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PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME VOL.53 NO.13 2008
    蛋白質 核酸 酵素

10

A4変型判 100ページ T1105941091588

ISSN 0039-9450 共立出版株式会社

 

 ■ 特集

原核細胞の細胞骨格
編集 福森義宏

特集にあたって
福森義宏

細菌の細胞分裂の分子メカニズム
石川 周・小笠原直毅

チューブリンホモログFtsZの発見により細菌も細胞骨格をもつことがわかった.細胞分裂の際に,FtsZが細胞中央に形成する収縮環により娘細胞が形成される.

細菌におけるプラスミドと染色体の分配機構
平賀壯太・足立 隼

細菌はプラスミドを染色体とは独立に娘細胞に分配する.R1プラスミドではアクチン様蛋白質がかかわり,Fプラスミドでは“拡散反応系”によるものと提唱された.

蛋白質の細胞内局在と細胞骨格
坂野聡美・本間道夫・川岸郁朗

細菌のアクチンホモログMreBは繊維構造を形成し細胞の形態維持に寄与する.最近,MreBからなる細胞骨格が細胞内蛋白質の局在にかかわることが示された.

磁性細菌のオルガネラ,マグネトソームの細胞内局在と細胞骨格
福森義宏・田岡 東

磁性細菌にはマグネトソームとよばれるオルガネラが存在し,アクチン様蛋白質からなる細胞骨格にそって長軸方向に並んでいる.その構造や細胞内局在を紹介する.

滑走する病原細菌,マイコプラズマの細胞骨格
チューブリンでもアクチンでもない
宮田真人

マイコプラズマは細胞極に形成される膜突起で固形物の表面にはりつき一方向に“滑走運動”を行なうが,この器官には既知の細胞骨格蛋白質ホモログは含まれない.

原核生物における細胞骨格の進化
亀井綾美・山岸明彦

真核生物の進化のうえで,古細菌の細胞骨格蛋白質の解析から,好熱好酸性古細菌のアクチンホモログが真核生物のアクチンの祖先的な性質をもつことが推定された.

細菌の細胞骨格を標的とする抗菌剤の開発
和地正明・岩井伯隆

細菌の染色体分配を阻害する薬剤のスクリーニングからアクチン様蛋白質MreBの特異的阻害剤が見いだされ,MreBは染色体分配にかかわることが示唆された.

 ■ 今月のKey Words

原核細胞 細胞骨格 核様体閉鎖 反応拡散系 滑走運動
マイコプラズマ 磁性細菌

 ■ Review

福山型筋ジストロフィーの発見とその類縁疾患における病態
戸田達史

わが国で特異的にみられる福山型筋ジストロフィーの原因遺伝子同定に成功したところ,原因蛋白質ワクチンは糖鎖修飾酵素と思われた.近年,類縁の多くの疾患でもαジストログリカンの糖鎖修飾異常が注目されている.

 ■ Short Review

miRNAの遺伝子制御ネットワーク
藤田修二・伊庭英夫

miRNAは二十数塩基の機能性RNAで,さまざまな遺伝子の発現パターンをグローバルに制御している.miRNA自体の発現制御,転写因子による転写制御とmiRNAによる翻訳制御とのネットワークを紹介する.

植物の比較ゲノム解析からみえてきたもの
長谷部光泰

これまで,陸上植物のゲノム解析は被子植物にかぎられていたが,今回,コケ植物ヒメツリガネゴケのゲノム解析が完了した.比較ゲノム解析から明らかになった,植物の発生システムの普遍性と多様性について考察する.

 ■ Fraction Collector

ノンコーディングRNAによるアルツハイマー病の発症制御

脳から捕まった真犯人
シナプス障害を担うアミロイドβ蛋白質2量体

細胞内小器官からの細胞内シグナル伝達

外に出たO2-はどのように細胞内シグナルとなるのか?

多くの複合体構造を集めて進化のようすを垣間みる

コルアーキオータのゲノム解読が古細菌の進化を解き明かす

アゴニストが核内受容体への転写抑制因子の結合を誘導する

免疫機構の本来の機能は損傷部位の認識だった?

高コレステロール血症と骨粗鬆症の薬で早老症を治療

Bcl-2の活性に対抗するペプチド

 ■ 最終講義

魚類の生殖研究30年
長濱嘉孝

 ■ Book Review

 ■ Cuvette

 ■ 公募・アナウンスメント

 ■ 次号予告

 ■ 広告索引

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