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PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME Vol.54 No.15 2009
    蛋白質 核酸 酵素

12

A4変型判 100ページ T1105941091588

ISSN 0039-9450 共立出版株式会社

 


 ■ 特集

生命システムの階層間をまたぐイメージング技術
編集 野地博行・永井健治

特集にあたって
野地博行・永井健治

蛋白質の局所構造変化を1分子レベルで可視化する
政池知子・西坂崇之

中心軸がまさに回転しているときのF1-ATPaseの触媒サブユニットの構造変化をとらえた.触媒サブユニットの構造変化と中心軸の回転の1分子同時観察の結果から,化学反応が回転を生む過程にせまる.

走化性応答における確率的シグナル伝達の1分子イメージング解析
宮永之寛・上田昌宏

走化性応答におけるGPCR型受容体から3量体G蛋白質への確率的シグナル伝達について,細胞内1分子イメージングによって明らかになってきたシグナル分子の確率的特性と細胞応答との関係について議論する.

新規蛍光プローブを用いた細胞内ATPイメージング
今村博臣・野地博行

ATP合成酵素のATP結合サブユニットと蛍光蛋白質を利用して蛍光ATPプローブを作製した.このプローブを細胞に発現させることで、ひとつひとつの細胞内のATPの分布やダイナミクスを生きたまま調べることが可能になった.

細胞結合振動子システムを対象にした超高感度大規模イメージング
堀川一樹・永井健治

ポストゲノム時代のネットワーク研究には,細胞1個の分解能をもつ大規模イメージング技術が必須である.超高感度に生物リズムを可視化する2つの技術とその成果を紹介する.

神経ネットワーク活動の可視化
木村梨絵・池谷裕二

機能的多ニューロンカルシウム画像法は数百個のニューロンの発火活動を同時にとらえることを可能とする.この方法を用いて複雑な脳の情報演算システムの解明にせまる.

哺乳類概日時計の転写ネットワークの物理的シミュレーション
鵜飼-蓼沼磨貴・粕川雄也・上田泰己

哺乳類概日時計システムの転写ネットワークの理解のために培養細胞内に人工転写ネットワークを構築した.転写出力を発光シグナルとして検出し,動的なネットワークの設計原理を証明することができた.

 ■ 今月のKey Words

偏光変調全反射型顕微鏡 体節形成とclock & wavefrontメカニズム
物理的シミュレーション

 ■ 最終講義

ATP合成酵素と分子シャペロンのなかへ
吉田賢右

 ■ Short Review

コハク酸脱水素酵素複合体の退化型サブユニットの発見とその集積機構
茂木立志・北 潔

肥満は生活習慣病としてわれわれの社会では大きな問題だが,生物のエネルギー代謝をささえるミトコンドリア呼吸鎖複合体の肥満化は見すごされてきた.寄生性原虫の研究からわかった呼吸酵素の肥満化のしくみを紹介する.

 ■ 新実験講座

相関解析法を組み込んだ新しいDNAマイクロアレイデータ解析法CIRES
糖鎖生合成系を例にとって
竹松 弘・小堤保則

細胞は自らのゲノム情報の発現を変化させることでその性質を獲得する.しかし,遺伝子発現から細胞の表現型発現までにはさまざまなことが起こっている.遺伝子発現プロファイル解析から細胞の表現型獲得の道筋をたどる実験系について紹介する.

 ■ Fraction Collector

脳ニューロンのゲノムモザイク

Wntシグナル経路に関する新しい展開
Wntシグナル阻害剤の発見とその抗がん剤としての可能性

老人斑や神経原線維変化があっても大丈夫
神経幹細胞移植あるいはBDNF投与によるアルツハイマー病の新たな治療法

アポトーシス細胞の“私を見つけて”シグナル

膜型Fasリガンドがアポトーシスを誘導できる

 ■ シリーズ レクチャー理論生物学:生命現象の解明にむけて

理論生物学研究の眺め方
石原秀至・杉村 薫

 ■ 追悼 三浦謹一郎先生を偲んで

キャップ構造発見のころの思い出
古市泰宏

編集幹事 三浦先生との思い出
猪飼 篤

 ■ Book Review

 ■ Cuvette

 ■ 公募・アナウンスメント

 ■ 次号予告

 ■ 広告索引

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