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PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME VOL.52 NO.2 2007
    蛋白質 核酸 酵素

2

A4変型判 100ページ T1105941091588

ISSN 0039-9450 共立出版株式会社

 


 ■ 特集

内胚葉分化の分子メカニズム
編集 菊池 裕

序論:器官形成から再生をめざして
菊池 裕

脊椎動物における内胚葉形成の分子機構
溝口貴正・菊池 裕

消化器官を構成する内胚葉の形成には脊椎動物で共通した機構が関与していることが明らかになってきた.ゼブラフィッシュを用いた解析を中心に,脊椎動物の内胚葉形成機構,内胚葉と中胚葉の分離機構につき解説する.

消化管の進化的起源
刺胞動物ヒドラにおける基本構造と機能

清水 裕・岡部正隆

ヒドラの消化管は長さ数ミリメートルの壷状で,数メートルにも達するヒト消化管とは対極をなす.しかしその構造・運動・機能は驚くほど似ており,消化運動の基本は細胞体制進化のごく初期に獲得された可能性がある.

ショウジョウバエの消化管形成と機能分化
中越英樹・松野健治

ショウジョウバエ消化管の遺伝的解析により消化管原基の細胞運命決定経路が明らかとなり,それらの進化的な保存も示された.また,銅吸収や酸分泌能の可視化が可能なため,細胞機能分化の解析系としても注目される.

胃・腸形成における上皮間充織相互作用
福田公子・木村 航・八杉貞雄

食物摂取や消化・吸収の機能を担う消化管は,中胚葉からのシグナルにより内胚葉が領域化され,上皮間充織相互作用をくり返すことにより3次元構造と機能的な分化が誘導される.胃と腸を例にその形成機構を解説する.

肝臓発生を制御する転写制御因子群
横内裕二

近年の技術的進歩により,肝特異的代謝酵素の機能が明らかとなりつつあり,肝細胞分化の理解が進んできた.領域化や増殖制御など,肝臓の発生段階を調節する転写制御因子群の機能について,発生段階ごとに概説する.

消化器官における幹細胞研究の動向
粂 昭苑・谷口英樹

幹細胞を移植細胞源とした再生医学研究が注目されている.研究現場ではどこまでわかっているのか,膵臓を中心に,その発生・分化,消化器官における体性幹細胞の実体,および,胚性幹細胞からの分化誘導を紹介する.

 ■ 今月のKey Words

内胚葉 上皮間充織相互作用 胚性幹細胞 体性幹細胞

 ■ ロックビルのヨーロッパの日本人バイオ研究者

シメレ恭子(スイス)

 ■ Short Review

減数分裂期のテロメアブーケ
平岡 泰

多くの生物種において,減数分裂の一時期に,染色体が末端テロメアで束ねられて花束(ブーケ)のような形を呈することが知られている.最近,分裂酵母の研究から,テロメアブーケ形成の仕組みが明らかになった.

出芽酵母ゴルジ体における槽成熟過程のイメージング解析
竹内雅宜・時田公美・中野明彦

ゴルジ体は細胞内蛋白質輸送の仕分け装置としてはたらく重要なオルガネラである.出芽酵母生細胞の高速3次元共焦点顕微鏡によるイメージング解析によって,そのダイナミックな槽成熟過程がはじめて明らかにされた.

 ■ シリーズ 幹細胞技術の現状と展望

胚葉をこえた多分化能と自己細胞移植治療への可能性
出澤真理

骨や心筋に分化する間葉系細胞から,神経細胞,シュワン細胞,骨格筋細胞を選択的に誘導することに成功し,胚葉をこえた分化転換システムが見いだされた.発見の経緯と自己細胞による移植治療の意義について考える.

 ■ Fraction Collector

雑音に惑わされよ!
ヒト細胞蛋白質発現のノイズによる多様性

神経栄養因子のSNPsモデルマウスの誕生
コホート研究の問題点をマウスが解決する可能性

霊長類から人類へ,急速に進化した小さなRNA

血液凝固抑制因子が出血リスクを軽減する

環状ペプチドはホヤの抗体?

光合成の起源
それはシアノバクテリアからはじまった?

樹状細胞のMHCIIの再配置はユビキチン化で制御される

安定化したBH3ドメインはBaxに直接に結合して活性化する

 ■ 実験キット解体新書

染めた!見た!勝った! ウェスタンブロッティング必勝法
ProtoBlot(R)II AP System with Stabilized Substrate DAB Substrate Kit
ECL Western Blotting Detection System

 ■ Book Review

 ■ Cuvette

 ■ 公募・大学院・アナウンスメント

 ■ 次号予告

 ■ 広告索引

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