PROTEIN, NUCLEIC ACID AND
ENZYME |
VOL.53 NO.11 2008 |
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A4変型判 100ページ T1105941091588
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ISSN 0039-9450 共立出版株式会社
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減数分裂期のDNA交換反応と染色体の形態形成のしくみ
篠原 彰・篠原美紀
減数分裂期の組換えは,ゲノム多様性を生み出すだけでなく,キアズマを形成することで相同染色体のあいだを物理的に結合し染色体分配を保証している.減数分裂期における組換え体形成のしくみと制御機構を概説する.
細胞膜の形態を制御する分子群
末次志郎・高野和儀
脂質二重膜と蛋白質からなる細胞膜は,動物細胞において細胞内外を仕切る障壁であり,細胞の形態そのものである.蛋白質の立体構造の解明から,蛋白質-脂質相互作用による細胞膜の形態形成機構の一端が解明された.
ノックアウトマウス作製の現状と方向性
ア村建司・阿部 学・山崎真弥・薄井 宏
ノックアウトマウス作製においては,コンディショナルノックアウト法が主流となりつつあり,また,戻し交配が不要な系統のES細胞の使用に転換が進んでいる.筆者らが開発した手法を中心に,最近の現状を解説する.
細胞内で大活躍しているボランチ蛋白質
脱ニトロソ化もチオレドキシンが担っている
メチル化マーカーでみるヒト染色体の航空写真
まだ解決していないの? 膜蛋白質内部の相互作用の問題
基質標的薬というアルツハイマー病の新しい治療概念
神経栄養因子による軸索廃止
血液凝固の調節に関与するレクチン
ホスファチジルコリン合成とサイトカイン分泌
ゴルジ体の連続プロセシング仮説
姉妹染色分体間の接着因子,コヒーシンの新たな機能
前島一博・吉田圭介・白髭克彦
コヒーシンは姉妹染色分体の接着分子として知られているが,ゲノムをループ状に束ねることでこれを区切り,エンハンサーの影響を遮断したりクロマチン凝集を阻害したりして遺伝子発現にかかわることがわかってきた.
イノシトールリン脂質による細胞分裂軸の制御機構
豊島文子
細胞が決められた方向に分裂する現象は個体の形づくりに必要不可欠であり,細胞分裂軸の決定には,細胞膜リン脂質ホスファチジルイノシトール3,4,5-トリスリン酸と細胞骨格制御因子との相互作用が重要である.
真核生物のリコンビナーゼによる相同組換え
反応中間体ホリデイジャンクション構造の形成と分岐点移動
村山泰斗・岩崎博史
X字型構造をしたホリデイジャンクション構造は相同組換えにおける代表的な反応中間体である.真核生物において,その形成機構は不明であったが,最近,この形成はリコンビナーゼによって触媒されることが示された.
Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼによるシグナル伝達
スイッチオン/オフの制御機構と疾患とのかかわり
茂里 康・石田敦彦・末吉紀行・亀下 勇
さまざまな生理作用に関与するCa2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼは,自身のリン酸化/脱リン酸化により活性が制御されている.この制御の不全によりさまざまな疾患がひき起こされることが判明した.
ミツバチの“ダンスコミュニケーション”の神経基盤の理解にむけて
野外と室内における新しい2つの実験系
木矢剛智・堀 沙耶香・竹内秀明・久保健雄
ミツバチの“ダンスコミュニケーション”の発見から50年が過ぎたが,なお,その神経基盤は謎に包まれている.この理解にむけて確立した2つの新しい実験系,脳の神経活動マッピングと連合学習系について紹介する.
脂肪酸不飽和化酵素によるエネルギー代謝の調節
宮崎 淳
脂肪酸不飽和化酵素のひとつでオレイン酸を合成するSCD1は,エネルギー代謝を調節しており肥満の創薬標的としても注目される.最近,肝臓におけるこの発現が糖質誘導性の肥満の発症に関与することが証明された.
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