PROTEIN, NUCLEIC ACID AND
ENZYME |
VOL.51 NO.4 2006 |
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A4変型判 100ページ T1105941091588
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ISSN 0039-9450 共立出版株式会社
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細胞核とクロマチン
ヒストンコードを超えて
編集 木村 宏
序に代えて:
クロマチン機能の頑強性と可塑性を支える細胞核構造
木村 宏
細胞核・クロマチンのダイナミクス
斉藤典子・青戸隆博・丁秀鎮・中尾光善
細胞核内には染色体や核内構造体が不均一に存在し高度に区画化されている.さまざまな核内構造体の機能を紹介するとともに,染色体や遺伝子の核内での配置が遺伝子発現制御に重要な役割を果たしていることを述べる.
DNA修復とクロマチン構造変換
井倉 毅・田代 聡
DNA損傷部位でのクロマチン構造変換が注目されている.ここでは,ヒストンの化学修飾にくわえ,ヒストンバリアントの交換が起こっていることが示された.クロマチン構造変換とDNA修復機構との関係を解説する.
遺伝子再編成におけるクロマチンのダイナミクス
縣 保年
抗原受容体遺伝子の遺伝子再編成は,遺伝子座のヒストン修飾変化に起因するクロマチン構造変換による制御にくわえ,核内での局在や伸縮状態のダイナミックな変化によっても制御されていると考えられるようになった.
セントロメアクロマチン上に集合するキネトコア蛋白質のダイナミクス
堀 哲也・深川竜郎
セントロメア領域は周辺とは異なったクロマチン構造をもっており,ここにキネトコア構造が形成される.最近,フォトブリーチ解析によりキネトコア蛋白質のダイナミックな動態が観察され,機能解析が進められている.
歯の形成を制御する因子
新規分泌性BMPアンタゴニスト,ectodinの発見
葛西義明・伊藤信行
分泌性蛋白質ectodinはBMPのアンタゴニストであって,正常な歯の本数の決定や歯の表面パターンの形成に必要不可欠であることが明らかとなった.Ectodinによる歯形成のメカニズムについて解説する.
脂質を動かすABC蛋白質
植田和光・高橋 圭・小林 綾・松尾道憲
脂質の細胞内での輸送メカニズムはほとんどわかっていなかったが,近年,ABC蛋白質が脂質トランスポーターとしての機能をもつことが明らかとなりつつある.ABC蛋白質の生理的役割とその機能について概説する.
ヒストン,ヌクレオソーム,クロマチン ヒストンバリアント
ヒストンコード仮説 フォトブリーチ解析 クロマチン免疫沈降
興奮性シナプスのアクチン結合蛋白質
その動態と機能
関野祐子・白尾智明
神経細胞の樹状突起にはスパインとよばれる突起があり,そのアクチン細胞骨格はシナプス可塑性にかかわる可能性が示唆されている.スパインにおけるアクチン再編成とアクチン結合蛋白質が担う役割について解説する.
6配位型グロビンの生理的謎
構造的観点からの考察
宇野公之
多くの生物種において,ヘム鉄に6つの配位子をもつ6配位型グロビンが発見されているが,酸素を運搬・貯蔵する5配位型ヘモグロビンとは機能的に異なるようである.その生理的役割について構造的観点から考察する.
新規カルシウム結合蛋白質による
Na+/H+交換輸送体の機能制御機構
清水敏之・三島正規
カルシニューリン様の新規カルシウム結合蛋白質により,細胞の恒常性維持にかかわるNa+/H+交換輸送体の活性が制御されていることが明らかになってきた.これらの立体構造解析からその活性制御について論ずる.
蛋白質を現地生産で効率よくつくる
新しいスプライシング制御機構
miRNAが神経細胞のスパイン形成に関与する
エネルギー産生効率化で長寿
ラットのカロリー制限による長寿の分子メカニズム
ミクログリア由来のBDNFが神経因性疼痛に関与する
カスパーゼ-8は神経芽細胞腫の転移性を決める
ウイルスの侵入には2つのドアを開けることが必要
ウイルス由来FLIPであるMC159はDISCを分散させる
研究成果の新しい発表形式の必要性:データ捏造事件について
矢原一郎
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