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PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME VOL.52 NO.9 2007
    蛋白質 核酸 酵素

8

A4変型判 100ページ T1105941091588

ISSN 0039-9450 共立出版株式会社

 

 ■ 特集

蛋白質動的構造の新しいパラダイム
編集 西村善文

特集にあたって
西村善文・中村春木

天然変性状態と遭遇複合体
菅瀬謙治

天然状態では特定の立体構造をもたないが,ターゲットを特異的に認識して立体構造をとる蛋白質が多く存在する.NMRを用いた蛋白質滴定による方法論を開発し,ターゲット認識と折りたたみのメカニズムを解明した.

新しいNMR手法が明らかにする生体高分子結合過程における中間状態
岩原淳二

生体高分子の複合体の形成過程における中間状態は,平衡系でありその存在比率が低く,動的であるため,実験的解析が困難であった.今回,常磁性緩和促進を利用した新たなNMR法により,中間状態の解析に成功した.

変換系利用NMRによるリガンド分子の標的分子結合状態の構造解析
高橋栄夫・嶋田一夫

生体機能の発現において分子どうしの弱い相互作用が重要となることがあるが,このような複合体の立体構造を解析することは容易ではない.このような弱い相互作用系を交換系NMR法により構造解析した例を紹介する.

転写因子の動的構造と天然変性状態
西村善文

転写因子のなかには,遊離状態ではフレキシブルな変性状態であるが,ほかの分子と結合することにより構造を形成して特異的な結合となるものがある.いくつかの転写因子について,遊離状態と複合体の構造を解説する.

 ■ 今月のKey Words

NMR 緩和 緩和時間の測定 緩和と蛋白質の揺らぎの相関
蛋白質の主鎖と側鎖の揺らぎ

 ■ Fraction Collector

アミロイドカスケードを制する者

HDACからTDACへ
脱アセチル化阻害剤による神経変性保護

ゴミ袋から極秘指令
分泌小胞によるRNAの細胞間輸送

パズルは完成したが,まだピースが余っている
ビタミンC産生経路の完成

引き剥がされて活性化するのか?
結晶構造が明らかにしたNotchの自己阻害機構

光合成系のアンテナ複合体中のエネルギー移動は量子論的なランダムウォークなのか?

癌の転移を決める4つの遺伝子

ストレス応答キナーゼとp53誘導性アポトーシスを仲介する蛋白質

 ■ Review

ナノ酸素呼吸で生きぬくバクテリアの適応戦略
茂木立志

絶対嫌気性細菌のなかにはnMレベルの酸素を利用して呼吸できるものがいた.これは細菌の呼吸鎖のみに存在し,酸素に強い結合親和性をもつ呼吸鎖オキシダーゼによるものだった.微好気呼吸研究の新展開を紹介する.

 ■ Short Review

鉄の多様な作用と毒性
見落とされてきた生体に必須な微量金属

坂田真一・岩井一宏

鉄は生体に不可欠な微量金属であるが,過剰になるとフリーラジカル産出による毒性を示し,その代謝異常は疾患をひき起こす.厳密な制御がなされている鉄代謝の生理学的意義,および,病理学的意義について概説する.

一酸化窒素による小胞体ストレスおよび神経変性疾患の惹起機構
上原 孝

一酸化窒素によるS-ニトロシル化標的のひとつに蛋白質ジスルフィドイソメラーゼがあった.そして,この酵素の機能破綻が小胞体ストレスを惹起し,神経細胞死や神経変性疾患発症につながっている可能性が示された.

植物ポリケタイド合成酵素による分子多様性の創出
阿部郁朗

植物ポリケタイド合成酵素は,医薬資源としても重要なポリフェノールの分子多様性を創出する2次代謝酵素である.構造解析にもとづいた合理的な酵素機能の改変と,非天然型新規ポリケタイドの創出について紹介する.

 ■ シリーズ 幹細胞技術の現状と展望

社会のなかの幹細胞研究
生命倫理から科学コミュニケーションまで

加藤和人・川上雅弘

近年の幹細胞研究の進展はめざましいが,基礎研究および臨床応用を進めるにあたっては,おおくの倫理的・社会的問題が生じる.これに対する研究指針の整備は必須であり,また,分野をこえた対話と協力が求められる.

 ■ シリーズ ライフサイエンス分野の統合データベース

シリーズの開始にあたって

生命科学系データベース統合化の背景
大久保公策

 ■ 最終講義

生命をさぐる学びの道を
八杉貞雄

 ■ Book Review

 ■ Cuvette

 ■ 公募・アナウンスメント

 ■ 次号予告

 ■ 広告索引

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