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PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME VOL.54 NO.1 2009
    蛋白質 核酸 酵素

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A4変型判 100ページ T1105941091588

ISSN 0039-9450 共立出版株式会社

 


 ■ Review

Wntによるβカテニン非依存性経路の活性化とその異常による病態
菊池 章・山本英樹・佐藤 朗

分泌蛋白質Wntは3つの異なるシグナル伝達経路を活性化して細胞応答を制御する.このうち,βカテニンに依存しない,細胞の運動や極性の決定に関与する2つの経路について概説し,疾患との関連についても述べる.

ユビキチン修飾系による細胞質分裂の制御
駒田雅之・向井明子

細胞質分裂は,細胞分裂の最後に2つの娘細胞を切り離すダイナミックな生命現象である.ここには時空間的に制御された蛋白質のユビキチン化が重要な役割をはたしていて,ユビキチン化を制御する分子も見いだされた.

ナメクジウオのゲノム解読と脊索動物の進化
佐藤矩行・川島武士・將口栄一

ホヤなど尾索類,ナメクジウオなど頭索類,ヒトを含む脊椎動物からなる脊索動物はどのように進化してきたのか.ホヤにつづきナメクジウオのゲノム解読がなされたことにより,脊索動物の進化の過程が明らかになった.

さまざまなリゾリン脂質メディエーター
巻出久美子・可野邦行・北村 一・有馬直明・青木淳賢

リゾリン脂質はリン脂質のもつ2つの脂肪酸のうち1つが切り出されたもので,細胞間のシグナル伝達を担うメディエーターとして機能する.近年,その産生酵素や受容体が明らかにされ,創薬においても注目されている.

 ■ Short Review

がん転移ミトコンドリア原因説
ミトコンドリアDNA突然変異によりがん転移は可逆的に誘発される
石川 香・林 純一

ミトコンドリアDNAの突然変異は老化やがん化などの原因になるのではないかといわれている.それらのうち,活性酸素種を過剰発現する突然変異は,がん細胞の転移性の獲得を可逆的に誘発することが明らかになった.

ペプチドリガンド-受容体ペアの解析から探る植物のかたちづくり
松林嘉克

植物のかたちづくりには,ペプチドリガンドとその受容体とのペアを介した細胞間シグナル伝達が重要な役割をはたしている.リガンド候補の探索と受容体の同定のための,新しい発想にもとづいたアプローチを紹介する.

 ■ 解説

哺乳類の原点?カモノハシ
哺乳類のゲノム機能の進化を探る

金児-石野知子・石野史敏

カモのようなくちばしをもちながら母乳で仔を育てるという特徴をもつカモノハシは,その全ゲノム配列の解読により,見た目だけではなく,そのゲノムも哺乳類と爬虫類・鳥類の両方の特徴をあわせもつことがわかった.

 ■ 新実験講座

生細胞膜上の分子間相互作用を簡便に解析する
小谷典弘・本家孝一

細胞膜上にはマイクロドメインとよばれる構造が存在し,そこでの蛋白質や脂質などの相互作用が細胞機能に大きな影響をあたえると示唆されている.この相互作用の解析を簡便に行なう生化学的な可視化法が開発された.

 ■ Fraction Collector

ウイロファージ:ウイルスに感染するウイルスの発見

脱安定化ドメインを用いた生体内蛋白質の人為的な機能制御

セルピンの絶妙な多量体形成機構

グルタミン酸残基の環化がアルツハイマー病をひき起こす

前立腺酸性ホスファターゼは鎮痛薬だ!

小胞輸送におけるユビキチン結合蛋白質の役割

 ■ Laureate

2008年ノーベル化学賞
GFP史話

宮脇敦史

 ■ シリーズ サロン・ド・バイオイメージング

蛍光プローブ開発秘話:Pericam
永井健治

 ■ Book Review

 ■ Cuvette

 ■ 公募・アナウンスメント

 ■ 次号予告

 ■ 広告索引

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