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PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME VOL.50 NO.1 2005
    蛋白質 核酸 酵素

1

A4変型判 100ページ T1105941091588

ISSN 0039-9450 共立出版株式会社

 

 ■ 特集

病原細菌と外界を結ぶチャネル
薬剤排出ポンプと病原因子分泌装置

編集:堀口安彦・阿部章夫

特集にあたって
堀口安彦

細菌のマルチコンポーネント型RND異物排出システム群の機能
抗菌薬耐性研究から病原因子産生制御機構研究へのプロローグ
後藤直正

I型分泌機構は異物の細胞外への輸送に機能し,細胞内の抗菌薬を排出することにより耐性を付与している.マルチコンポーネント型RND異物排出システムの多様性,抗菌薬耐性への関与,さらに病原性について述べる.

異物・薬物排出マシーナリーの構造と排出メカニズム
江田志磨・中江太治

I型分泌装置では,3種類の蛋白質から内膜・ペリプラズム・外膜を貫通するチャネルが形成されている.これら3つの蛋白質の結晶構造が解かれたことで,2つの膜を横断する異物排出システムの全体構造がみえてきた.

病原細菌のリーサルウェポン“III型分泌装置”
桑江朝臣・阿部章夫

多くのグラム陰性病原細菌はIII型分泌装置を介して病原因子を分泌する.その構造・機能は細菌のあいだでよく似ているため,その活性を制御する方法を見いだすことは多くの細菌感染症の克服につながると期待される.

III型分泌装置と細菌の病原性
飯田哲也

III型分泌装置は病原細菌だけがもつ蛋白質分泌装置と考えられてきたが,さまざまな細菌のゲノム解析から,共生細菌など病原細菌以外からもこの装置の遺伝子が見いだされており,その役割が注目されるようになった.

ピロリ菌のIV型分泌機構 III型分泌装置との比較
田中二朗・笹川千尋

胃潰瘍・胃がんを惹起するピロリ菌は,IV型分泌機構という巧妙なデリバリーシステムを駆使して病原性を発揮する.ピロリ菌を中心に,細菌におけるIV型分泌機構の特徴と分布,III型分泌機構との異同について考察する.

病原細菌のIVB型分泌系と宿主細胞内増殖
永井宏樹

レジオネラやコクシエラはその病原性を発揮するにあたって,宿主細胞内に取り込まれたのち,特異な小胞膜に覆われたニッチを獲得してそこで増殖する.その過程においては,IVB型分泌機構が重要な役割を担っている.

 ■ 今月のKey Words

エフェクター 細菌の分泌装置 多剤排出ポンプ
クオラムセンシング

 ■ Review

細胞質分裂面決定のメカニズム
堀(村田)麻希

細胞質分裂は細胞周期のなかでもっともダイナミックな形態変化を示すが,分裂面の決定や分裂の進行がどのように制御されているのかなど,その分子レベルでのメカニズムは,最近になりようやく明らかになりつつある.

 ■ Fraction Collector

犯人は私じゃない!
封入体は神経変性の元凶ではなく防御機構なのかも

一網打尽
ここまできた! プロテオミクス技術によるシグナル伝達系研究

アルギニン合成系酵素だって転写を直接制御するんだ!

肥満によるインスリン抵抗性と小胞体ストレス

2つの顔をもつ分子 
効果的な蛋白質間相互作用の抑制

アポトーシス阻害蛋白質が神経細胞を守る

T細胞白血病の発症機構が見えてきた

34億年前の海洋環境で活動した光合成細菌の痕跡
酸素発生型か非酸素発生型か?

 ■ 講演

細胞における蛋白質の一生
吉田賢右

蛋白質は細胞において,生成,成熟,輸送,管理,分解という一生をたどる.また,凝集すると細胞に悪影響を及ぼす.細胞には,これらの過程に対しそれぞれケアテイカー,つまり蛋白質の面倒をみる仕組みが存在する.

 ■ Laureate

2004年度ノーベル医学生理学賞
嗅覚研究に分子生物学の扉を開いたAxel博士とBuck博士

坂野 仁

 ■ シリーズ バイオナノテクノロジー

(4)人工制限酵素を用いた遺伝子操作
小宮山 真

高等生物の巨大なDNAを遺伝子操作するにあたっては,天然の制限酵素をしのぐ高い位置特異性をもつ人工制限酵素が必要となる.セリウム(IV)を触媒としてDNAを特定の位置で選択的に切断する技術を紹介する.

 ■ Book Review

 ■ Cuvette

 ■ 公募・大学院・アナウンスメント

 ■ 次号予告

 ■ 広告索引

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