PROTEIN, NUCLEIC ACID AND
ENZYME |
VOL.52 NO.4 2007 |
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A4変型判 100ページ T1105941091588
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ISSN 0039-9450 共立出版株式会社
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回転分子モーターのナノサイエンス
編集 野地博行・本間道夫
特集にあたって
野地博行
ナノ技術を用いたF1-ATPaseの力学エネルギー-化学エネルギー変換の計測
野地博行
F1-ATPaseは,ATP加水分解のエネルギーを運動エネルギーに変換する回転分子モーターである.今回,μmサイズの試験管に閉じ込めることで1分子のF1-ATPaseにおける化学反応効率を計測できた.
バクテリア超分子ナノべん毛モーターの回転測定
曽和義幸・福岡 創・本間道夫
べん毛におけるエネルギー変換とモーターの回転メカニズムは大きな謎であった.遺伝子工学による測定に適した大腸菌変異体の作製と,最新の1分子計測法によって,回転は小さなステップの連続であることがわかった.
化学反応の1分子イメージング技術
回転分子モーターへの応用
西坂崇之・政池知子
回転分子モーターのなかでは何が起こっているのか.全反射型顕微鏡により蛍光色素1分子の向きを高精度で検出することが可能になり,F1-ATPaseがATPを結合・分解・解離するようすをはじめて画像化した.
MEMS技術を利用した膜蛋白質の機能計測
竹内昌治
これまで困難であった脂質二重膜の安定した再構成が,MEMS技術を応用することで可能になった.このMEMS技術につき概説するともに,効率的な脂質二重膜の再構成法と膜蛋白質の機能解析の取り組みを紹介する.
分子シミュレーションによるF1-ATPaseの構造機能解析
林 重彦
回転分子モーターであるF1-ATPaseの機能解析のため行なわれてきたさまざまな分子シミュレーションを紹介するとともに,F1-ATPaseの構造変化のダイナミクスとエネルギー変換の分子機構を解説する.
V-ATPaseの新しい機能とその構造からみえてきたメカニズム
村田武士・山登一郎・柿沼喜己・横山 謙
生物界に広く分布し、ほとんどの膜系に存在するV-ATPaseの多彩な機能について述べる.V-ATPaseの中央回転軸の構造はF-ATPaseとは異なることが明らかになり,イオン輸送モデルが提唱された.
蛍光分子の向きを検出する方法論 ハイブリッドQM/MM法 MEMSとμTAS
■ ロックビルのヨーロッパの日本人バイオ研究者(最終回) |
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欧州旅行を終えて
エピソード編
栄養源に応答したプロテインキナーゼTORによるリボソーム合成制御
丑丸敬史・塩田 良
老化・寿命,癌,肥満に深く関与するプロテインキナーゼTORは,栄養源の有無に応答しリボソーム合成を多段階で制御する.最近,明らかになったリボソーム成熟過程の制御を中心に,これらの機構について解説する.
炎症を緩和するケミカルメディエーター
オメガ3脂肪酸に由来するレゾルビンとプロテクチン
有田 誠・Charles N. Serhan
炎症反応は外傷や感染に対する生体防御システムである.炎症の収束過程には脂質メディエーターの関与が注目されており,網羅的な解析から,オメガ3脂肪酸由来の新規な抗炎症性脂質メディエーターが見いだされた.
精子幹細胞と多能性幹細胞
小川毅彦
精子幹細胞を培養により増殖させることが可能になり,発生工学の新たなツールとして期待されている.また,精原幹細胞からは得られないとされてきた多能性幹細胞が,培養を続けると樹立できることも明らかとなった.
“沈黙”は“同意”にあらず
コドン同義変異でも異なった機能の蛋白質が産生される例
ナトリウムチャンネルが痛さの決め手
脳の中を見透かす
マウス脳内2万個の遺伝子の網羅的発現マップ
ネアンデルタール人のゲノム解析
2つのゲノム配列決定手法
宿主の遺伝子発現をあやつる細菌蛋白質
転写因子NFκBが乳癌細胞の骨転移にかかわる?
早寝早起きの謎
時計蛋白質のリン酸化と家族性睡眠相前進症候群
“抜け穴”を探せ!
脂溶性ビタミンの細胞膜輸送機構
これはひとりの科学者にとってだけの悪夢だったのか!?
戻れ!活性よ,構造よ−リフォールディングキットの中身と原理
iFOLDTM Protein Refolding System シクロアミロース TAPS-sulfonate
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