PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME |
VOL.49 NO.12 2004 |
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A4変型判 100ページ T1105941091588
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ISSN 0039-9450 共立出版株式会社
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染色体運動の制御起点
最新セントロメア研究
編集:高橋考太
序論
高橋考太
スピンドル装置と相互作用するキネトコアの分子基盤
齋藤成昭・高橋考太
セントロメアDNA上のDNA-蛋白質複合体であるキネトコアは,スピンドルと染色体をつなぐインターフェースであり,染色体分配運動のキープレイヤーである.いま,その分子的実体が解き明かされようとしている.
ヘテロクロマチンとセントロメア
ヘテロクロマチンとRNAiの出会い
加藤太陽・村上洋太
セントロメア周縁部のヘテロクロマチンは姉妹染色体の対合・分配に寄与する.そして最近になり,その維持にはヒストンのメチル化が重要な役割をもち,さらにRNAiシステムが利用されていることが明らかになった.
スピンドルチェックポイント
キネトコアによる細胞周期制御
松本智裕
スピンドルチェックポイントはすべての姉妹染色分体に紡錘糸が適切に接続するまでその解離を遅延する機構であり,キネトコアが感知する紡錘糸の接触・張力という物理的シグナルにより細胞周期の進行を制御している.
減数分裂期におけるセントロメア機能
秋吉文悟・渡辺嘉典
体細胞分裂と減数分裂の染色体分配様式の違いは,コヒーシンによる姉妹染色分体の接着とセパレースによるコヒーシンの分解を,減数分裂期にのみ発現する動原体因子が特異的に制御することによることがわかってきた.
哺乳類セントロメアと人工染色体
池野正史・岡崎恒子
哺乳類セントロメアはDNAと蛋白質からなる巨大複合体である.染色体分配に中心的役割を果たすが,その構造と機能には未知な点が多い.そして,哺乳類セントロメア構造の解明は哺乳類人工染色体の開発へつながる.
原核生物の染色体の分配起点
仁木宏典
真核生物と原核生物の染色体分配過程は大きく異なる.染色体分配の可視化により分配装置の存在が明らかとなり,また,大腸菌染色体にセントロメア様機能配列が発見され,原核生物の染色体分配の全貌がみえつつある.
セントロメア,キネトコア,動原体 紡錘体,スピンドル
チェックポイント 人工染色体
薬物トランスポーターのファーマコゲノミクス
SNPの機能的実態に迫る!
石川智久・遠藤 仁・乾 賢一・辻 彰・和田守正・隅野靖弘
遺伝子多型と薬の効果・副作用との関連を解明することはゲノム創薬と個の医療の重要課題である.SNPをもつ薬物トランスポーターの機能解析により薬物応答に影響するSNPを同定・検証する研究が注目されている.
精巧な仕組みをもつプロトンポンプ,V型ATPase
横山 謙・西 毅
V型ATPaseはプロトン輸送を通じて多くの生命現象にかかわる.その活性は厳密に制御されており,アイソフォームの違いもそれに関係する.1分子観察や構造生物学的解析により作用機構が明らかにされつつある.
細胞増殖・分化・死のシグナル蛋白質Necdin/MAGEファミリー
吉川和明・西村伊三男
Necdin/MAGEファミリー蛋白質は,ヒトには30以上存在している.そのうちニューロンなど分裂終了細胞を含む多様な細胞に発現するグループは,細胞の増殖・分化や死のシグナルの伝達に働いているらしい.
ミトコンドリアゲノムの変異で老化が起こる
哺乳動物にもみつかった致死性蛋白質毒
熱ショック蛋白質の異常による運動神経障害
興奮性神経活動によりニューロン新生が促進される
神経幹細胞のニッチ
盗みを容認すると 自己抗原を奪うことで免疫寛容を誘導する
長期増強に伴うシナプスの形態的変化
日本細胞生物学会大会,新たな船出
原田昌彦
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