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PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME

VOL.42 NO.2 1997

    蛋白質 核酸 酵素

2

B5判・ 98ページ・T1005941121202

ISSN 0039-9450

共立出版株式会社

特集 生体物質の光応答性

序 遠藤勲

バクテリオロドプシンはどのようにして光をエネルギーに変換するのか? 神取秀樹・前田章夫

    プロトンポンプ蛋白質のなかで初めてプロトンの通り道が解明された。バクテリオロドプシンはポンプ蛋白質の理想的なモデル系として、エネルギー変換のメカニズム解明への道を拓いてくれであろう。

光合成の光化学反応中心−光化学系IIを中心にして 佐藤公行

    光合成における光エネルギー変換は”光化学反応中心”に担われている。細菌その構造の解明が進んだが、同時にまた新たな謎が生み出された。酸素発生型光合成はいかにして可能になったのであろうか?

フィトクロム−植物の光環境センター 徳富哲

    植物の光環境情報センサー、フィトクロムは、最近その起源が三十数億年前に遡ることがわかった。また分子生物学の急速な進歩の結果、その分子像と作用機構も少しずつみえてきた。

イエロープロテインの構造と光反応 今元泰・徳永史生

    水溶性の光受容蛋白質であるphotoactive yellow proteinは、高次機能が高分解能で解明されている。そのため、光反応とそれに伴う高次構造変化を詳細に調べられる系として期待されている。

光応答性ニトリルヒドラターゼ 遠藤勲・尾高雅文・野口巧・星野幹雄・中迫雅由

    ニトリルヒドラターゼは細胞内では光によって活性化し、暗条件下で不活性化する。最近、この光応答性が一酸化窒素によって制御されていることが明らかになった。

【総説】
インフルエンザウイルスの生態−新型ウイルスの出現に備えて 喜田宏

    インフルエンザウイルスの抗原変異とウィルス出現のメカニズムについて解説し、インフルエンザウイルスの生態の研究から明らかになったことを要約する。

巨大膜蛋白質NADH−キノン参加還元酵素 矢野能弘

    ミトコンドリアNADH−キノン酸化還元酵素は、いままで知られているなかで最も巨大かつ複雑な膜結合蛋白質である。生化学的・医学的立場からホットな注目を集めている本酵素の研究の細心状況を紹介する。

【フラクションコレクター】 
脳卒中、お前もか!?

NK細胞とB7−1の怪しい関係?

G蛋白質共役受容体の細胞内移行−GRK2→βアレスチン→クラスリン

galectin-3はムチンの受容体?

エネルギー受給の細胞内コンパートメント

細胞移動とインテグリン
【ゲノム情報】

古細菌Methanococcus jannaschiiの全ゲノム塩基配列決定の意義 山岸明彦・大島泰郎

    超光熱性の独立栄養細菌であり、第三の生物群”古細菌”に属するメタン細菌の全ゲノム配列が決定された。生物界全体の進化系統関係をゲノムに基づいて論じられる時代の幕開けである。

【ニュース】
1996年度 ノーベル医学・生理学賞受賞によせて−Doherty博士、Zinkernagel博士 篠原信賢
【シリーズセンサーテクノロジー】
人工フラボシトクロムによるバイオ素子 上山智嗣・西川智志・畠中治代

    テラビットスケールの超高密度かつ高機能電子デバイスの開発を目的として、1分子単位で整流素子として機能する人工蛋白質の創製と機能実証に成功した。

【学会見聞記】

第4回 NGFカンファレンス−苦しくも楽しい5日間 武井延之

フランス生化学分子生物学会「転写因子PPA研究の新展開」コロキウム 本島清人

 

【今月の Key Words】【ブックレビュー】


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