BIOWEBホームへ

PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME VOL.54 NO.5 2009
    蛋白質 核酸 酵素

4

A4変型判 100ページ T1105941091588

ISSN 0039-9450 共立出版株式会社

 


 ■ 特集

生物がつくる攻撃的分子
編集 堀口安彦・正木春彦

特集にあたって
堀口安彦・正木春彦

多彩なバクテリオシン:mRNAやtRNAをまねるコリシンの構造と機能
正木春彦・小川哲弘・矢嶋俊介

細菌が生産し別の細菌を殺す蛋白質性毒素をバクテリオシンとよび,そのひとつコリシンE5はtRNAのアンチコドンを特異的に認識し切断することで毒性を発揮する.そのインヒビターはアンチコドンを擬態していた.

ボルデテラ壊死毒とパスツレラ毒素
毒素で曲がるブタのハナ

堀口安彦

ブタ萎縮性鼻炎には“鼻曲がり”とよばれる特徴的な病変がみられる.これは,2種の起因菌で産生される毒素が骨形成を負に制御するシグナル伝達系を刺激することで起こる骨形成不全によっていることがわかってきた.

ピロリ菌の空胞化毒素VacAの多機能性
感染における役割

山崎栄樹・磯本 一・平山壽哉

ピロリ菌は胃炎や胃癌などをひき起こす細菌である.その唯一の蛋白質毒素VacAは細胞に空胞変性をもたらすものとして見いだされたが,転写因子の撹乱や細胞死の誘発など多様な生物活性をもつことがわかってきた.

ジフテリア毒素受容体を利用した疾患モデルマウスの作製
斉藤美知子・河野憲二

ジフテリア毒素は,受容体の構造の違いから,ヒトには高い感受性を示すがマウスは非感受性である.ヒト型受容体を組織特異的に発現するマウスに毒素を投与することで,標的を毒素量依存的に破壊する方法を開発した.

海洋危険生物に由来する蛋白質毒素の性状と機能
永井宏史

クラゲやイソギンチャクは相手を刺すと同時に毒素を注入する海洋危険生物である.その毒素は取り扱いがむずかしく解析は進まなかったが,最近,性状が明らかになりつつあり,ユニークな構造や作用が注目されている.

毒ヘビによってつくりだされる血液毒蛋白質の構造と機能
トキシン研究はいまなお有効か?

山崎泰男・森田隆司

ヘビ毒には多様な生理活性を示す多種類の蛋白質やペプチドが含まれており,それぞれの分子はきわめて高い特異性を示す.これまで大きな成果をもたらしてきたヘビ毒トキシンは,いまでも生理活性物質の宝庫といえる.

 ■ 今月のKey Words

毒素(トキシン) 毒素受容体 ドメイン構造 コリシン

 ■ Short Review

NEMOの直鎖状ポリユビキチン化修飾によるNF-κBの活性化
徳永文稔・岩井一宏

これまで知られていたLys残基ではなく,ユビキチンN末端のアミノ基を介する新規の直鎖状ポリユビキチン鎖を生成するユビキチンリガーゼがみつかり,これがNF-κBシグナル伝達を制御していることがわかった.

蛋白質の構造形成に必要な最小情報とは?
単純化ウシ膵臓トリプシン阻害蛋白質変異体の構造と熱力学

加藤 淳・モニルル M. イスラム・黒田 裕

ウシの膵臓トリプシン阻害蛋白質にアミノ酸置換をくわえて,構造形成情報をもたないアラニンを1/3以上も含む単純化蛋白質をつくることに成功した.その熱力学的性質および構造学的性質は野生型と変わらなかった.

根毛形成における極性の確立と維持の機構
リン脂質シグナルに焦点をあてて

草野博彰・青山卓史

細胞極性の確立とその維持の制御は,先端成長を中心とする植物のかたちづくりにおいても鍵となる過程である.リン脂質シグナルと細胞極性とのかかわりにつき,シロイヌナズナの根毛形成過程をモデルとして概説する.

 ■ Fraction Collector

バッタの群生行動をひき起こすセロトニン

でる? でない?
ニューロトロフィン前駆体はどこでプロセシングされるのか

RNAiライブラリーを用いた血管内皮細胞の運動制御因子の同定と解析

アミロイドβ蛋白質を捕まえる蜘蛛の糸

マウスで“遺伝”される酵母のプリオン

ファゴサイトーシスを制御するキナーゼ

 ■ シリーズ サロン・ド・バイオイメージング

メダカを用いた生体内細胞追跡と細胞除去のことはじめ
田中 実

 ■ シリーズ 正しい知識が捏造を防ぐ:データを正確に解釈するための6つのポイント

客観的な判断のむずかしい事例をどう扱うか?
定量化の方法と代表例の選び方を主題として

齋藤成昭

 ■ Book Review

 ■ Cuvette

 ■ 公募・大学院・アナウンスメント

 ■ 次号予告

 ■ 広告索引

バイオウェブ - [HOME]BIOWEB(R)サービスに関するお問い合わせ: service@bioweb.ne.jp