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PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME VOL.51 NO.3 2006
    蛋白質 核酸 酵素

3

A4変型判 100ページ T1105941091588

ISSN 0039-9450 共立出版株式会社

 


 ■ Review

ゲノムを次世代に伝えるナノファイバー
スピンドル微小管のダイナミクス

木下和久

ゲノムを子孫細胞に分配するスピンドルの働きは,直径4000万分の1メートルのナノファイバー,微小管によって支えられている.スピンドルファイバー研究の歴史を追いながら,微小管ダイナミクスの分子機構を概説する.

centralspindlinからみた細胞質分裂研究の進展
三嶋将紀

キネシン様蛋白質とRhoGAPからなる複合体centralspindlinの同定,および,そのRhoGEFとの結合の発見を契機として,動物細胞の細胞質分裂における分裂面決定の分子機構が明らかになりつつある.

哺乳類初期発生運命決定における転写因子の相克
丹羽仁史

組織特異的な転写因子による分化運命の決定は,発生過程を制御する鍵となる現象である.マウス初期発生過程における転写因子の機能解析から,2つの分化運命を自律的・排他的に分ける新たな機構が見いだされた.

なぜ植物はRNA編集をやめないのか
鹿内利治

mRNA上で遺伝情報を書き換えるRNA編集は,セントラルドグマからはみ出す,謎に満ちた遺伝子発現調節機構である.シロイヌナズナを用いた分子遺伝学的研究により,RNA編集装置の一端がはじめて明らかになった.

植物の全身を長距離移行する蛋白質とRNA
青木 考

植物の体内では,蛋白質やRNAが師管を通路として器官から器官へと全身を動き,長距離シグナル伝達物質として機能していることがわかってきた.その動きは分子レベルで調節されており,複数のステップで制御されている.

 ■ リレーエッセイ 研究の森の中から

日常の小さな論理
有意の桁数

鈴木邦彦

 ■ Short Review

成体海馬におけるニューロン新生
久恒辰博・戸塚祐介・福田 諭

ヒト成人の脳においても,記憶にかかわるとされる海馬では日々新しくニューロンが生みだされている.まだその機能は不明だが,このニューロン新生が学習行動による刺激によって高まることがわかってきた.

発生過程における組織の厳密な領域化のメカニズム
ショウジョウバエ成虫肢形成過程における解析

小嶋徹也

発生過程において,組織は領域特異的に発現する転写因子によって順序よく領域化される.正確な領域化には,転写因子どうしの相互発現制御が重要な役割を果たしており,そのメカニズムの理解が進んでいる.

酵母単一生細胞の時空間分解ラマン分光
黄 郁珊・M口宏夫

時空間分解ラマン分光法は,生きた単一細胞の生命現象に対応する生体物質の変化を,実時間,実空間,非侵襲かつ分子レベルで捉えることができる新しい物理化学的手法である.分裂酵母への応用を例として解説する.

蛋白質構造変化の源はゆらぎ
分子結合に伴う蛋白質立体構造変化の理論

池口満徳・木寺詔紀

蛋白質の立体構造変化は,生命現象において重要な役割を担っている.分子結合による蛋白質の構造変化について,歴史的なモデルから最新の線形応答理論によるモデルまでを紹介し,その有効性を検討する.

 ■ Fraction Collector

プロテインチップを用いたシグナル伝達系の解析

アセトアミノフェンの標的COX3はやはり幻か

味覚のシグナル伝達はATPがやっていた!

Wnt刺激から核内へ
その独特なシグナル伝達様式

癌の転移先はひそかに決められている
癌の転移の驚くべき分子機構

寄生原虫,その七変化の極意
トキソプラズマ原虫の形態変化とエピジェネティクス

 ■ Book Review

 ■ Cuvette

 ■ 公募・大学院・アナウンスメント

 ■ 次号予告

 ■ 広告索引

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