最近排泄に関与するABC輸送担体が同定された。一連の輸送担体は,脳毛細血管内皮,消化管など,種々の細胞にも存在し,広義の異物解毒にあたることが示されてきている。
GS-Xポンプファミリー
-ATP依存型有機アニオントランスポーター 石川智久
動植物界に広く分布するGS-Xポンプは新規ABCトランスポーターファミリーで,花の色素成分の生合成,酸化的ストレス,重金属の解毒,癌細胞の薬剤耐性などに重要な役割を果たす。
編者紹介 村松正實
組換えフィブロネクチンフラグメント遺伝子治療への応用−
造血幹細胞への遺伝子導入効率がフィブロネクチンのフラグメントを利用することによって著しく増大することを見いだした。
この方法および周辺の問題点について解説する。
変容するプロテインデータバンク 楠木正巳
最近,プロテインデータバンクに登録されるエントリー数が急激に増大している。また,その内容,検索サービス,運営にも大きな変化が見られる。これら新しい動きを解説する。
蛋白質の構造にちらつき始めた全体主義
アンギオポエチン1−内皮細胞の増殖促進活性をもたない血管新生因子
イミダゾールカルボキサミドは誰を選ぶか?
Na+輸送と共役するキノールオキシダーゼ
細胞周囲の硬さが大事
モレキュラーインプリンティング−
分子情報を人工高分子内に刷り込む 竹内俊文
モレキュラーインプリンティングとは文字どおり分子の鋳型を人工高分子内に抜くことである。この手法により,鋳型となった分子の化学情報を記憶した分子認識高分子をワンステップできわめて簡便に合成することができる。
コスミドサイズDNAへの段階的欠失導入法−T3ファージ試験管内DNA詰込み系を利用して
河原林 裕・中島大輔・荒川 琢・川上文清・藤澤久雄
T3ファージ試験管内詰込み系を用いて,コスミドサイズDNAへの効率的な段階的欠失法を確立した。これとpAT5ペクターを組み合わせて,コスミドの制限酵素地図作成や塩基配列決定を簡便に行なえる。
本法は欠失変異体の強力なツールとなるであろう。
(33)立命館大学理工学部生物工学科 小野文一郎
第8回 国際カテコールアミンシンポジウム 永津俊治
大学院重点化とポスドク 西田洋巳
リボヌクレアーゼ研究のすすめ 二見淳一郎
【Book Review】【今月のKey Words】
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