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PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME VOL.51 NO.15 2006
    蛋白質 核酸 酵素

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A4変型判 100ページ T1105941091588

ISSN 0039-9450 共立出版株式会社

 

 ■ Review

細胞極性の位置情報としてのWntシグナル
澤 斉

細胞が極性をもつには細胞のどちら側に分子を局在させるか,つまり位置情報が必要である.Wntシグナルはさまざまな細胞の極性化に関与している.Wntが極性の位置情報として働きうるか,最近の知見を紹介する.

ニッチにおける幹細胞の非対称分裂のメカニズム
山下由起子

幹細胞の非対称分裂は,幹細胞と分化細胞のバランスを保ち,生体の恒常性を保証するメカニズムのひとつである.ニッチとよばれる微小環境のなか,幹細胞が非対称分裂を行なう分子メカニズムが明らかになりつつある.

ジベレリンの核内受容体の単離とシグナル伝達
上口(田中)美弥子・芦苅基行・中嶋正敏・松岡 信

植物ホルモンのひとつ,ジべレリンの受容体の正体は長く謎であった.ごく最近,イネの極矮性非感受性変異体の原因遺伝子がジベレリン核内受容体をコードしていることがわかった.そのシグナル伝達とあわせ解説する.

 ■ Short Review

トランストランスレーション
2本のRNAから1本のペプチドを合成する仕組み
姫野俵太・武藤 c

翻訳が停滞したときそれを解消する変則的な翻訳,トランストランスレーションでは,2分子のmRNAから1分子のペプチドをつくり出す.そこには,tRNAとmRNAの両方の働きをする2つの分子が関与していた.

精神疾患はスパインの病気?
内匠 透

ニューロンのもつスパインの形態の多様性が,シナプスそして脳機能の多様性を生む.精神疾患はスパインの異常であるという仮説のもと,mRNAのニューロン内移行と局所的翻訳により精神機能を説明できるだろうか.

ボツリヌス毒素の機能とそのサブユニット構造
大山 徹

自然界で最強の毒素であるボツリヌス毒素は,無毒成分蛋白質と結合して複合体を形成し,その働きによって標的の神経細胞まで送達される.この送達システムを支える,毒素複合体の特異な構造が明らかになりはじめた.

食べるワクチン米を用いたアレルギーや感染症の治療戦略
高木英典・高岩文雄

植物でワクチン抗原を生産する“食べるワクチン”は,簡便かつ安全で,安価に大量に生産できる次世代型の経口粘膜ワクチンである.花粉症やコレラに対し開発が進む“食べるワクチン米”の開発状況と課題を解説する.

 ■ ゲノム情報

ミツバチゲノムの解読
社会性行動や認知をささえる遺伝子基盤解明へのマイルストーン
門脇辰彦

昆虫のなかでも,社会性行動,高い認知能力,カース卜制という特徴的な形質をもち,農業生産に多大な影響を及ぼすミツバチのゲノムが解読された.その解読結果について,ほかの昆虫ゲノムとの比較を中心に紹介する.

 ■ シリーズ 幹細胞技術の現状と展望

マウス線維芽細胞から誘導多能性幹細胞をつくる
山中伸弥・高橋和利

マウス線維芽細胞に4つの転写因子を導入することによって,ES細胞に似た多能性幹細胞を樹立することに成功した.これにより,患者と同じ遺伝情報をもつ多能性幹細胞を作製し再生医療に応用する可能性が示された.

 ■ Fraction Collector

蛍光蛋白質で分子の数と動きを測定する
機能的単一膜蛋白質複合体の構成分子の出入りとその分子数

スプライシングを受けた“ログ”をmRNAに残す
エキソンジャンクション複合体の3次元構造

遺伝子機能の新たなサイレンシング法が登場!
迅速かつ可逆な蛋白質レベルでのノックダウン

ED治療薬の神経保護効果

盗掘を防ぐためにピラミッドを爆破?
βセクレターゼ阻害薬の副作用の可能性

神経細胞と神経幹細胞のアポトーシスは別物

眼胞形成を単一細胞の動きから解析する

p53はプロリン水酸化酵素遺伝子の転写促進を介して腫瘍形成を抑制する

オーファン受容体RORγtはTh17細胞を誘導する

 ■ Laureate

2006年ノーベル医学生理学賞 RNAi, FireとMello
塩見春彦・塩見美喜子

2006年ノーベル化学賞 Roger Kornberg博士の受賞に思う
深沢俊夫

 ■ ロックビルのヨーロッパの日本人バイオ研究者

望月一史(オーストリア)

 ■ 実験キット解体新書

絶対増やすぞPCR
LA PCR Kit Ver.2.1 KOD-Plus- PCRオプティマイザーキット

 ■ Book Review

 ■ Cuvette

 ■ 公募・大学院・アナウンスメント

 ■ 次号予告

 ■ 広告索引

 ■ 2006年度 総目次

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