PROTEIN, NUCLEIC ACID AND
ENZYME |
VOL.50 NO.15 2005 |
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A4変型判 100ページ T1105941091588
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ISSN 0039-9450 共立出版株式会社
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数理生物学
編集:巌佐 庸
特集にあたって
巌佐 庸
生物時計をつくり出す遺伝子-蛋白質ダイナミクス
黒澤 元
概日リズムは細胞レベルの複雑なダイナミクスにもとづいてつくり出されている.遺伝子-蛋白質ネットワークを比較し,概日リズム形成のための条件を調べることにより,そのメカニズムの一端が明らかになりつつある.
細胞の反応ゆらぎとシグナル伝達
柴田達夫・上田昌宏
細胞の情報プロセスは,確率的に動作する分子機械とノイズを伴うシグナルで構成されるが,ノイズはどのくらい生成され,どのように伝搬されるのだろうか.走化性シグナル伝達系を例に,理論と実験の両面から考える.
何が細胞の多様性をつくり出すのか?
望月敦史
複雑な体のもとになる多様な細胞種はどのようにつくられるのだろうか? 数理モデルにより導かれた答えは,遺伝子数には影響されず,遺伝子相互作用ネットワーク中のループ構造が不可欠である,というものであった.
発生生物学におけるチューリング系の応用
四肢骨格のパターン形成を例として
三浦 岳
発生段階においては,自発的なパターン形成により周期構造が生じることがあるが,この現象をモデル化する際には,チューリングの反応拡散系が広く使われている.四肢骨格のパターン形成を例に,その応用を紹介する.
発癌プロセス
体内でのミニ進化
巌佐 庸
癌とは,幹細胞に複数の突然変異が蓄積して細胞が際限なく分裂することである.発癌を進化プロセスとして解析することで,染色体不安定が発癌リスクを高めること,組織構造が発癌リスクを抑えることなどがわかった.
mRNAの翻訳制御をつかさどる細胞質mRNP顆粒
中村 輝・佐藤啓二
卵形成過程では,翻訳は母性mRNAに特異的に結合する翻訳制御因子によって,しばしば時空間的制御を受けている.また,翻訳制御因子は,進化的に保存された細胞質mRNP顆粒を形成していることもわかってきた.
ものの見え方を決める分子メカニズム
橘木修志・河村 悟
明るいときと暗いときでは,光を検出する細胞が異なるためものの見え方が異なる.これら細胞は光刺激に電気的に応答するという同じ機能をもちながら,なぜ見え方が異なるのか.そのメカニズムが明らかになってきた.
安定性 自己組織化 確率分布 微分方程式
2005年度 総目次(巻末)
オオヒメグモ胚における体軸形成機構
放射相称から左右相称への変換
秋山-小田康子・小田広樹
クモの胚では,同じ節足動物に属するショウジョウバエのモザイク的な体軸形成とは異なり,調節的な体軸形成を行なう.そのとき,細胞の移動により,胚が放射相称から左右相称へと変換することが明らかになってきた.
癌幹細胞の同定とその意義
瀬戸口啓夫・近藤 亨・田賀哲也
腫瘍組織中において,自己複製能と無制限の分裂能力をもつ癌幹細胞の存在が明らかになり,癌幹細胞が癌の再発や転移に関与していることが示唆されている.癌治療のためにも重要であろう,その最新の知見を概説する.
超高速ゲノムシークエンス
コンビニで自分のゲノム情報が得られるようになる?
いまもなお進化する脳の大きさを決める遺伝子
肝心なのは発達初期?
不安とセロトニントランスポーター遺伝子の多型との関連
翻訳調節機構は記憶の制御に必要である
翻訳開始因子リン酸化酵素GCN2ノックアウトマウスの機能解析
ワインはアルツハイマー病に有効だ!??
抗酸化ポリマーの開発
効率のよいDDSとなるか?
大腸がんにおけるAPCと転写因子c-Junの相互作用
新たな治療のターゲット
Clusterinは活性化型Baxと結合する
新たなBax阻害様式
マラリア原虫の赤血球侵入経路切り換えの分子機構
細胞の運命決定制御
秋田大学大学院医学研究科 構造機能系専攻
「個」を理解するための基盤生命学の推進
東京大学大学院理学系研究科 生物科学専攻
先端生命科学の融合相互作用による拠点形成
京都大学大学院生命科学研究科 統合生命科学専攻
食資源動物分子工学研究拠点
近畿大学大学院生物理工学研究科 生物工学専攻
大学における利益相反行為
矢原一郎
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