PROTEIN, NUCLEIC ACID AND
ENZYME |
VOL.51 NO.2 2006 |
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A4変型判 100ページ T1105941091588
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ISSN 0039-9450 共立出版株式会社
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感染症における細胞貧食の役割
宿主と微生物の攻防
編集 中西義信・住本英樹
感染症における細胞貧食の役割
知識と課題の整理
中西義信
感染症は多くの人命を奪う重大な疾患であり,免疫細胞はその原因となる微生物を直接または間接に殺傷する.間接的な反応である液性免疫に比べ理解が遅れている,直接的な反応である細胞貧食の知識と課題を整理する.
食細胞による微生物の取り込みと殺菌
水上令子・武谷 立・住本英樹
微生物が食細胞に取り込まれる際には,細胞表面の異物を認識する受容体からシグナルを受け進行する.異物を取り込んだ食胞は成熟し殺菌能を獲得するが,そこでは食細胞NADPHオキシダーゼが重要な役割を果たす.
細菌がマクロファージによる貧食と殺菌を回避するしくみ
山本友子・高屋明子
細菌はマクロファージにより取り込まれ殺菌される.しかし,この殺菌機構を回避し,マクロファージ内で増殖が可能な細胞内寄生細菌が存在する.これらのエスケープ機構は一様ではなく,独自の戦略を進化させている.
オートファジーによる宿主防御
山口ひとみ・吉森 保
自己成分の分解系と考えられていたオートファジーが,細胞に侵入した病原性微生物の分解にもはたらいていることが明らかになった.オートファジーによる宿主防御機構について,近ごろ得られた知見を中心に紹介する.
寄生虫に対する貧食
“似て非なる者”の認識メカニズム
青沼宏佳・嘉糠洋陸
マラリア原虫など寄生虫は,細菌やウイルスとは異なり,宿主であるヒトや媒介動物と同じ真核生物である.一見すると免疫応答が困難なこの病原体に対し,貧食による排除メカニズムが重要であることが明らかになった.
ウイルス感染細胞の貧食除去機構と病態生理学的意義
白土明子・中西義信
ウイルスは宿主の代謝装置を使って増殖するため,宿主細胞を傷つけないでウイルスを排除することはむずかしい.また,ウイルスは宿主のアポトーシスも制御しており,宿主免疫系はここに布陣した防御を行なっている.
免疫細胞による微生物の認識 自然免疫と獲得免疫 食細胞
常在微生物叢 クラスリン 低分子量G蛋白質
アポトーシス細胞表層の構造変化 抗原提示 オートファジー
気孔のパターン形成と分化
細胞間シグナル伝達機構の新知見
鳥居啓子
陸上植物は状況により気孔を開閉することでガス交換や体内の水分移動を調節している.シロイヌナズナ突然変異体を用いた研究から,気孔のパターン形成と分化を制御するシグナル伝達機構の実態が明らかになってきた.
開けて,はめて,閉める
電子顕微鏡で捉えたDNAクランプはめ込みのメカニズム
宮田知子・鈴木博文・大山拓次・森川耿右
DNA鎖を中に通すリング状の分子クランプと,DNA鎖にクランプをはめ込むクランプローダーは,DNA複製機構に必須である.これらの3次元構造が解析され,クランプはめ込みメカニズムの解明に大きく近づいた.
テロメア複製の分子機構
DNA損傷修復過程との類似性とその意味
松浦 彰
テロメアをもつ正常な染色体末端は,傷として生じる末端とは区別されねばならない.しかし,損傷末端の修復にかかわる因子が,正常末端の複製にも必要なことが明らかとなった.この逆説的な現象に分子レベルで迫る.
背中合わせより,向かい合わせのほうが好都合?
トランスロコンのアセンブリー様式
マリファナは精神疾患の治療に有効なのか?!
お茶でボケ封じ?!
カテキン成分がβアミロイドの分解を調節
新たにわかったホメオドメイン蛋白質の役割
En-2は網膜線維の標的選択に直接かかわっている
G蛋白質共役受容体によるG蛋白質非依存経路
心肥大をひき起こすシグナル
T細胞の抗原刺激
T細胞受容体の小さなクラスターがシグナル伝達に重要
Akt1 はin vivoにおける血管形成を制御する
チンパンジーゲノム概要版配列の解読
渡邉日出海・服部正平
研究の森の中から
ミトコンドリアを大切にしよう
オランウータンの叫び
鴨下重彦
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