PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME |
VOL.49 NO.13 2004 |
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A4変型判 100ページ T1105941091588
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ISSN 0039-9450 共立出版株式会社
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トランスポゾンによる進化,変異導入の生物学的意義
編集:竹田潤二・岡田典弘
序論 ジャンクDNAの中心で,意味をさけぶ
岡田典弘・竹田潤二
SINEとLINEによるゲノムの多様化機構
岡田典弘・梶川正樹・二階堂雅人・大島一彦
LINEは逆転写酵素をコードし自律的に転移するのに対し,SINEはその転移をLINEに依存する非自律的因子である.SINEとLINEの構造的相関から,SINEの由来と転移のメカニズムが明らかにされた.
テロメア特異的LINEの転移メカニズムと適応戦略
藤原晴彦
一部のLINEはランダムに転移することなく,特定の配列に転移する.テロメアに転移する昆虫LINEの解析から,LINE全般の転移機構と,テロメアに転移するという特異な適応戦略の背景が明らかになってきた.
DNAメチル化とRNAiによるトランスポゾンの制御
加藤政臣・角谷徹仁
DNAメチル化やRNAiのようなエピジェネティックな遺伝子修飾の主要な標的のひとつがトランスポゾンである.エピジェネティックな修飾はトランスポゾン制御を通じてゲノムの進化に大きく影響したと考えられる.
脊椎動物のゲノムに潜むDNA型トランスポゾン
古賀章彦
脊椎動物ではDNA型トランスポゾンはほとんど崩壊してしまっている.しかし,条件がそろえばDNA型トランスポゾンが転移を再開することもありうるだろう.最近,メダカでこのような事例があいついで観察された.
ゼブラフィッシュの時空間特異的な遺伝子発現
トランスポゾンを用いた遺伝子トラップ法による研究
小谷友也・川上浩一
メダカのトランスポゾンに由来する転移システムを用いることにより,ゼブラフィッシュにおける遺伝子トラップ法が初めて開発された.この方法により,脊椎動物の初期発生制御遺伝子研究の飛躍的な発展が期待される.
マウスにおけるトランスポゾン研究の進展
堀江恭二・遊佐宏介・竹田潤ニ
マウスはヒトを理解するために不可欠なモデル動物である.マウスでのトランスポゾン研究は,ヒトでのトランスポゾンの意義を理解するためにも,遺伝子機能解析のための新たなツールという点でも,注目を集めている.
DNA型トランスポゾンとRNA型トランスポゾン
レトロポゾン
哺乳類におけるゲノムインプリンティングによる単為発生阻止
河野友宏・尾畑やよい・小川英彦
哺乳類では不可能だと考えられていた,雌ゲノムのみをもつ単為発生マウスが誕生した.雌雄ゲノムの特徴を決定し単為生殖を阻んでいたのは,生殖細胞の形成過程で刷り込まれるゲノムインプリンティング情報であった.
植物におけるシグナル伝達系のクロストーク
転写因子分解の制御が鍵
柳澤修一
多くの植物シグナル伝達系の本質は,ユビキチン依存性蛋白質分解系による転写因子の分解制御である.最近,鍵を握る転写因子の分解が,複数のシグナル伝達系のクロストークによって制御されている例も見いだされた.
ラットのゲノム全塩基配列解読とわが国のラットリソース
芹川忠夫
ヒト,マウスに続く3番目の哺乳動物として,ラットのゲノム全塩基配列が解読された.ラットゲノムの塩基配列解読に至る歴史,成果,そして今後の展開について解説し,ラットリソースの整備・拡充の重要性を述べる.
隕石由来の情報分子として働きうるアミノ酸
未完成蛋白質の出口
新しい分子スイッチの開発
条件的にスプライシングが可能な変異インテイン
アストロサイトだって神経だ!
乳酸を介したニューロンとアストロサイトの関係
ParkinのKOマウスはパーキンソン病になるか?
カルパインがプリオン病を悪くする
カロリー制限が寿命を延長させる
癌抑制蛋白質PMLはMDM2をp53から引き離す
インドのバイオインフォマティクス事情
八尾徹
インドはIT分野にひき続き,近年はバイオインフォマティクス分野にも力を注いでいる.インドの最新バイオインフォマティクス事情を紹介する.
BIOWEB(R)サービスに関するお問い合わせ: service@bioweb.ne.jp
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