PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME |
VOL.50 NO.4 2005 |
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A4変型判 100ページ T1105941091588
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ISSN 0039-9450 共立出版株式会社
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活性酸素
産生と防御のメカニズム
編集:中村三千男
序論 中村三千男
動物におけるNoxファミリーの役割とその活性化機構
住本英樹
食細胞NADPHオキシダーゼ(Nox)は,活性酸素を生成し殺菌作用を示す酵素である.近年,あいついで食細胞以外にもNoxのホモログが同定された.Noxファミリーがもつ役割とその調節機構を概説する.
植物における活性酸素の役割とその誘導
吉岡博文・山溝千尋
植物の自然免疫機構には活性酸素の生成機構が存在することが明らかになってきた.植物のNADPHオキシダーゼとMAPキナーゼカスケードによる制御.これを応用した次世代型の耐病性組換え作物の作出を紹介する.
体細胞ミトコンドリアDNAの維持
ミ卜コンドリアにおける酸化ストレスとDNA高次構造
康 東天
ミトコンドリアは細胞内で最大の活性酸素発生源であり,これが核に比べ,ミトコンドリアDNAの高頻度な変異をひき起こす.最近,ミトコンドリアDNAの維持にその高次構造が重要であることが明らかになってきた.
DNA酸化への防御戦略 塩基除去修復を中心に
張 秋梅・中村允耶・米倉慎一郎・米井脩治
活性酸素により細胞には酸化へのストレスがかかっている.DNAが活性酸素と反応すると多種の塩基酸化体が生成し,これは突然変異や発がんにつながる.塩基除去修復を中心に,この酸化的損傷の修復機構を解説する.
選択的スプライシングの巧妙さとその破綻
神経難病発症に関連する異常スプライシング
今泉和則
遺伝子の数よりはるかに多い蛋白質を生み出す駆動力が,mRNAの選択的スプライシングである.この巧妙に制御されたスプライシングの分子機構と,スプライシング異常により発症する神経変性疾患について紹介する.
植物で細胞死を実行する分子の発見
液胞プロセシング酵素というプロテアーゼの役割
初谷紀幸・黒柳美和・西村幹夫・西村いくこ
動物のアポトーシスで重要な働きを示すカスパーゼは,植物には存在しない.植物のプログラム細胞死を実行する重要な鍵酵素は,液胞プロセシング酵素であった.動物とは異なる植物特有の細胞死機構について解説する.
植物細胞の分化を誘導するプロテオグリカン
本瀬宏康・杉山宗隆・福田裕穂
これまで,動物とは異なり,植物細胞の分化を誘導する分泌性因子はほとんど知られていなかったが,最近,キシロゲンと名づけられたプロテオグリ力ンの一種が,植物の維管束分化における誘導因子として見いだされた.
食細胞NADPHオキシダーゼ MAPキナーゼカスケード
塩基除去修復 トランスバーション変異
レセプター膜蛋白質を介した蛋白質の膜透過機構
コリシンE3とビタミンB12レセプターの複合体結晶構造から
栗栖源嗣・S. D. Zakharov・M. V. Zhalnina・W. A. Cramer
大腸菌の毒素蛋白質コリシンE3は,ビタミンB12レセプターを使って細胞膜を通り抜ける.これら複合体の結晶構造から,大きな蛋白質であるコリシンE3が,2つの膜蛋白質を介して膜透過する機構を明らかにした.
生物が化学平衡を超えていくために
DNA分配装置の収斂進化
何となく生きていたのではなかった!
アポトーシスが起こらない場合のオートファジーの役割
延命薬も夢じゃない
抗けいれん薬が線虫の寿命を延ばした!
ポケモンはがんを起こす小さな魔物だった
膜結合セリンプロテアーゼによるANP産生
遺伝子欠損マラリア原虫を用いた新しいワクチン
ペニシリンが神経を防護する?
SARS感染を促進する抗体がある
BDNFとインスリンを比べてみれば
BDNFの神経活動依存的ソーティング機構の探索
ものを頼むときにはもっとも忙しい人に頼め
鈴木邦彦
(5)人工基底膜の創製
ラミニン活性ペプチドの新たなチャレンジ
望月麻友美・門谷裕一・野水基義
基底膜は組織境界にある細胞外マトリックスで,さまざまな生命現象を制御している.その構成成分ラミニンの生物活性部位(活性ペプチド)を用いて,組織工学により人工基底膜を創製することが可能となってきた.
角戸正夫先生のご逝去を悼む
田中信夫
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