PROTEIN, NUCLEIC ACID AND
ENZYME |
VOL.53 NO.10 2008 |
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A4変型判 100ページ T1105941091588
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ISSN 0039-9450 共立出版株式会社
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細胞内シグナル伝達の新展開
編集 後藤由季子
特集にあたって
後藤由季子
細胞が増殖停止シグナルに応答する分子機構
ユビキチンリガーゼサブユニットFbxw7による制御
小野山一郎・中山敬一
ユビキチンリガーゼのサブユニットであるFbxwは,細胞増殖を促進にはたらく因子c-Mycの分解をとおして細胞周期からの脱出を制御し,造血幹細胞のG0期の維持にもかかわっている.これらの機構を概説する.
接着分子CD44シグナルと癌の浸潤転移能
佐谷秀行・永野 修
接着分子CD44が細胞接着や細胞運動,また,癌の浸潤転移に重要であることは以前より知られていた.くわえて,CD44は癌幹細胞の機能にもかかわることが明らかになりつつある.その秘められたシグナルに迫る.
IRFファミリー転写因子と生体防御シグナル
柳井秀元・谷口維紹
近年の感染防御系における病原体認識機構の解明にともない,多様な生体防御シグナルによるI型インターフェロンの誘導が注目されている.この誘導に中心的な役割をはたしているのがIRFファミリー転写因子である.
組織の恒常性維持にかかわるストレス応答分子としてのカスパーゼ
三浦正幸
アポトーシスの実行因子であるカスパーゼは,ショウジョウバエを用いた遺伝学的な研究から,細胞でのさまざまなストレスによって活性化され,細胞死の実行をとおして細胞の恒常性を保っていることが明らかになった.
ストレスキナーゼの新しい機能
ASKファミリーを中心として
武田弘資・一條秀憲
ASK1は,ストレス応答性MAPキナーゼ系において,ストレスを受容して細胞内シグナルへと変換する役割をもっている.ASK1の活性化機構および生理機能を紹介するとともに,その新たな機能について概説する.
ストレス応答性MAPキナーゼファミリーJNKの機能
森 靖典・後藤由季子
MAPキナーゼファミリーに属するJNKは,ストレス応答刺激によるアポトーシス誘導において中心的な役割をはたすが,それにくわえて,Ca2+依存的な分泌小胞の開口放出の制御にもかかわることがわかってきた.
蛋白質の破壊力学
生命をささえる蛋白質と細胞の力学物性
猪飼 篤
体液Na+レベルの感知機構
野田昌晴
脳はつねに体液中のNa+濃度を監視しており,その変動に応じて水分や塩分の摂取および排泄を精妙に制御している.Na+濃度センサーの実体が判明することにより,Na+のモニタリング機構が明らかになってきた.
花のなかでの受精と細胞間シグナリング
東山哲也
被子植物は重複受精というユニークな受精を行なうが,その分子機構はながらく不明であった.しかし最近,生細胞イメージングによってそのようすを観察することが可能になり,また,細胞間シグナル分子も同定された.
SINEの挿入が哺乳類の脳をつくった
岡田典弘
さまざまな生物種におけるゲノム配列の決定により,脊椎動物において非コード保存領域が発見された.そして今回,哺乳類に特異的な脳の形成に,SINEに由来する非コード保存領域がかかわっていることがわかった.
人工酵素を創る
天然に存在しない反応を触媒する酵素を設計する
ニューロンとグリアへの運命決定
ストレス下での神経分化制御スイッチは長寿遺伝子Sirt1が担う
一塩基から見つめる転写の世界
怪物の元職業は?
正常型プリオン蛋白質の役割
レトロマーとアルツハイマー病
輪送障害が学習障害をひき起こす
新しい赤色蛍光蛋白質の登場
ついにみつかる!グレリンの脂肪酸転移酵素
自己免疫疾患にかかわる環境因子の正体?
リン酸化によるBimの制御機構
酸素を感じる皮膚
■ シリーズ 生命科学のコミュニケーション 最終回 |
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科学技術の社会的問題をめぐる公共的議論
遺伝子組換え作物の問題を例に
平川秀幸
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