PROTEIN, NUCLEIC ACID AND
ENZYME |
VOL.53 NO.2 2008 |
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A4変型判 100ページ T1105941091588
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ISSN 0039-9450 共立出版株式会社
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疎水性物質を運ぶ昆虫の蛋白質
編集 尾崎まみこ・尾崎浩一
特集にあたって
水と油をつなぐもの
尾崎まみこ・尾崎浩一
幼若ホルモンの合成・輸送・作用
神村 学・篠田徹郎
幼虫形質の維持作用をもつ幼若ホルモンは,昆虫特異的な疎水性ホルモンであり,胚発生から生殖まで多彩な生理現象の制御にかかわっている.この多機能なホルモンの合成・輸送・作用について,最近の話題を紹介する.
化学受容にかかわる親油性刺激物質の輸送蛋白質
尾崎まみこ・勝又綾子
昆虫の感覚器で受容される物質の多くは疎水性であり,これらが受容細胞によって認識されるためには,疎水性物質を親水的環境に溶け込ませ輸送する蛋白質が必須である.これを担う一群の低分子蛋白質につき概説する.
リポホリン:昆虫血液中の脂質輸送蛋白質
片桐千仭・茅野春雄
リポホリンは昆虫の血液中の脂質輸送蛋白質であるが,その輸送機構は哺乳類のもつ血漿リポ蛋白質とは異なっている.自然免疫や発生からも注目される,リポホリンの構造と昆虫における脂質輸送機構を中心に解説する.
体色色素カロテノイドの選択的輸送を担う蛋白質
作道 隆・土田耕三
体色を生み出すカロテノイド色素は,ビタミンA前駆体となるなど重要な生理活性脂質である.カ口テノイド色素により繭が黄色になる系統のカイコを用いた研究を中心に,動物のカロテノイド輸送機構について概説する.
視物質の合成とレチノイドの輸送・代謝
尾崎浩一
昆虫と脊椎動物とで視物質として機能するレチノイドの吸収・輸送・代謝には,よく似た蛋白質が関与することが明らかになってきた.ショウジョウバエ突然変異体の研究から得られた知見を中心に,その過程を解説する.
昆虫の脂溶性ホルモン 受容器周辺機構 血漿リポ蛋白質
体色と色素 視物質
微小管ダイナミクスを制御する蛋白質の構造研究
前崎綾子・三島正規・箱嶋敏雄
細胞骨格を構成する微小管の動的な伸長・短縮を制御する機構はながらく不明であったが,近年,それを制御する因子の研究が急速に進んでいる.つぎつぎに明らかになった制御因子の立体構造から,その機能を議論する.
構造が解き明かすアダプター蛋白質Crkの癌化機構
小橋川敬博・田中伸哉・稲垣冬彦
チロキシンキナーゼと低分子量G蛋白質とをリンクするアダプター蛋白質Crkは,癌において発現の増加がみられ,浸潤や転移とも深くかかわっている.今回,Crkの構造から,その癌化機構の一端が解き明かされた.
Ca2+シグナルによる軸索ガイダンスの制御機構
秋山博紀・戸島拓郎・大芦典子・上口裕之
神経回路の形成において,軸索ガイダンス因子はCa2+シグナルを介して軸索の誘引と反発とを誘発する.Ca2+シグナルは,これらまったく正反対の現象をどのように制御しているのだろうか.そのメカニズムを概説する.
多能性を維持する分子機構
ES細胞における新たな転写因子ネットワークモデル
升井伸治・丹羽仁史
ES細胞の多能性はSox2やOct3/4などの転写因子群により維持される.そのうちSox2は,Oct3/4と協働した直接的な多能性遺伝子の活性化ではなく,間接的にOct3/4の発現制御を行なっていた.
癌転移にかかわるマイクロRNAの発見
転移性の乳癌に対する新たな治療法へとつながるか?
アミロイド前駆体蛋白質の細胞内ドメインのはたらきが明かされた!
ニンニクから硫化水素
生合成される“毒ガス3兄弟”が担う生理機能
高脂肪食は概日リズムを変える?
糖尿病・賢臓・血液凝固の三角関係
インターロイキン35は免疫調節機能をもつ
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大岩ゆり
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