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PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME VOL.52 NO.8 2007
    蛋白質 核酸 酵素

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A4変型判 100ページ T1105941091588

ISSN 0039-9450 共立出版株式会社

 

 ■ Review

ホヤの胚発生システム
佐藤ゆたか・今井 薫

ホヤは単純なゲノムと単純な発生様式をもつことから,システムレベルでの発生生物学の研究材料として格好の実験動物である.ホヤ胚発生システムの理解をめざした,ゲノム情報からのボトムアップ的な研究を紹介する.

ニューロンはどのようにして固有の受容領域を獲得し,それを維持・管理するのか?
榎本和生

ニューロンは特定の位置に決まったパターンで樹状突起を形成する.このニューロン固有の受容領域は,遺伝的プログラムに加えて細胞外情報により多重に制御されている.受容領域の形成・維持の機構について解説する.

構造が明らかにしたジスルフィド結合の形成機構
稲葉謙次・伊藤維昭

ついに,大腸菌のジスルフィド結合を形成する膜酵素DsbBの結晶構造が解かれた.これにより,ジスルフィド結合形成をともなう蛋白質フォールディングを補助する,細胞システムの巧妙なし<みの全貌が解明された.

生細胞内の分子過程を時空間計測するプローブの関発
佐藤守俊

細胞内の分子過程を可視化する蛍光プローブの開発により,生きた細胞のなかで何が起こっているのかという疑問に答えられるようになってきた.このような技術は,基礎生命科学におけるキーテクノロジーになるだろう.

 ■ Fraction Collector

ティラノザウルスは鳥の仲間?

ホストのご機嫌をうかがうブドウ球菌

輸血用血液の不足を解消する酵素

オトコはせっかちで長続きしない?

糖鎖が細胞の増殖・分化を制御する

コレステロールは膵臓β細胞を鈍感にする
インスリン分泌におけるコレステロール排出の重要性

血小板の寿命を制御する時限装置Bcl-xL

インターロイキン2は自己抗原反応性T細胞の誘導を抑制する

 ■ 最終講義

NMRをとおして生命のしくみを探る
阿久津秀雄

 ■ Short Review

non-coding RNAの新しい機能
転写干渉による空間特異的な転写制御
広瀬 進

ショウジョウバエにおいて,空間特異的に発現する遺伝子につき発現細胞と非発現細胞とに分けて解析することで,non-coding RNAによる転写干渉が空間特異的な転写制御にかかわることが明らかにされた.

紡錘体極形成の新たなメカニズム
Kizunaによる中心体の構造安定化の重要性

大杉美穂・押森直木・山本 雅

中心体が紡錘体極形成の際に中心器官として機能するためには何が必要なのか? M期キナーゼPlk1の基質として同定された,紡錘体極としての中心体を崩壊から守る分子Kizunaは,その答えのひとつであった.

ローリングサークル型DNA複製
ミトコンドリアDNAコピー数制御機構の新しい普遍的モデル

凌 楓・堀 晶子・吉田 稔・柴田武彦

ミトコンドリアDNAの複製と分配は組換え開始機構に依存していることが明らかにされた.これにより,酸化ストレスの増加によりミトコンドリアDNAのコピー数が増える現象について,合理的な説明が可能となった.

キネシンのPIP3輸送による神経細胞の極性決定
山田(堀口)かおり・花田俊彦・Athar H. Chishti

神経細胞の極性形成は軸索となる神経突起先端にPIP3が蓄積することでひき起こされる.この蓄積は局所的なPIP3産生によると思われていたが,キネシンによりPIP3が直接輸送されていることが見いだされた.

神経栄養因子BDNFの機能変調と精神疾患の関係
小島正己

神経栄養因子は神経細胞の分化,成熟,維持を促進する液性因子群である.脳由来神経栄養因子BDNFに焦点をおき,BDNFの機能変調と精神疾患との関係,一塩基多型によるBDNF機能の修飾などにつき解説する.

 ■ シリーズ 幹細胞技術の現状と展望

成体に存在する多能性幹細胞
森川 暁・馬渕 洋・松崎有未

幹細胞は再生医療における移植細胞供給源として期待され,なかでも体性幹細胞は,分化能は限られているものの倫理的問題が小さいとされている.ここではとくに,間葉系幹細胞および成体多能性幹細胞について解説する.

 ■ Book Review

 ■ Cuvette

 ■ 公募・大学院・アナウンスメント

 ■ 次号予告

 ■ 広告索引

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