PROTEIN, NUCLEIC ACID AND ENZYME |
VOL.49 NO.9 2004 |
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A4変型判 100ページ T1105941091588
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ISSN 0039-9450 共立出版株式会社
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ボルボックス胚の形態形成運動と細胞分化の仕組み
西井一郎
ボルボックスの胚発生には生殖細胞の分化や胚が裏返る形態形成運動があり,多細胞生物のモデルとなる.さらに,こうした現象に関連した突然変異体も知られている.最近明らかにされた遺伝子を中心に,その発生過程を紹介する.
シトクロムb6f複合体の立体構造と機能
栗栖源嗣・Huamin Zhang・Janet L. Smith・William A. Cramer
光合成電子伝達で働くシトクロムb6f複合体は,長い間ミトコンドリア呼吸鎖にあるシトクロムbc1複合体と同じであると考えられてきた.原子分解能で解析された結晶構造は,新しいヘム鉄を含むなどゲノム配列以上の知見を与えている.
微小管末端結合蛋白質の構造解析
林 郁子・伊倉光彦
微小管は細胞骨格の主要成分であり,細胞の形態変化,細胞内物質輸送,細胞分裂などは,その伸長・短縮により担われている.微小管の性質と,その末端に結合し伸縮を制御する蛋白質の部分構造解析を紹介する.
インターフェロン発現のシグナル伝達機構
転写調節蛋白質の構造解析によるアプローチ
高橋清大・藤田尚志・稲垣冬彦
ウイルス感染の最初期において,IRF-3はI型インターフェロン発現の最初のトリガーである.IRF-3のシグナル伝達メカニズムに構造生物学的手法を用いてせまる.
イントロンを介した遺伝子発現の協調機構
廣瀬哲郎
イントロンは単なるジャンクな配列にすぎないのだろうか? 近年徐々に明らかになってきたイントロンの遺伝子発現過程における機能について紹介し,新しいイントロン像を浮かび上がらせたい.
翻訳と核内イベントとの深い関係
今高寛晃
それぞれ別々に研究されてきた翻訳とスプライシングや核外輸送が,mRNAに結合する因子を通じて深い関連があることがわかってきた.もう境界線は存在しない.
ショウジョウバエ全蛋白質の相互作用解析の意義
鈴木治和
多細胞生物で初めてショウジョウバエの蛋白質相互作用が網羅的に解析された.構築された蛋白質ネットワークの特徴,また,ネットワーク内に見いだされる数々のパスウェイは,ヒトを含む多細胞生物の基本的機能骨格を明らかにした.
力学的シグナル伝達による幹細胞分化の制御
阻害剤の阻害剤 p53を眠らさないために
癌の息の根を止める
アルツハイマー病のハエモデル
PAR-1がタウの異常なリン酸化の引き金をひく
細胞内にバイパス発見!?
記憶する(?)単量体のアロステリック酵素
カリブでお茶を 原虫病にも茶カテキン
遺伝子発現制御研究によるRoeder博士のラスカー賞単独受賞
堀越正美
シリーズを始めるにあたって
(1)DNAから作るバイオフィルムの機能化
岡畑恵雄・川崎剛美
DNAの塩基配列を分子材料としてとらえ直すと新しい分野が開ける.DNAをカチオン性脂質で疎水化すれば簡単にDNA鎖が配向したフィルムを作ることができる.これは電子伝導性があり,光電変換性も示す有望な電子材料である.
フリーフロー電気泳動法の最近の進展とプロテオミクスへの応用
小林直之
電気泳動という20世紀の蛋白質分離技術が,プロテオミクスという21世紀の大規模な蛋白質解析の舞台で再び脚光を浴びようとしている.この新技術”フリーフロー電気泳動法“を紹介し,プロテオミクスにおける将来性について述べる.
(7)外国特許の取得と優先権制度・よろず相談
石埜正穂
特許権として本当の価値をもたせるためには,海外での権利化も視野に入れる必要がある.特許講座の最終回は,海外への出願における留意点,および優先権制度について述べる.また,Q&Aにおいて読者の意見・質問に答える.
BIOWEB(R)サービスに関するお問い合わせ: service@bioweb.ne.jp
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