PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME |
VOL.50 NO.5 2005 |
|
5
|
A4変型判 100ページ T1105941091588
|
ISSN 0039-9450 共立出版株式会社
|
|
オートファジー:細胞の新生戦略
水島 昇
オートファジー(自食作用)とは,“細胞が自身の一部を食べる”現象である.その機能は,飢餓をしのぐという基本的なものから,細胞内に侵入した細菌を分解するという予想外のものまで,想像以上に多彩である.
中枢神経の軸索再生のメカニズム
山下俊英・藤谷昌司・羽田克彦・山岸 覚
中枢神経には軸索再生を抑制する物質が存在するため,いったん損傷を受けると回復不能である.現在,細胞内シグナル伝達を制御することで傷害を受けた中枢神経を再生させる試みが,動物実験で成功をおさめつつある.
植物における幹細胞の制御機構
相田光宏
植物の形態形成の中心である幹細胞は,動物と同様,周囲の微小な環境(ニッチ)により維持されている.幹細胞ニッチの形成・維持に働く主要な因子の解析から,ニッチの位置決定メカニズムが明らかになってきた.
蛋白質核外輸送複合体のX線結晶構造解析
松浦能行
核と細胞質のあいだの蛋白質輸送のうち,核外輸送の構造解析はこれまで難航していた.最近になって解かれた蛋白質核外輸送複合体の結晶構造は,輸送因子がその基質を認識するメカニズムを原子レベルで明らかにした.
アミノ酸10個の“蛋白質”シニョリンの発見
本田真也
わずか10個のアミノ酸からなる蛋白質が発見された.しかし,はたしてこれを蛋白質とよべるだろうか.蛋白質とはなにか.進化とフォールディングとデザインを結ぶことでみえてくる,新しい“蛋白質”観を提案する.
ナトリウムポンプの新機能
池田啓子・鬼丸 洋・川上 潔
ナトリウムポンプは細胞膜内外のNa+とK+の濃度勾配を維持している.そのアイソフォームの特異的な生体機能や存在意義は長らく不明であったが,遺伝子欠損マウスの解析によりその分子基盤が明確になりつつある.
哺乳類におけるD-アミノ酸の動態とその重要性
遊離型D-アミノ酸とD-アミノ酸含有蛋白質の代謝とその制御機構
木野内忠稔・藤井紀子・本間 浩
これまで生体内のアミノ酸はすべてL体だと考えられてきたが,最近,D-アミノ酸が生合成され機能を果たしていること,D-アミノ酸含有蛋白質が加齢とともにストレスにより生じることなどが明らかになりつつある.
光受容細胞の発生進化の謎にせまる
光同調をつかさどるメラノプシン
RNAでつくった遺伝子発現スイッチ
蛋白質“ゆらぎ”の可視化
蛋白質の内部は,個体? 液体?
実用化の進む量子ドット
よく光りよく見えるだけではない
アポトーシスを制御するドメインの機能に迫る
核内膜蛋白質によるシグナル伝達の制御
謎のAkt活性化キナーゼ,ついに決まったか?
マラリア原虫には糖鎖がないってホント?
単細胞真核生物におけるN-結合型糖鎖の多様性
パンもマーガリンも,増産の鍵はルビスコにある?
光合成の主役ルビスコは脂肪酸合成にも駆りだされている
アルツハイマー病はキネシンから
大学と企業
矢原一郎
(6)外部刺激応答性人工核酸の創製
和田健彦・井上佳久
標的配列との結合・解離を,温度やpHのわずかな変化により可逆的に制御できる人工核酸が設計・合成された.これは,天然の核酸と異なる骨格をもち安定であることから,アンチセンス医薬などへの応用も期待できる.
第6回 蛋白質立体構造予測コンテストCASP6に参加して
渕上壮太郎
キーストンシンポジウム“腫瘍の誘発と進展における微小環境の役割”
羽ばたくアメリカの女性ボス研究者たち
畑 隆一郎
BIOWEB(R)サービスに関するお問い合わせ: service@bioweb.ne.jp
|