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PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME VOL.50 NO.2 2005
    蛋白質 核酸 酵素

2

A4変型判 100ページ T1105941091588

ISSN 0039-9450 共立出版株式会社

 

 ■ Review

ミトコンドリアと色素体の分裂機構を解く
真核生物のかなめ“シゾン”の全ゲノム解読の記録
黒岩常祥

原始紅藻Cyanidioschyzon merolae(シゾン)の全ゲノム解読が完了した.ここには,これまでゲノム解読されたなかで最小セットの遺伝子が存在しており,真核生物を知る絶好の材料である.

生物時計装置を原子レベルで解明する
時計蛋白質の構造-機能相関の解明

宇津巻竜也・林 史夫・石浦正寛

生物時計を精巧な分子装置ととらえ,構成蛋白質の原子構造を解明して,自律発振,周期調節,周期の温度補償など,時計機能との相関を明らかにすることで,生物時計の作動原理を原子レベルで解明する研究が始まった.

ブラシノステロイド研究の新展開
中村郁子・松岡 信

ブラシノステロイドは,最近になって植物ホルモンとしての作用が明らかになった物質である.ブラシノステロイドとオーキシンの相互作用,単子葉植物におけるブラシノステロイド研究の農業的応用の可能性を紹介する.

 ■ Short Review

分裂酵母の生細胞で観た相同染色体対合のダイナミクス
丁 大橋・平岡 泰

減数分裂のとき,相同染色体はどのように対合するパートナーをみつけるのだろうか.生細胞での動態観察から分裂酵母では,これは染色体末端テロメアのクラスター形成と染色体の往復運動によることが明らかになった.

酸化ストレス応答を支配するコアクチベーターMBF1
広瀬 進

生体内では代謝により酸化ストレスを生じるが,通常は酸化ストレス応答によって解消され大事に至らない.しかし応答が正常に作動しないと酸化物が蓄積し短命となる.コアクチベーターMBF1はこの応答を支配する.

神経軸索ガイダンス分子,セマフォリンの作用機構
根岸 学・加藤裕教

神経軸索誘導において,セマフォリンはプレキシンを介して軸索に反発作用をひき起こす.セマフォリン4D受容体であるプレキシンB1は,低分子量G蛋白質R-RasのGTPase活性化蛋白質として機能していた.

生体膜脂質の非対称性が細胞機能の制御に果たす役割
斉藤康二・鎌田(藤村)このみ・田中一馬

細胞膜を構成するリン脂質は,脂質二重層の内外で非対称に分布している.脂質膜配向性の変化と細胞極性形成との関連が示唆されるなか,リン脂質のダイナミックな膜動態は,細胞機能にどうかかわっているのだろうか.

鳥類が進化の過程で獲得・喪失した糖鎖抗原と病原性微生物との関係
鈴木詔子

糖鎖は多様で複雑な構造をもち生体防御に機能する.生物種により異なる糖鎖が発現しているのは,生物の進化・多様化の過程における病原微生物との相互作用の結果だと考えられる.鳥類のもつ糖鎖からそれを検証する.

 ■ ゲノム情報

ヒトゲノム完成版の解析
服部正平

2004年10月,ヒトゲノム完成版の詳細な解析が発表された.ヒト遺伝子の総数は約22,000個とされ,これは概要版に比べて1万個も少なくなり,脊椎動物の遺伝子数はほぼ同じ数であることが明らかとなった.

 ■ Fraction Collector

糖代謝を制御する小さなRNA

コレステロール結合small RNAは静脈投与できる新薬となるか?

赤ワインで長生き

G蛋白質共役型受容体の新しい活性化機構

核の辺縁でDNA合成をさけぶ

BDNFのお陰でアル中にならずに済んでいるのか?

ニコチンで敗血症に立ち向かう

媒介昆虫に発現する病原体レセプター
リシューマニア原虫とガレクチン

脳卒中に骨髄細胞が関与する!?

 ■ 追悼

西塚泰美先生を偲んで
山村博平

 ■ 学会見聞記

第8回アジア転写会議
仲宗根 薫

 ■ Book Review

 ■ Cuvette

 ■ 公募・アナウンスメント

 ■ 次号予告

 ■ 広告索引

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