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PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME VOL.52 NO.5 2007
    蛋白質 核酸 酵素

5

A4変型判 100ページ T1105941091588

ISSN 0039-9450 共立出版株式会社

 

 ■ Review

インスリン様シグナル伝達経路の学習におけるはたらき
飯野雄一・富岡征大

インスリンと記憶・学習にはなんの関係もないように思えるが,実は密接なつながりのあることが線虫を用いた研究から明らかになってきた.ヒトにおいては,インスリンを嗅ぐと記憶力がよくなるという実験もあるのだ.

多剤排出トランスポーターの構造と機能
結晶構造から明らかになった機能的回転メカニズム

村上 聡

細胞膜にある多剤排出トランスポーターは,多種多様な薬剤を認識し菌体外へ排出する.その中間状態の結晶構造解析により,多基質認識と分子輸送のメカニズムが明らかになり,多剤耐性の克服への期待が高まっている.

RNAに依存した遺伝暗号形成のメカニズム
濡木 理

蛋白質は20種のアミノ酸から構成されるが,生命誕生初期には数種のアミノ酸しかなかったと考えられる.構造生物学の進展により,RNAに依存しながら新規アミノ酸が遺伝暗号に加えられたしくみが明らかになった.

 ■ シリーズ 幹細胞技術の現状と展望

中枢神経系における幹細胞治療
網膜再生をめざして
小坂田文隆・高橋政代

哺乳類の成体脳におけるニューロン新生が明らかとなり,幹細胞を用いた中枢神経系の再生医療に対する期待が高まっている.網膜再生の試みを中心にその可能性について議論し,神経再生医療の現状と問題点を解説する.

 ■ Fraction Collector

求めるべきは“濃度”か?“情報”か?

small activating RNA
遺伝子発現を活性化する2本鎖RNA

進化の原理に挑む
進化実験で明らかになる適応度の地形

学習はアルツハイマー病予防に効果あり

回転する酵素の生い立ちは?
ATP合成酵素とよく似た蛋白質の話

消えたミトコンドリアDNA

新たな細胞死と感染防御
好中球は抗菌アミでバイ菌を退治する

結腸癌の幹細胞をみつけた

またひとつクローン病の関連遺伝子がみつかった

 ■ Short Review

細胞分化を制御する核輸送因子importin α
安原徳子・米田悦啓

核・細胞質間の蛋白質輸送は細胞内のさまざまな情報伝達に不可欠である.この輸送を担う輸送因子importin αの発現変化が細胞分化にも必要であることが明らかになり,細胞分化の研究に新たな展開がみられた.

受精卵におけるエピジェネティック不均等性の成立機構
中村肇伸・仲野 徹

哺乳類の初期発生において,精子と卵子にそれぞれ由来するゲノムのクロマチン状態には大きな違いがあり,この差異はエピジェネティック不均等性とよばれている.この不均等性がどのように獲得されるのかを概説する.

マウスの内在性アンチセンスRNA
清澤秀孔

近年,多くのnon-coding RNAが見いだされているが,そのうち,蛋白質をコードする遺伝子のアンチセンスRNAに機能があるのか注目されている.最新の発現解析より得られた知見からその可能性を探る.

てんかん関連蛋白質LGl1はシナプス伝達を制御する
深田優子・岩永 剛・深田正紀

互いに無関係に思えた3つのてんかん関連遺伝子産物がシナプス蛋白質複合体を構成し,てんかん関連分泌蛋白質LGl1がこれに結合することで,興奮性シナプス伝達を制御するという新しい制御機構が明らかになった.

2次元ゲル電気泳動と質量分析を用いた
蛋白質のリン酸化および糖鎖修飾の微量解析
武森信暁・小森直香・松本博行

蛋白質はリン酸化や糖鎖修飾などの翻訳後修飾により機能制御されるが,その理解には修飾蛋白質そのものを解析しなければならない.その方法として2次元ゲル電気泳動と質量分析を組み合わせた微量解析法を紹介する.

脂質二重膜をもつ大型ウイルス群の系統的単一性と太古の起源
山田 隆

細菌よりも大きなゲノムをもつ一群のウイルスがみつかった.これらは粒子内に脂質二重膜をもち,41個のコア遺伝子をもつ先祖ウイルスから進化したと考えられ,細胞性生物の起源と進化にもかかわった可能性がある.

 ■ 学会見聞紀

2007年 AAAS年次大会に参加して:サンフランシスコ
白楽ロックビル

 ■ Book Review

 ■ Cuvette

 ■ 公募・大学院・アナウンスメント

 ■ 次号予告

 ■ 広告索引

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